地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

元論文をたどってみよう

出典を明示せよ 元論文をさがせ #元論文 コーヒーと寿命 幹線道路沿いに居住で認知症リスク 出典を明示せよ 医療情報の信頼性をはかるチェックリストについて、以前ご紹介したことがありますが、確認しておきましょう。 具体的な研究の結果であることが出典…

記憶の改変が癒しにつながる?

ツイッターの導火線 癒してあげたいという医療者のおこがましさ 偽りの記憶が癒しにつながる? 記憶は現象とコトバの間にある ここまでの整理 とあるきっかけがあり、久しぶりに「医療と癒し」について考えています。 ぼくの個人的な思考の整理のための記事…

地域医療に影響を与える懸念とは?

厚生労働大臣談話 制度導入を一年延期 地域医療への影響を払拭できなかった 結局、事後対策へ 地域医療に影響があるというのはどういった事態か 備忘録です。2018年度から開始されるとされる「新たな専門医制度」について。 厚生労働大臣談話 2017年8月2日…

家族が水痘にかかったら72時間以内にワクチンを

質問 家族が水痘にかかったのですが、今からワクチンをやっても間に合いますか? 水痘は自然に治るがかからないほうがいい 家族内発症が多い メタ分析(Macartney, 2014年) *3 水痘は自然に治るがかからないほうがいい 水痘は水痘・帯状疱疹ウイルス(varic…

腰痛に超音波治療は効果なし

質問 腰痛には超音波治療が効きますか? 腰痛の理学療法 メタ分析(Ebadi, 2014年) *1 ほとんど効果がなかった 腰痛の理学療法 腰痛に対する理学療法はしばしば行われているようですが、そのひとつに超音波治療があります。 理学療法とは病気、けが、高齢、…

かぜには薬よりハチミツやプラセボ?

地域医療ジャーナルも3年目へ 連載「かぜの研究」ではプラセボが話題に ハチミツの効果 プラセボの効果 無益な治療はなくならない 地域医療ジャーナルも3年目へ 告知というか、宣伝です。 2015年から「地域医療ジャーナル」というウェブマガジンを運営して…

10年前に思いをはせてみる未完成な思い

なつかしい音色と顔 10年たったぼく 医療をどうしたいとか、どうでもよかった なつかしい音色と顔 タバコの煙が漂うカフェの店内に、なつかしいピアノの音色が流れています。 10年前に思いを馳せているのは、偶然フェイスブックのタイムラインに流れてきた幼…

診療所医師の指南書となるだろう

短絡的な解決を期待する時代 またも翻訳本が出版 癒し手であれ 本の紹介です。今回ご紹介するのはこちら。 医の知の羅針盤 良医であるためのヒント 短絡的な解決を期待する時代 せわしなく動いていると、じっくりと時間をかけて何かに向き合うということがで…

PPIで総死亡がふえる?

コホート研究(Xie, 2017年) *1 PPIで総死亡が25%多い PPI投与期間が長いと総死亡多い 原因はまだわかっていない 逆流性食道炎や消化性潰瘍でよく使われている、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に関するネガティブデータが徐々に出てきています。 最近、BMJ Op…

医療法一部改正―広告規制の見直し

医療法の一部改正 ホームページの規制が追加された 医療法の一部改正 2017年6月14日、「医療法等の一部を改正する法律」が厚生労働省医政局長から公布されました。そのなかに「医療に関する広告規制の見直しに関する事項」が含まれていますので、取り上げて…

高齢者にとっても夢のある未来へ

サービスで忙しい 夢を実現できるサービスを 備忘録です。あるワークショップで考えさせられたこと。 サービスで忙しい 介護保険サービスが充実し、高齢者は毎週いろいろなサービスのスケジュールで動いています。たとえばデイサービスやデイケア。 サービス…

BMI 20-27.5までは許容したい

3千万人の調査から システマティックレビュー(Aune, 2016年) *1 総死亡が少ないのはBMI 24-27.5 結論はほぼ決定的か 3千万人の調査から 身長と体重から算出する指標 Body Mass Index (BMI)と総死亡の関係については、これまでもいくつか取り上げてきまし…

アルカリイオン水はがんに効きますか?

質問 アルカリイオン水でがんが治りますか? アルカリイオン水のサイトは全滅 たったひとつの論文 システマティックレビュー(2016年, Fenton) *1 該当論文なし アルカリイオン水のサイトは全滅 がんの代替療法、巷ではよく話題になっているテーマでしょう…

上腕骨外側上顆炎に外用薬は?

