地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

5. 外からの脅威に関すること

元論文をたどってみよう

出典を明示せよ 元論文をさがせ #元論文 コーヒーと寿命 幹線道路沿いに居住で認知症リスク 出典を明示せよ 医療情報の信頼性をはかるチェックリストについて、以前ご紹介したことがありますが、確認しておきましょう。 具体的な研究の結果であることが出典…

アルカリイオン水はがんに効きますか?

質問 アルカリイオン水でがんが治りますか? アルカリイオン水のサイトは全滅 たったひとつの論文 システマティックレビュー(2016年, Fenton) *1 該当論文なし アルカリイオン水のサイトは全滅 がんの代替療法、巷ではよく話題になっているテーマでしょう…

7年猶予で本当にいいですか?

無益性の拡大解釈のゆくえ - 地域医療日誌 につづきます。 ブラックな医療業界 過重労働を政府が追認 応召義務とは 医師は例外に 医療業界は努力が足りない 医療現場の過重労働と無益性の拡大解釈 ブラックな医療業界 すでに限界に達している医療現場。これ…

スマホは睡眠に影響しますか?

スマホ依存ポスターが議論に メタ分析(Carter, 2016年) *1 スマホで睡眠の量も質も低下 結果の解釈には注意が必要 研究が追いついてない スマホ依存ポスターが議論に 日本小児科医会と日本医師会が発表した「スマートフォンを使うと学力が低下する」という…

無益性の拡大解釈のゆくえ

地殻変動がはじまっている 終末期の蘇生中止 無益性の拡大解釈が拡がる懸念 すべり坂 無益性の定義 いろいろと取りかかっている他の仕事に気をとられ、久しぶりにブログに戻ってきました。(ストック記事の予約投稿でブログは定期配信されています。) 地殻…

どこからが広告で、どこからが誇大広告なのか?

医薬品等の広告規制に違反する? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 広告の3要件 誇大な表現? 広告の3要件 ところで、法的には「広告」とはどのようなものと定義されているのでしょうか? 「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」(平成10年…

医薬品等の広告規制に違反する?

NHK謝罪文からわかること - 地域医療日誌 睡眠薬で血糖値が下がる? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 医薬品医療機器等法 誇大広告等 解説PDFから 医薬品等適正広告基準 睡眠薬(またはオレキシン受容体拮抗薬)を服用すると血糖値が下がる、という科学的…

NHK謝罪文からわかること

厚労省は口頭注意 NHK謝罪文 謝罪文からわかる問題点の要約 厚労省は口頭注意 NHK総合で2017年2月22日(水)午後7時30分から放送された番組「ガッテン!」の「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎 」。放送後、専門家や学会から内容に問題があるとの抗…

研究費をもらうといい結果が出やすいというのは本当ですか?

理想と現実 横断研究(Ahn, 2017年) *1 経済的支援があると3.6倍いい結果が出やすい 読者としてどうするか? 理想と現実 臨床研究とは特定の企業の利益を目的としたものではなく、あくまでも公平に行われているものと信じたいです。しかし、現実はそうでは…

読者との距離感を意識する(アンダーライン)

WELQの一件から またも朝日に タダより安いものはない? タッチポイントをふやすなら距離感を考える WELQの一件から 医療情報に関するブログやウェブマガジンなどを運営しているぼくにとって、昨年のあの一件の報道はちょっとした事件でした。 そのことにつ…

仕事のストレスと自殺の関係

働く人全ての意識が変わってほしい - 地域医療日誌 につづきます。 労働時間の管理でいいのか メタ分析(Loerbroks, 2016年) *1 労働時間ではわからない自殺リスク 労働時間の管理でいいのか 過重労働が問題になっています。もちろん、前提として長過ぎる労…

あの事件からメディアの姿勢を考える

あの事件が大きくとりあげられた メディアの姿勢が問われている 情報は間違いも多く、古くなる 情報源がはっきりしているか 情報も量より質へ あの事件が大きくとりあげられた 今月、ちょっとした事件が巻き起こりました。ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュ…

働く人全ての意識が変わってほしい

母親の手記から 働く人々へのメッセージ 母親の手記から 大手広告会社電通の新入社員だった高橋まつりさんが自殺してから、今日で1年になるそうです。 高橋さんの母親が手記を寄せたことが、各社から報道されています。内容を個々に留めるため、そして社会…

研究はひっそりと消えていく

どんな研究が中断されたのか? 後向きコホート研究(Kasenda, 2014年) *1 リクルート失敗が最大の原因 消えていった研究の数々 どんな研究が中断されたのか? 発表された2014年当時に読んで、おもしろそうなのでブログ記事にしようと思いながらも、そのまま…

誰にとって無益なのか?

相模原障害者殺傷事件からみえてくる世界 コントロール幻想がついに「死ぬ、死なせる」まで 緩和ケアから積極的安楽死までがひとつづきに 誰にとっての無益か 負の拡大解釈の連鎖 相模原障害者殺傷事件からみえてくる世界 2016年7月26日未明、相模原市の障…

難病の医療費はどこまで認められるのか?

