地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

4. 医療の負の側面に関すること

認知症は本当に増えているのか?

認知症は高齢者の15%? - 地域医療日誌 につづきます。 フラミンガムから コホート研究(Satizabal, 2016年) *1 年齢調整では認知症は少なくなっていた フラミンガムから 米国の有名なコホート研究 Framingham Heart Study(1948年から調査が開始され、現在…

あさがくるまえに

鮮やかな風景とストーリーが対照的 秦 基博/朝が来る前に-Avant l’aube- (Réparer les vivants Ver.) 映画『あさがくるまえに』オフィシャルイメージソング 2017年9月から日本で公開されているフランス映画「あさがくるまえに」のご紹介です。 2003年にフ…

認知症は高齢者の15%?

認知症は3秒に1人が発症 認知症高齢者は462万人 認知症は15%もいるのか? 過去の疫学調査では4-11% 厚労省の横断調査結果から 厳格に評価すれば認知症は多くなる 認知症は3秒に1人が発症 9月21日は「世界アルツハイマーデー」でした。認知症に関する…

メトトレキサートに葉酸補充は必要?

胃腸症状が少ない メタ分析(Shea, 2013年) *1 葉酸の投与方法は 関節リウマチなどに処方されるリウマトレックス(メトトレキサート)にあわせて、葉酸が処方されることがあります。 副作用軽減のため、とのことですが、どの程度の効果があるのでしょうか。…

高齢者の薬をどのように中止するか、ガイドラインに

高齢者の高血圧ガイドライン 介護施設入所者や終末期 減薬の基準 ポリファーマシー 高齢者の高血圧ガイドライン 日本老年医学会から、高齢者の高血圧診療ガイドラインが公開されています。 こちらからpdfを閲覧できます。 「高齢者高血圧診療ガイドライン201…

PPIで総死亡がふえる?

コホート研究(Xie, 2017年) *1 PPIで総死亡が25%多い PPI投与期間が長いと総死亡多い 原因はまだわかっていない 逆流性食道炎や消化性潰瘍でよく使われている、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に関するネガティブデータが徐々に出てきています。 最近、BMJ Op…

医療法一部改正―広告規制の見直し

医療法の一部改正 ホームページの規制が追加された 医療法の一部改正 2017年6月14日、「医療法等の一部を改正する法律」が厚生労働省医政局長から公布されました。そのなかに「医療に関する広告規制の見直しに関する事項」が含まれていますので、取り上げて…

やはり抗精神病薬は安全ではなかった?

せん妄の治療には抗精神病薬がよいですか? - 地域医療日誌 につづきます。 セロクエルも? システマティックレビュー(2016年, El-Saifi) *1 セロクエルで死亡が多い 原因検索や非薬物療法を試みるのが基本 セロクエルも? 抗精神病薬の話題のついでに、20…

AYA世代特有の課題とその支援

AYA世代とは? AYA世代特有の課題 AYA世代のがん対策 AYA世代とは? 先日、自らが胃がん治療経験者でもあり、AYA世代と呼ばれる15~39歳のがん経験者を支援する活動をしている方にお話をうかがう機会がありました。 ところで、AYA世代ってどこかで聞いたこと…

反論も科学的に

いわゆる「医療否定本」について 反論は感情論ばかり 解熱薬で症状は長引く いわゆる「医療否定本」について ちょうど記事を書いたばかりのタイムリーな話題だったので、書いておきたいと思います。端緒となったのはBLOGOSのこちらの記事。 「医療否定本も抗…

放っておくことは思いやりですか?

「思いやり」という不思議な力 プラセボ群の予後 「思いやり」という不思議な力 地域医療ジャーナル 2017年6月号を発行しました。会員制のウェブジャーナルですが、記事も充実しておりますので、ぜひ読者登録の上、お読みいただければと思います。 cmj.publi…

7年猶予で本当にいいですか?

無益性の拡大解釈のゆくえ - 地域医療日誌 につづきます。 ブラックな医療業界 過重労働を政府が追認 応召義務とは 医師は例外に 医療業界は努力が足りない 医療現場の過重労働と無益性の拡大解釈 ブラックな医療業界 すでに限界に達している医療現場。これ…

無益性の拡大解釈のゆくえ

地殻変動がはじまっている 終末期の蘇生中止 無益性の拡大解釈が拡がる懸念 すべり坂 無益性の定義 いろいろと取りかかっている他の仕事に気をとられ、久しぶりにブログに戻ってきました。(ストック記事の予約投稿でブログは定期配信されています。) 地殻…

あわてて在宅酸素を導入する必要はない

ただ酸素を与えればいいのか? につづきます。 COPDではどうか? ランダム化比較試験(Albert, 2016年) *1 やはり差が出なかった! COPDではどうか? 急性心筋梗塞でさえ酸素の効果は微妙なところだということがわかりました。 慢性疾患ではなおさら、その…

かぜに抗菌薬が処方されなくなっている?

特定の抗菌薬使用量を2020年までに半減 抗菌薬はすでに現場では使われてない? 他の調査では40-60%、過半数が第3世代セフェム かぜに対して抗菌薬の効果があまり期待できないことは、このブログの読者のみなさまはすでにご存知かと思います。 今回はそのエ…

ただ酸素を与えればいいのか?