質問 テニス肘なんですけど、湿布でいいですか? 外側肘痛に鎮痛剤 メタ分析(2013年, Pattanittum) *1 質の低い研究しかなかった 肘の痛みがつづく女性。典型的なテニス肘(上腕骨外側上顆炎)の所見でした。 別にテニスをするわけでもない、と診断名を聞…

水平展開を意識してみる

横につながる水平展開 地域医療ジャーナル NAVERまとめ 横につながる水平展開 最近、薬剤師グループの貢献もあって、EBM界隈のネット情報源がふえてきていると実感します。 臨床上の疑問を信頼できる情報源から調べることは基本中の基本ですが、そうした基本…

胃がん検診(胃X線検査)で胃がん死亡が半減?

総死亡で検索したいが・・・ 論文がない がん検診のあり方に関する検討会 5件のコホート研究 総死亡で検索したいが・・・ 胃がん検診が話題になっています *1 胃X線検査は長年行われていますが、効果はどの程度確認されているのでしょうか。 いい機会ですの…

PPIに食道がん予防効果はあるか

質問 プロトンポンプ阻害薬を長年飲んでいたほうが、食道がんになりにくくなるのでは? メタ分析(2014年, Singh) *1 PPIで食道腺がん+高度異形成が71%少ない メタ分析(2017年, Hu) *2 PPIに効果なし 結論が変わった理由 このような質問を受けました。さ…

じんま疹の原因は何ですか?

質問 じんま疹の原因は何ですか? 全体の12-22%の人が経験 30-50%は原因不明 じんま疹以外の病気 ヒスタミン中毒 全体の12-22%の人が経験 一生のうちで、何らかのじんま疹に見舞われる人は12-22%といわれます。案外、経験している人は多いものです。突然、あ…

薬でせん妄を予防できますか?

やはり抗精神病薬は安全ではなかった? - 地域医療日誌 につづきます。 入院中のせん妄予防 ランダム化比較試験(Hatta, 2014年) *1 ロゼレムでせん妄が91%少ない 入院中のせん妄予防 入院時のせん妄の有病率は11-33%、入院中のせん妄の発症は高齢者の3-56…

やはり抗精神病薬は安全ではなかった?

せん妄の治療には抗精神病薬がよいですか? - 地域医療日誌 につづきます。 セロクエルも? システマティックレビュー(2016年, El-Saifi) *1 セロクエルで死亡が多い 原因検索や非薬物療法を試みるのが基本 セロクエルも? 抗精神病薬の話題のついでに、20…

せん妄の治療には抗精神病薬がよいですか?

質問 せん妄には抗精神病薬がよいですか? やはりリスパダール、セレネース? ランダム化比較試験(Agar, 2017年) *1 リスパダール、終末期患者ではプラセボに敗北 さらに有害事象も心配 せん妄に対する治療について、最近気になる研究がいくつか発表されて…

AYA世代特有の課題とその支援

AYA世代とは? AYA世代特有の課題 AYA世代のがん対策 AYA世代とは? 先日、自らが胃がん治療経験者でもあり、AYA世代と呼ばれる15~39歳のがん経験者を支援する活動をしている方にお話をうかがう機会がありました。 ところで、AYA世代ってどこかで聞いたこと…

チーズは体によくないですよね?

公開日 2017-6-9, 最終更新日 2017-6-13 *1 質問 乳製品は体に悪くない、という記事を見ましたが、本当のところはどうなんですか? 久しぶりのエビリク チーズは心血管疾患のリスクか? 論文をさがせ メタ分析(Guo, 2017年) *2 発酵乳製品、とくにチーズが…

反論も科学的に

いわゆる「医療否定本」について 反論は感情論ばかり 解熱薬で症状は長引く いわゆる「医療否定本」について ちょうど記事を書いたばかりのタイムリーな話題だったので、書いておきたいと思います。端緒となったのはBLOGOSのこちらの記事。 「医療否定本も抗…

放っておくことは思いやりですか?

「思いやり」という不思議な力 プラセボ群の予後 「思いやり」という不思議な力 地域医療ジャーナル 2017年6月号を発行しました。会員制のウェブジャーナルですが、記事も充実しておりますので、ぜひ読者登録の上、お読みいただければと思います。 cmj.publi…

エビデンスを知ったところで無力ですよね?