難病法施行 拡大された経緯 指定難病とは 医療費の支給範囲は? 東京都福祉保健局が開催する、難病指定医の指定に係る研修を受講してきました。(写真は会場の明治大学です。) 難病法施行 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年5月30日法律第50号…

さらにググられる医療

ググられる医者 まとめ 低い評価を気にして萎縮する医者 抗菌薬出してくれない?(Sabin, 2013年) *3 レーティング利用者は少数派だった レーティングは誰のためにもならない 5つ星ドクター?(Ma, 2015年) *4 言う通りにしてくれる医者がいい医者か? 5…

それでも日本人だけは大丈夫?

低炭水化物食で死亡が多くなる 日本人のデータから コホート研究(Nakamura, 2014年) *1 女性でやや総死亡が少ない傾向? これからどうするか 低炭水化物食で死亡が多くなる 以前取り上げたテーマの追跡記事です。少し前になりますので、まずはおさらいをし…

人工甘味料でがんになる?

質問 人工甘味料でがんになるというのは本当ですか? システマティックレビュー(2015年, Mishra) *1 がん発症が多くなるかもしれない 毎日飲むと発症多い これからどうするか サッカリンやアスパルテームなどの人工甘味料が、ショ糖の代わりに広く用いられ…

それでも体重はへらしたい?

体重はへりますよね? ランダム化比較試験(Stern, 2004年) *2 さらに1.9kgもへっていた この研究の着目点 かなりの肥満が対象 脱落が多い 摂取カロリーは削減できたか? つまりこういうこと そもそもダイエットが危険ということだった 前回記事 やはり低炭…

やはり糖質制限食で総死亡が多くなっていた!

4研究のメタ分析では メタ分析(Noto, 2013年) *1 総死亡が31%多い これからどうするか? 低炭水化物食、ギリシャでも総死亡8%多い につづきます。 4研究のメタ分析では 2013年に低炭水化物食に関するメタ分析が発表されていました。日本人のグループで…

糖質制限食、ギリシャでも総死亡8%多い

地中海でも コホート研究(Trichopoulou, 2007年) *2 低炭水化物食は体にいい? につづきます。 地中海でも 次はギリシャの研究をご紹介します。 この研究は地中海食に関するコホート研究、EPIC *1 の参加者を対象に調査されています。 ちなみにこのEPIC研…

糖質制限は体にいい?

質問 糖質は少なくしたほうが体にいいんでしょうか? ダイエットしたのに? コホート研究(Lagiou, 2007年) *1 総死亡が6%多くなる ダイエットや食事療法としての糖質制限(低炭水化物食)が流行しています。手軽に実践でき、すぐに減量効果が実感されや…

低線量では白血病は多くない―日本の疫学調査から

低線量でも白血病が多いという論文には異論も - 地域医療日誌 につづきます。 日本の疫学調査 コホート研究(放射線影響協会, 2015) *1 がんは10mSv当たり1.2倍 低線量では白血病は多くない―日本の疫学調査から 日本の疫学調査 放射線影響協会ウェブサイト…

低線量でも白血病が多いという論文には異論も

血液がん論文への異論 放射線影響協会の反論 15カ国のコホート研究(Cardis, 2005年) *1 血液がんのコホート研究(Leuraud, 2015年) *2 血液がん論文への異論 過去記事 放射線は低線量でも白血病になりやすいですか? - 地域医療日誌 で紹介した論文に、公…

放射線は低線量でもがんになりやすいですか?

放射線は低線量でも白血病になりやすいですか? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 原発作業員の大規模研究、続報 固形がんのコホート研究(Richardson, 2015年) *1 固形がん死亡も1Gyで約1.5倍 交絡が考慮されていない 放射線は低線量でもがんになりやす…

放射線は低線量でも白血病になりやすいですか?

質問 長年放射線を浴びると、がんになりやすくなりますか? 原発作業員の大規模研究 血液がんのコホート研究(Leuraud, 2015年) *2 1Gyで白血病過剰死亡が3倍 放射線は低線量でも白血病になりやすいですか? 原発作業員の大規模研究 電離放射線の低線量被…

かぜ薬、5年間で死者12人

2012年の情報ですが、季節がらかツイッターで反響が大きかったので記事にしておきます。 “総合感冒薬の12例、解熱鎮痛消炎薬の4例、漢方製剤の2例で死亡が報告。”これは問題に鳴らないのか? / “【健百】市販薬による副作用、5年で1,220件―風邪薬がトップ | …

適度な飲酒は体にいい?

