地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

せん妄予防についての最近の研究まとめ

 
スポンサーリンク

f:id:cometlog:20170623020516j:plain
 

 せん妄予防については、以前記事にしたことがあります。

www.bycomet.tokyo

 抗精神病薬の治療が微妙な結果で、それなら予防できたらいいのでは、ということでこの論文を読んでみました。

 入院中のせん妄予防にラメルテオン(ロゼレム)がきわめて有効(91%少ない)という結果でした。今回はこのつづきです。

 

結果にばらつき

 2016年にせん妄予防のシステマティックレビューがありました。電子図書館から原著が入手できなかったのですが、著者から直接いただきました!

 ReseachGateってすごいですね。いい時代になりました。ありがとうございます。

システマティックレビュー(Walker, 2016年) *1

研究の概要

 術後や入院患者にメラトニン受容体作動薬を投与すると、プラセボに比べてせん妄の予防ができるか、を検討した前向き研究のシステマティックレビュー。

 

主な結果

 6研究(うち5研究がランダム化比較試験、1研究が観察研究)がレビューの採用基準に該当。

 メラトニンを検討した4研究については、せん妄の発症は以下のとおり。(介入群 vs 対照群)

  • Al-Aama, 2011 12% vs 31% オッズ比 0.29(95%CI 0.11, 0.74)
  • Sultan, 2010 9.43% vs 32.65% 有意差あり
  • de Jonghe, 2014 29.6% vs 25.5% 同等
  • Artemiou, 2015(観察研究) 8.4% vs 20.8% 有意差あり

 L-トリプトファンを検討した1研究については以下のとおり。

  • Robinson, 2014 17% vs 9% 有意差なし
 ラメルテオンを検討した1研究(前出の記事*2参照)については以下のとおり。
  •  Hatta, 2014 3% vs 32% 相対危険 0.09(95%CI 0.01, 0.69)

 

 研究によってばらつきのある結果となっています。

 全般的に効果がある結果が優勢ですが、メラトニンでも有意差が出ていないランダム化比較試験もあります。

 ラメルテオンについては、まだ前出の1研究しかない、という現状です。

 ひきつづき、新たな報告を注視していきたいと思います。

 

*1:Walker CK, Gales MA. Melatonin Receptor Agonists for Delirium Prevention. Ann Pharmacother. 2016 Aug 18. pii: 1060028016665863. [Epub ahead of print] Review. PubMed PMID: 27539735.

*2:薬でせん妄を予防できますか? - 地域医療日誌

 Copyright © 2003, 2007-2017 地域医療ジャーナル