処方決定権という壁 処方に関係ないことならできる 処方の際にはぜひ質問を このブログで何ができるようになりますか? - 地域医療日誌 について、もう少し考えてみたいと思います。 処方決定権という壁 例えば、自分のかかっている病気に対して、ある治療に…

高齢者の睡眠時間は7時間前後が長生き

睡眠時間と総死亡の関係 メタ分析(da Silva, 2016年) *1 長くても短くてもダメ 睡眠時間と総死亡の関係 最近、なぜか睡眠関連の記事が多くなっていますが、今回も睡眠について。それも睡眠時間と真のアウトカムである総死亡や心血管死亡との関係について検…

犠牲で成り立つ地域医療を変えるひとつのモデル

へき地の複数の診療所を複数の総合医が支える 一人の犠牲ではなくネットワークで支える 幅広い診療ができる医師がカバーする 地域医療に関する記事の紹介です。 「地域医療日誌」というブログ名から、これまでこのような記事を期待して来られた方も多かった…

かぜは寝て待て

質問 かぜで医療機関を早めに受診したほうがよいですか? かぜをひいても何もする必要はありません こんなときには医療機関の受診を エビデンスは? まずはやってみよう かぜをひくと早めに市販薬を準備したり、医療機関を受診したりする人がたくさんいます…

このブログで何ができるようになりますか?

ブログで何ができるようになるのかなんて考えてなかった このブログでできること 1.もう少し健康を気にかけずに暮らせるようになるかもしれません 2.その理由や判断材料がはっきりします 3.エビデンスをどう使うかが身につきます ブログにも参考になる…

基本研修ハンドブックが5年ぶりの改訂

本の紹介です。 ぼくも少しだけ関わっておりますので、宣伝という形になります。 興味ある方は、ぜひともクリックを(笑)。 日本プライマリ・ケア連合学会 基本研修ハンドブック 作者: 日本プライマリ・ケア連合学会 出版社/メーカー: 南山堂 発売日: 2017/…

7年猶予で本当にいいですか?

無益性の拡大解釈のゆくえ - 地域医療日誌 につづきます。 ブラックな医療業界 過重労働を政府が追認 応召義務とは 医師は例外に 医療業界は努力が足りない 医療現場の過重労働と無益性の拡大解釈 ブラックな医療業界 すでに限界に達している医療現場。これ…

あらためて、癒しとは何か?

癒しとは何か 癒し手の3つの特徴 癒しの定義 失われた医療の社会的役割 3つの特性を取り戻すべきか 癒しとは何か これまで「医療と癒し」について、まるで特集のようにこのブログに思うことを書き綴ってきました。その時々に考えたことを思うままに書いて…

過ぎ去ってからわかることってたくさんあるんだ

先日、地域医療ジャーナル 2017年05月号 vol.3(5)「過ぎ去ってからわかること」を発行しました。 cmj.publishers.fm 今月号から、ホスピス緩和ケアを専門とする米国認定音楽療法士の佐藤由美子さんから、ご寄稿をいただくことになりました。(経緯は編集後記…

抗うつ薬で眠れるようになりますか?

不眠にデジレルは有効? ガイドライン(Sateina, 2017年) *1 ランダム化比較試験(Walsh, 1998年) 睡眠障害には効果なし 不眠にデジレルは有効? 睡眠障害のある人にデジレル(一般名 trazodone)が処方されていました。 デジレルは抗うつ薬ですが、鎮静効…

スマホは睡眠に影響しますか?

スマホ依存ポスターが議論に メタ分析(Carter, 2016年) *1 スマホで睡眠の量も質も低下 結果の解釈には注意が必要 研究が追いついてない スマホ依存ポスターが議論に 日本小児科医会と日本医師会が発表した「スマートフォンを使うと学力が低下する」という…

無益性の拡大解釈のゆくえ

地殻変動がはじまっている 終末期の蘇生中止 無益性の拡大解釈が拡がる懸念 すべり坂 無益性の定義 いろいろと取りかかっている他の仕事に気をとられ、久しぶりにブログに戻ってきました。(ストック記事の予約投稿でブログは定期配信されています。) 地殻…

あわてて在宅酸素を導入する必要はない

ただ酸素を与えればいいのか? につづきます。 COPDではどうか? ランダム化比較試験(Albert, 2016年) *1 やはり差が出なかった! COPDではどうか? 急性心筋梗塞でさえ酸素の効果は微妙なところだということがわかりました。 慢性疾患ではなおさら、その…

かぜに抗菌薬が処方されなくなっている?

