地域医療日誌

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高齢者の薬をどのように中止するか、ガイドラインに

 
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高齢者の高血圧ガイドライン 

 日本老年医学会から、高齢者の高血圧診療ガイドラインが公開されています。

 こちらからpdfを閲覧できます。

「高齢者高血圧診療ガイドライン2017」が早期公開になりました | お知らせ | 社団法人 日本老年医学会

 

 減薬をどのようにすればよいのか、多剤併用(ポリファーマシー)への対応など、注目すべき項目が記載されているようです。

 

 概要の一部を抜粋引用してご紹介しておきます。詳細は原文をどうぞ。

介護施設入所者や終末期

III-CQ2 介護施設入所者やエンドオブライフにある 高齢者への降圧治療はどうすべきか?

  • 介護施設入所者に対する降圧治療について,高度な身体機能低下を伴う場合は厳格な降圧療法が予後を悪化させる可能性がある.一方で,比較的壮健な場合は厳格な降圧療法が予後を改善させる可能性もあ るため,個別に判断する.(推奨グレード B)
  • エンドオブライフにある高齢者への降圧療法は,予後改善を目的とした適応はなく,降圧薬の中止も積極的に検討する.(推奨グレード B) 

減薬の基準

IV-CQ2 降圧薬の減量や中止をすべき基準はあるか?

  • 高齢者高血圧における降圧薬の減量や中止の基準となる一律の血圧値は設定できない.
  • 降圧による臓器虚血症状が出現した場合や副作用が出現した場合に降圧薬の減量や中止,変更を考慮す る.(推奨グレード A)

ポリファーマシー

IV-CQ3 ‌高齢者での多剤併用(ポリファーマシー)があるときの降圧薬治療について注意すべきことはあるか?

  • 降圧目標の達成が第一目標であり,降圧薬の併用療法において薬剤数の上限は無いが,一般に高齢者では降圧薬に限らず5~6 剤以上を多剤併用(ポリ ファーマシー)の目安として注意する.(推奨グレー ド B)
  • 服薬アドヒアランス,有害事象の発生および医療費負担を考慮して薬剤数はなるべく少なくすることが推奨される.(推奨グレード B)
  • ポリファーマシーが服薬アドヒアランス不良の要因のひとつと判断すれば,力価の強い1 剤か配合剤への変更,一包化,服用法の単純化などを工夫する. (推奨グレード B)

 

 減薬の科学的根拠も明確ではなく、一律の基準を定めることは難しいでしょう。しかし、有害事象のタイミングで減量中止を検討する、という保守的な表現になっている印象を受けます。

 

 とはいえ、減薬やポリファーマシーについてガイドラインで言及されるようになってきたことは、前進といえるでしょう。

 

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