地域医療日誌

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地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

医療と癒しについてさらに思索を進めたい

医療と癒し
  • 医療と癒し 
  • ヘルスケアの商品化と分業化が何をもたらしたか
  • 冷酷なエビデンス
  • あちら側の世界 
  • 医療が人を癒そうなんて思わないで
  • ここまでのまとめ

 

医療と癒し 

 一冊の本を紹介した2016年のブログ記事を発端にして、「医療は人を癒せるのか」はぼくにとってひとつの大きなテーマとなりました。

 もちろん、日頃から感じていたことではあるのですが、まるでブログが触媒となって一気に思索が進んだかのようです。

 これからも、ひきつづき取り上げていこうと思っています。

 あれから少し時間が経過した現時点では、細部の記憶もあやふやになってきています。当時、いくつかのブログ記事とウェブマガジンの特集記事に書き散らしたものをここでふりかえって整理してみよう、と思い立ったところです。

 

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後頭神経痛にビタミンB12注射?

3. 診断や治療についての疑問 EBM実践編 医学論文を調べるには

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出典のない情報は信用しないこと 

 後頭神経痛に対してビタミンB12の注射が有効、というネット情報が広がっています。

 検索上位のサイトをいくつか確認してみました。具体的な投与方法まで書かれているサイトもありましたが、残念ながら情報の出典については記載がありませんでした。(問題がありそうですのでここでは紹介できません。ご自身で検索し試してみてください。)

 

検索してみると

 そこで論文検索してみることにしました。臨床上の疑問を定式化してみましょう。このようになるでしょうか。

後頭神経痛の人にビタミンB12を注射すると、プラセボ注射に比べて、痛みは少なくなるのか。(治療)

 

 定番の検索方法で進めたいと思います。おぼえかたは"Dy-Up-Pu"(大アップもしくはダイアップ *1 )でしたね *2

DynaMed *3

  • "Occipital neuralgia" で検索したところ、単独のトピックなし。
  • "Headache" のトピックを確認。治療の項目には"vitamin" の記載はなし。
  • "Vitamin B12" のトピックを確認。効能の項目には"occipital neuralgia" の記載はなし。

 ということで、不発でした。

UpToDate *4

  • "Occipital neuralgia" のトピックあり *5
  • しかし、治療の項目には"vitamin" の記載なし。
  • 局所温熱や冷却でよくなることがある。
  • 後頭神経ブロック(局所麻酔薬+グルココルチコイド)が診断的にも有効。

 こちらにも、記載がありませんでした。

 質の高い二次情報源に掲載されていない、ということは・・・。一次情報に当たってみたいと思います。

PubMed (Clinical Queries *6 )

 基本にのっとり "Clinical Queries" から検索。

  • "Occipital neuralgia" "occipital" と"vitamin B" "vitamin" などで検索してもヒットせず。
  • "Headache vitaminB12" で検索 *7 したところ、33件がヒット。そのうちに定式化した疑問に合致した論文はなし。
  • 1950年代の論文がいくつか関連のある論文はいくつかある *8 が、抄録もなく英語論文でないため断念。後頭神経痛について触れているかどうかも不明。

 フリー検索でも該当論文にはたどり着けませんでした。

 

見つからず、断念

 残念ながら、ここまでの検索では見つかりませんでした。

 本当にそのような臨床研究は存在するのでしょうか? 国内論文? それとも都市伝説なのでしょうか?

 これからも調査を続けたいと思います。

 有力な情報があれば、おしえてください。コメント欄にでも結構です。 

*1:有名な坐薬の商品名です。

*2:既出 便秘にマルツエキスは効きますか? - 地域医療日誌 

*3:臨床向けEBM情報検索・診療サポートツールDynaMed

*4:Evidence-Based Clinical Decision Support at the Point of Care | UpToDate

*5:Garza I. Occipital neuralgia. In: UpToDate, Post, TW (Ed), UpToDate, Waltham, MA, 2016.

*6:PubMed Clinical Queries

*7: (Therapy/Broad[filter]) AND (headache vitamin b12)

*8:DALSGAARD-NIELSEN T. [Vitamin B12 in therapy of migraine and psychogenic headache]. Ugeskr Laeger. 1952 Aug 21;114(34):1143-4. Undetermined Language. PubMed PMID: 13015720.
DETLEFSEN HH, LOFFLER A. [Treatment of habitual headache with vitamin B12 (cytobion)]. Med Klin. 1955 Mar 31;50(13):530-1. German. PubMed PMID: 14383145.
SICUTERI F, BECATTINI U. [Effect of vitamin B12 on medical headaches; observations and critical notes]. Minerva Med. 1959 Jan 27;50(8):197-204. Italian. PubMed PMID: 13643830.

仕事のストレスと自殺の関係

5. 外からの脅威に関すること 過重労働

 働く人全ての意識が変わってほしい - 地域医療日誌 につづきます。

  • 労働時間の管理でいいのか
    • メタ分析(Loerbroks, 2016年) *1
  • 労働時間ではわからない自殺リスク

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労働時間の管理でいいのか

 過重労働が問題になっています。もちろん、前提として長過ぎる労働時間の是正は必要でしょう。

 しかし、ただ労働時間の長短だけを論じても、仕事のストレスのごく一面にすぎない、というのがおそらく専門家の見解ではないでしょうか。

 最近、仕事のストレスと自殺の関係についてのメタ分析が発表されていましたので、ご紹介します。

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リルテックはALSの生存期間をのばす

3. 診断や治療についての疑問

 以前の記事につづきます。

  • リルテックはどうですか? 
    • メタ分析(Miller, 2012年) *1
  • 生存率1年で9%の差

 

リルテックはどうですか? 

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する治療について、もう少し確認しておきましょう。ALSの治療、病勢進展の抑制に適用があるリルテック(一般名 リルゾール)について調べてみました。

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はじめから夢をみるのではない

日誌

 新年あけまして、おめでとうございます。  

 旧年中はこれまで以上に多くの方々に当ブログへお越しいただき、感謝しております。

 本年もまたご愛顧いただきますよう、心よりお願い申し上げます。

 

 それでは今年もさっそく、始めたいと思います。

  • 継続は力なり?
  • いつのまにかプロになる
  • 抱負のようなもの
  • 楽しくないことも伝えたい

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