特定の抗菌薬使用量を2020年までに半減 抗菌薬はすでに現場では使われてない? 他の調査では40-60%、過半数が第3世代セフェム かぜに対して抗菌薬の効果があまり期待できないことは、このブログの読者のみなさまはすでにご存知かと思います。 今回はそのエ…

ただ酸素を与えればいいのか?

質問 SpO2が下がっているので、酸素が必要ですよね? すぐ準備します! 本当によく聞かれます 急性心筋梗塞の場合 メタ分析(Cabello, 2013年) *1 メタ分析(Cabello, 2016年) *2 酸素でも空気でも同じ結果だった 本当によく聞かれます よく聞かれる質問で…

表現者としての実験?

100万PV 自分の砂場から 表現者へ 100万PV 新年度なので、ということでもなかったのですが。 先日、2007年12月のブログ開設以降、ブログの総累積ページビュー数(PV)が100万PVを越えました。 www.bycomet.com これまでのブログ変遷は 地域医療日誌のあゆみ …

医療で老化に立ち向かうことはできない

長生き欲に蝕まれた日本 そろそろ洗脳から目覚めよ 本の紹介です。 65歳からは検診・薬をやめるに限る! ―高血圧・糖尿病・がんはこわくない 著者献本、深謝いたします。 長生き欲に蝕まれた日本 長寿の人が敬われる日本の文化、それは喜ばしいことかもしれま…

象の背中から飛び降りて

変質しつづける学びのカタチ 虎の威を借る 原著論文募集中 変質しつづける学びのカタチ 「地域医療ジャーナル」告知記事です。ぼくが2015年に創刊し、編集責任者をつとめています。 毎月発行していますが、すぐれたブロガー記者さん達に協力していただき、熱…

どこからが広告で、どこからが誇大広告なのか?

医薬品等の広告規制に違反する? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 広告の3要件 誇大な表現? 広告の3要件 ところで、法的には「広告」とはどのようなものと定義されているのでしょうか? 「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」(平成10年…

睡眠薬のスボレキサントの効果

睡眠薬で血糖値が下がる? - 地域医療日誌 睡眠薬で血糖値が下がる?|ブロガーズオフィス|note につづきます。 「地域医療」検索 スボレキサント 地域医療 薬剤師の地域医療日誌 地域医療の見え方 pharmacist's record スボレキサント(suvorexant、商品名…

医薬品等の広告規制に違反する?

NHK謝罪文からわかること - 地域医療日誌 睡眠薬で血糖値が下がる? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 医薬品医療機器等法 誇大広告等 解説PDFから 医薬品等適正広告基準 睡眠薬(またはオレキシン受容体拮抗薬)を服用すると血糖値が下がる、という科学的…

積極的治療か緩和ケアか?

終末期の迷い メタ分析(Reljic, 2017年) *1 がん終末期患者の予後 どちらを選択するのか 終末期の迷い どこまでも治療をつづけたほうがよいのか、それとも緩和ケアに舵を切ったほうがよいのか、それとも・・・。終末期が近づいてくると、本人そして家族に…

睡眠薬で血糖値が下がる?

NHK謝罪文からわかること - 地域医療日誌 のつづき記事です。 そもそもが代用のアウトカム ⇒ つづきはnoteへ PubMedでは該当研究なし オレキシン受容体拮抗薬と糖尿病 ベルソムラと糖尿病 NHKは何を根拠に報道したのか? 大阪市立大学の臨床研究? 未発表デ…

忘れたい記憶を美しい記憶へ

強い物語が記憶を改変する 音楽も記憶を改変する? 記憶の改変が癒しにつながる? 強い物語が記憶を改変する ツイッターで偶然流れてきたひとつのツイートから刺激され、少し考えが整理されつつあるような気がします。 とりとめもないかもしれませんが、書い…

NHK謝罪文からわかること

厚労省は口頭注意 NHK謝罪文 謝罪文からわかる問題点の要約 厚労省は口頭注意 NHK総合で2017年2月22日(水)午後7時30分から放送された番組「ガッテン!」の「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎 」。放送後、専門家や学会から内容に問題があるとの抗…

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