地域医療日誌

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もはやコレステロールを下げる意味がなかった

 

 健康な人のコレステロール下げると危険? - 地域医療日誌 に続きます。

 

 さらに新しい研究(メタ分析)も発表されています。こちらも同じような結果となっていますが。

最近の研究から

メタ分析 CTT(CTT Collaborators, 2012) *1

研究の概要

 該当するスタチンのランダム化比較試験の参加者にスタチンの投与または高用量投与を行うと、スタチン投与なしまたは低用量投与に比べて心血管イベント、冠動脈イベント、脳卒中、冠動脈血行再建術、癌、死亡が少なくなるかを検討した、治療に関するランダム化比較試験のメタ分析。

 

主な結果

 該当するのは27研究(174,149人)。追跡期間の中央値は5年。

 5年間の大イベント発症率で層別化し、 LDLコレステロール 1.0mmol/L(38.7mg/dL)低下あたりの相対危険を算出して結果を示した。

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 5年間の大血管イベント発症リスクが5%未満、5-10%未満の低リスク群では血管疾患死亡は少なくなっていなかった。

 

やはり死亡が増えてはいないが効果はなかった

 こちらのメタ分析も一次予防と二次予防が混在しています。分けて解析もしてありましたが、同じような傾向がみられました。原著論文をご参照ください。

 やはり、そもそも心臓病のリスクが小さい健康な集団では、脂質低下療法を行っても予防効果がみられない、ということが改めて明らかになった2012年の研究です。

 懸念されたがん死亡については同等となっています。

 

 5年間の心血管発症が10%未満の集団では、もはやコレステロールを下げる意味がない、といえるでしょう。

 

*1:Cholesterol Treatment Trialists' (CTT) Collaborators, Mihaylova B, Emberson J, Blackwell L, et al. The effects of lowering LDL cholesterol with statin therapy in people at low risk of vascular disease: meta-analysis of individual data from 27 randomised trials. Lancet. 2012 Aug 11;380(9841):581-90. doi: 10.1016/S0140-6736(12)60367-5. Epub 2012 May 17. PubMed PMID: 22607822; PubMed Central PMCID: PMC3437972.

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