アルコールと死亡の関係 「適量飲酒は体にいい」という話はよく耳にしますが、それは本当でしょうか? 適量とはどのくらいの量でしょうか? なお、このブログでは「体にいい=総死亡が少ない」という定義が前提 *1 となります。たとえば、肝機能やコレステロ…

過渡期を生きる医療者として、その後

ツイッターから 前回記事 過渡期を生きる医療者として - 地域医療日誌 を掲載した後で、関連したTwitterのつぶやきを拾ってみました。 “@bycomet: “過渡期を生きる医療者として - 地域医療日誌” http://t.co/z5QIfAsoL1” ほんとにそう思います! — ぱくぱく …

過渡期を生きる医療者として

本の紹介です。 注目の一冊、著者より献本御礼。8月7日発売の新刊です。 「健康第一」は間違っている (筑摩選書) 作者: 名郷直樹 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/08/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

知を共有することに意味はあるのか?

本の紹介です。 「ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す」というタイトルは、医学情報の収集にも共通するものがあるかもしれません。ジャーナリストの津田さんの本です。 ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す これからのソーシャルメディア航海術 (PHPビジネス新…

超高齢社会と総合診療

GはGeneral Practice 本の紹介です。出版社より献本御礼。 総合診療に特化した雑誌(隔月刊)が創刊となりました。 いま知りたい! 総合診療の視点で診る 高血圧診療〜二次性高血圧の精査から 家庭でのコントロールまで,根拠をもって患者をまるごと診る (Gノ…

休刊、残念。

本の紹介です。 2年ぶりに出版された「構造構成主義研究6」。編者らの鼎談、構造構成主義研究の原著論文、西條剛央さんの再録論文や「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の記録など、盛りだくさんの内容です。 思想がひらく未来へのロードマップ (構造構…

フクシマ以降

本の紹介です。 近くの大型書店に立ち寄ったところ、「人文・社会」フロアの一角に、見覚えのある本がセレクションされている推薦コーナーが。 偶然?このブログで紹介した本だけでも数冊・・・ちょっと驚きました。 例えば、(それぞれ当時のブログ記事へリ…

花粉症に効く食べ物はないですか?(3)

花粉症に効く食べ物はないですか?(2)つづき記事です。 トマトが花粉症に効く? さて、最後にトマトです。こちらはTwitterで教えていただきました。 おお~ありがとうございます!! RT @syuichiao: 通年性ARですが、トマト抽出物なるものの効果が小規模RCTで…

花粉症に効く食べ物はないですか?(2)

花粉症に効く食べ物はないですか?(1)つづき記事です。 乳酸菌は効く? 最近は乳酸菌がよく話題になっていますが、花粉症にはどうでしょうか。まずは日本の論文をひとつ見てみましょう。 ランダム化比較試験(Kawase M, 2009年)*1 P▶ スギ花粉症がある神奈…

花粉症に効く食べ物はないですか?(1)

花粉症シーズン真っ只中ですが、みなさん今年の症状はいかがでしょうか? 「花粉症に効く食べ物とか、ないですか?毎年大変で・・・。」 外来でいただいた質問について、少し調べてみました。食品でということでしたので(といっても臨床研究では抽出物や錠…

思索するブログへ

新年ということで 早いもので、あっという間に12月は過ぎていき、2014年になりました。 つつしんで新年のごあいさつを申し上げます。 お忙しい中、勝手気ままに記録しているこのブログにお越しいただき、ありがとうございます。 今年もなんとか続けていきた…

糖尿病治療のエビデンス

今回は雑誌の紹介です。 主に薬剤師向けの雑誌「薬局」が、最新のエビデンスを精力的に取り上げています。過去1年間のエビデンスを総括する特集も記憶に新しいところです。 Evidence Update 2012 | 地域医療日誌 by COMET エビデンスは鮮度が命 | 地域医療…

yPadも4冊目

近くの書店で今年も見かけました、yPad 4。

「困ってるひと」をわかってあげられますか?

本の紹介です。 闘病記に分類される本はたくさん出版されていますが、今回は著者の講演を拝聴する機会があり、手にとってみました。 困ってるひと (ポプラ文庫)作者: 大野更紗出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2012/06/21メディア: 文庫購入: 3人 クリック:…

日本のプライマリ・ケアは立ち遅れていますか?

本の紹介です。ちくま新書の新刊です。 医療大転換:日本のプライマリ・ケア革命 (ちくま新書)作者: 葛西龍樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/08/07メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る これまで日本のプライマリ・ケアや、家庭医療を取…

情報は1秒でも早いほうがよいか?

エゴスクープ的な日本 「米ハフィントン・ポストの衝撃」を読みました。 メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃 (アスキー新書)作者: 牧野洋出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブ…

ポケットエコーは導入すべきか?

アクセスが格段に改善 あのポケットエコーのデモ機をしばらくお借りしました。 ポケットエコー先行予約開始 - 地域医療日誌 by COMET ブログ記事があったとは・・・。2010年に発売されたのですね。 主に訪問診療で使うモバイル型のエコーは、すでに導入・活…

エビデンスを調べるにはどうしたらよいですか?

「治療の効果は本当にあるのでしょうか?」 「調べるにはどのようにしたらよいですか?」 このようなご質問には、最近出版された本が役立つかもしれません。いくつかご紹介したいと思います。 まずはこの本から まずはこちらをおすすめします。一般向けにか…

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