地域医療日誌

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変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

薬でせん妄を予防できますか?

 やはり抗精神病薬は安全ではなかった? - 地域医療日誌 につづきます。

  • 入院中のせん妄予防
    • ランダム化比較試験(Hatta, 2014年) *1
  • せん妄が91%少ない

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入院中のせん妄予防

 入院時のせん妄の有病率は11-33%、入院中のせん妄の発症は高齢者の3-56%との報告もあり、入院中のせん妄は頻度の高い症候です。

 

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やはり抗精神病薬は安全ではなかった?

 せん妄の治療には抗精神病薬がよいですか? - 地域医療日誌 につづきます。

  • セロクエルも?
    • システマティックレビュー(2016年, El-Saifi) *1 
  • セロクエルで死亡が多い
  • 原因検索や非薬物療法を試みるのが基本

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セロクエルも?

 抗精神病薬の話題のついでに、2016年にクエチアピン(セロクエル)のシステマティックレビューが発表されていますので、ご紹介しておきます。

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せん妄の治療には抗精神病薬がよいですか?

質問

 せん妄には抗精神病薬がよいですか?

  • やはりリスパダール、セレネース?
    • ランダム化比較試験(Agar, 2017年) *1 
  • リスパダール、終末期患者ではプラセボに敗北 
  • さらに有害事象も心配

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 せん妄に対する治療について、最近気になる研究がいくつか発表されています。ここで確認しておきたいと思います。

 

やはりリスパダール、セレネース?

ランダム化比較試験(Agar, 2017年) *1 

研究の概要

 治癒が期待できない進行性の疾患(多くはがん)があり、入院で専門チームから緩和ケアを受けているせん妄患者に対して、リスペリドンまたはハロペリドールを1mg/日経口投与すると、プラセボに比べて投与3日目でのせん妄症状スコアは改善するか、について検討したランダム化比較試験。

 せん妄は症状スコア Nursing Delirium Screening Scale(NuDESC)*2で評価。 

 

*1:Agar MR, Lawlor PG, Quinn S, et al. Efficacy of Oral Risperidone, Haloperidol, or Placebo for Symptoms of Delirium Among Patients in Palliative Care: A Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med. 2017 Jan 1;177(1):34-42. doi: 10.1001/jamainternmed.2016.7491. PubMed PMID: 27918778.

*2:合計スコアは0(症状なし)から6(重度)と大きいほうが重症

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AYA世代特有の課題とその支援

  • AYA世代とは?
  • AYA世代特有の課題
  • AYA世代のがん対策 

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AYA世代とは?

 先日、自らが胃がん治療経験者でもあり、AYA世代と呼ばれる15~39歳のがん経験者を支援する活動をしている方にお話をうかがう機会がありました。

 

 ところで、AYA世代ってどこかで聞いたことがあるでしょうか? 厚生労働省の資料でもしばしば見かけるようになっています。

 Adolescent and Young Adultの略で、15歳から40歳未満の思春期・若年成人の世代のことを指すようです。

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チーズは体によくないですよね?

公開日 2017-6-9, 最終更新日 2017-6-13 *1

質問

 乳製品は体に悪くない、という記事を見ましたが、本当のところはどうなんですか?

  • 久しぶりのエビリク
  • チーズは心血管疾患のリスクか?
  • 論文をさがせ
    • メタ分析(Guo, 2017年) *2
  • 発酵乳製品、とくにチーズがよいかもしれない  

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久しぶりのエビリク

 いただいたご質問から調査するプロジェクト「#エビリク」。久しぶりですが、ひとつのウェブ記事を巡ってご質問をいただきました。

 

チーズは心血管疾患のリスクか?

「チーズを食べても心臓病や脳卒中のリスクは高くならないことが研究で判明」という見出しの記事です。

Consuming cheese, milk and yoghurt – even full-fat versions – does not increase the risk of a heart attack or stroke, according to research that challenges the widely held belief that dairy products can damage health.

The findings, from an international team of experts, contradict the view that dairy products can be harmful because of their high saturated fat content. The experts dismiss that fear as “a misconception [and] mistaken belief”.

 

 乳製品は健康を害する、という信念は広く知れ渡っています。これは、飽和脂肪酸を多く含んでいるためと言われますが、本当はどうなのか?という検討を行ったひとつの研究が紹介されています。

 

 研究の結果では、チーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品は、心疾患や脳卒中のリスクを高めませんでした。

 乳製品は体に悪い、というのは誤りだった可能性がある、といった内容の記事です。

 

論文をさがせ

 この記事ですが、紹介されている研究の論文情報が書かれていません。

 せめて字数の制約が少ないネット記事だけでも、引用情報をつけてもらいたいものですが・・・。そのほうが情報の信用度も上がるのですが、海外でもなかなか広まっていないようですね。

*1:note記事を転載しました。

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