地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

研究費をもらうといい結果が出やすいというのは本当ですか?

理想と現実 横断研究(Ahn, 2017年) *1 経済的支援があると3.6倍いい結果が出やすい 読者としてどうするか? 理想と現実 臨床研究とは特定の企業の利益を目的としたものではなく、あくまでも公平に行われているものと信じたいです。しかし、現実はそうでは…

ぜんそくの吸入はチャンバーでもいいですか?

質問 病院で子供がネブライザーを嫌がってうまくできないのですが・・・。 ネブライザー vs チャンバー メタ分析(Cates, 2013年) *1 小児はチャンバーのほうがいい (画像提供:写真AC) ネブライザー vs チャンバー 急性喘息でERを受診した場合などでは、…

役割があると思うからつらくなる

告知記事です。 届きにくい世界とそのかすかな声 医療者の盲点 役割をいったん捨ててみる EBM実践はじめの一歩 届きにくい世界とそのかすかな声 地域医療ジャーナル 2017年03月号 vol.3(3) を配信しました。月刊ウェブマガジンですが、毎号充実した連載記事…

がんにも音楽は効きますか?

音楽のチカラ シリーズ、さらにつづけます。 メタ分析(Bradt, 2016年) *1 不安や痛みに対しては効果あり 今回はがん患者に対する効果について。 最近のコクランがありましたので、ご紹介します。 メタ分析(Bradt, 2016年) *1 研究の概要 がん患者が、音…

音楽は終末期の痛みにも効きますか?

音楽のチカラ シリーズ、まだつづきます。 これまでわかっていること システマティックレビュー(McConnell, 2016年) *1 終末期の痛みは少ない これまでわかっていること 今回は終末期の音楽療法についてです。 論文の紹介の前に、これまでわかっていること…

ぜんそくには家でパルスオキシメーターを使うべきですか?

質問 ぜんそくと診断されたのですが、家でパルスオキシメーターを使ったほうがよいですか? システマティックレビュー(Welsh, 2015年) *1 該当研究なし 自宅での喘息の管理にパルスオキシメーターが使えないか、と考える人が(医療従事者を含めて)いるよ…

音楽でよく眠れるようになりますか?

音楽のチカラ シリーズ、さらにつづきます。 メタ分析(Jespersen, 2015年) *1 音楽は効果がありそう 今回は睡眠障害に対する効果についてです。 音楽を聞くことは眠り薬として広く使われているようですが、その効果ははっきりしていなかったようです。 音…

読者との距離感を意識する(アンダーライン)

WELQの一件から またも朝日に タダより安いものはない? タッチポイントをふやすなら距離感を考える WELQの一件から 医療情報に関するブログやウェブマガジンなどを運営しているぼくにとって、昨年のあの一件の報道はちょっとした事件でした。 そのことにつ…

音楽で認知症がよくなりますか?

音楽のチカラ シリーズ、さらにつづきます。 認知症に対する効果 メタ分析(Zhang, 2016年) *1 音楽で認知機能は改善しなかった 認知症に対する効果 音楽の癒し効果について、さらにつづきます。 今回は認知症に対する音楽療法の効果を検討した研究です。 …

音楽で手術前の不安をやわらげられますか?

薬としての音楽 メタ分析(Bradt, 2013年) *4 手術前の不安は少なくなるかもしれない 薬としての音楽 医療と癒しについて、少し調べていきたいと思います。 音楽の癒し効果については、医学論文でよく取り上げられることがあります。ざっと調べてみました。…

インフルエンザの研究をふりかえって

2009年 2013年 2015年 2014-2015年 2016年 備忘録です。タミフルについての過去のブログ記事をまとめておきます。 ぼくの古い記事を読むと、我ながら何を言いたいんだかよくわからない、ということもあります。お恥ずかしい限りですが、まずは並べてみます。…

一枚の絵であっても人を癒すことができる

癒しとは何か 「最後の一葉」から 癒しとは、ベアマンさんの絵のようなもの 癒しとは何か 癒しとは何か。「医療と癒し」について考える前提として、ここは避けては通れない問いです。 主観的な概念だと思いますので、まず自分なりの解釈について、少し考えて…

論文検索が楽にできる方法

ブログ記事の紹介です。 記事はこちら。noteに有料で公開されています。 note.mu 論文検索は効率よく検索できるだけでなく、なるべくストレスが無く、そして何よりも「わくわく」する作業でなければいけません。 そうですよね。さすが青島さん。

抗インフルエンザ薬はどんな人に推奨されますか?

備忘録です。CDCのガイドライン *1から。 抗インフルエンザ薬の推奨されるインフルエンザ合併症ハイリスク群は以下のとおりです。 2歳未満の小児 65歳以上の成人 慢性肺疾患(喘息を含む)、心血管疾患(高血圧のみを除く)、腎疾患、肝疾患、血液疾患(鎌状…

医療と癒しについてさらに思索を進めたい

医療と癒し ヘルスケアの商品化と分業化が何をもたらしたか 冷酷なエビデンス あちら側の世界 医療が人を癒そうなんて思わないで ここまでのまとめ 医療と癒し 一冊の本を紹介した2016年のブログ記事を発端にして、「医療は人を癒せるのか」はぼくにとってひ…

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