質問 SpO2が下がっているので、酸素が必要ですよね? すぐ準備します! 本当によく聞かれます 急性心筋梗塞の場合 メタ分析(Cabello, 2013年) *1 メタ分析(Cabello, 2016年) *2 酸素でも空気でも同じ結果だった 本当によく聞かれます よく聞かれる質問で…

どこからが広告で、どこからが誇大広告なのか?

医薬品等の広告規制に違反する? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 広告の3要件 誇大な表現? 広告の3要件 ところで、法的には「広告」とはどのようなものと定義されているのでしょうか? 「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」(平成10年…

医薬品等の広告規制に違反する?

NHK謝罪文からわかること - 地域医療日誌 睡眠薬で血糖値が下がる? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 医薬品医療機器等法 誇大広告等 解説PDFから 医薬品等適正広告基準 睡眠薬(またはオレキシン受容体拮抗薬)を服用すると血糖値が下がる、という科学的…

NHK謝罪文からわかること

厚労省は口頭注意 NHK謝罪文 謝罪文からわかる問題点の要約 厚労省は口頭注意 NHK総合で2017年2月22日(水)午後7時30分から放送された番組「ガッテン!」の「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎 」。放送後、専門家や学会から内容に問題があるとの抗…

研究費をもらうといい結果が出やすいというのは本当ですか?

理想と現実 横断研究(Ahn, 2017年) *1 経済的支援があると3.6倍いい結果が出やすい 読者としてどうするか? 理想と現実 臨床研究とは特定の企業の利益を目的としたものではなく、あくまでも公平に行われているものと信じたいです。しかし、現実はそうでは…

読者との距離感を意識する(アンダーライン)

WELQの一件から またも朝日に タダより安いものはない? タッチポイントをふやすなら距離感を考える WELQの一件から 医療情報に関するブログやウェブマガジンなどを運営しているぼくにとって、昨年のあの一件の報道はちょっとした事件でした。 そのことにつ…

研究はひっそりと消えていく

どんな研究が中断されたのか? 後向きコホート研究(Kasenda, 2014年) *1 リクルート失敗が最大の原因 消えていった研究の数々 どんな研究が中断されたのか? 発表された2014年当時に読んで、おもしろそうなのでブログ記事にしようと思いながらも、そのまま…

薬の数が多いという問題ではない

ポリファーマシーの対処はうまくいかない 大量の残薬が! 板挟みのケアマネージャー ポリファーマシーの対処はうまくいかない 雑誌の紹介です。 南山堂|月刊誌「治療」の2016年12月号はポリファーマシー特集。【ポリファーマシー できること,難しいこと,…

難病の医療費はどこまで認められるのか?

難病法施行 拡大された経緯 指定難病とは 医療費の支給範囲は? 東京都福祉保健局が開催する、難病指定医の指定に係る研修を受講してきました。(写真は会場の明治大学です。) 難病法施行 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年5月30日法律第50号…

日頃からポリファーマシーに疑問をもつ薬剤師必読の虎の巻

ポリファーマシー本で迷ったらこれ 情報提供がキモなのです ポリファーマシー本で迷ったらこれ 本の紹介です。 このブログに来られている方なら、すでに購入済みかもしれません。ポリファーマシー解決! 虎の巻 (薬局虎の巻シリーズ) についてです。 ポリファ…

睡眠薬を服用している人は喘息発作が3割多い

質問 喘息もちですが、睡眠薬って安全ですか? 英国のコホート研究データから 症例対象研究(Nakafero, 2015年) *1 喘息発作が3割多い ベンゾジアゼピンで喘息死亡が多い 英国のコホート研究データから ベンゾジアゼピン系の情報検索をしているときに、偶…

HPVワクチンの安全性について

国内の状況 海外の報告 システマティックレビュー(Gonçalves, 2014年) *1 レビュー(Nakalembe, 2015年) *3 レビュー(De Vincenzo, 2014年) *4 FIGO HPVワクチンは効果だけではなく、安全性も気になるところですね。ついでに少し触れておきましょう。 …

点鼻ステロイドで 身長が低くなりますか?

喘息に対する吸入ステロイド 小児のアレルギー性鼻炎では ランダム化比較試験(Skoner, 2015年)*1 1年で0.45cm 喘息に対する吸入ステロイド 吸入ステロイドで身長が低くなるか? については、過去に記事にしています。 こちらをご覧ください。 www.bycomet…

研究者も不正行為が多い

科学は黄信号? 研究不正の本 赤信号だった! 科学は黄信号? 科学者の研究不正が問題となっています。国民の科学に対する信頼性は黄信号(赤信号?)が灯っています。 ノバルティスファーマ社「ディオバン」の一件や「STAP細胞」が話題となり、記憶にまだ新…

安かろう、良かろうの医療へ

医療費の高騰をどうするのか 安かろう、悪かろうとは限らない 医療費の高騰をどうするのか 週刊誌や新聞やテレビもそうですが、いいかげんな情報を垂れ流していることが目につきます。 いちいち反論している余裕もありませんが、これは解釈がまちがっている…

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