地域医療日誌

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喘息の吸入はチャンバーでもいいですか?

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質問

 病院で子供がネブライザーを嫌がってうまくできないのですが・・・。

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(画像提供:写真AC

 

ネブライザー vs チャンバー

 急性喘息でERを受診した場合などでは、短時間作用型β刺激薬(SABA)をネブライザー(吸入器)で吸入してもらうことがほとんどでしょう。

 ところが、こうした場合にでも、加圧噴霧式定量吸入器(MDI)による吸入を行うための補助器具(チャンバーやスペーサー)を使ったら効果はあるのか、という研究があるようです。

 今回もコクランのメタ分析です。

メタ分析(Cates, 2013年) *1

研究の概要

 喘息の成人または小児(2歳以上)に対してSABAをチャンバーで吸入すると、ネブライザーで吸入するのに比べて入院は少なくなるか、入院患者については入院期間が短くなるか、を検討したランダム化比較試験のメタ分析。

 

主な結果

 39研究(1897人の小児、729人の成人)の結果を統合。

 小児の入院(9研究、757人)については、チャンバーでは78/1000人、ネブライザーでは110/1000人、相対危険 0.71(95%信頼区間 0.47, 1.08)とスペーサーで入院が少ない傾向がみられた。

 成人の入院(9研究、582人)については、チャンバーでは103/1000人、ネブライザーでは109/1000人、相対危険 0.94(95%信頼区間 0.61, 1.43)とほぼ同等であった。

 入院期間については両群でほぼ同等であった。

 

小児はチャンバーのほうがいい

 ネブライザーのほうが効果がありそうな印象ですが、入院で検討すると効果は同等、とくに小児についてはむしろチャンバーのほうがいいかもしれない、という結果です。

 1000人あたり100人の入院ですから、軽症の人を対象とした研究ではありません。

 もうネブライザーにこだわる必要はないですね。

 普段使っているチャンバーを持参してもらい、MDIで吸入するだけなので、簡単そうですね。これからやってみたいと思います。

 

*1:Cates CJ, Welsh EJ, Rowe BH. Holding chambers (spacers) versus nebulisers for beta-agonist treatment of acute asthma. Cochrane Database Syst Rev. 2013 Sep 13;(9):CD000052. doi: 10.1002/14651858.CD000052.pub3. Review. PubMed PMID: 24037768.

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