地域医療日誌

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フッ素入り歯磨き粉で虫歯は予防できますか?

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 小児の虫歯予防には、フッ素化合物の塗布が有効であることが、メタ分析 *1ですでに示されています。

 

 それでは、フッ素入り歯磨き粉(フッ化物配合歯磨剤)では効果があるのでしょうか?コクランのメタ分析では、意外な結果となっています。

メタ分析(Walsh, 2010年) *2

  • P▶ 16歳未満の小児に
  • E▶ フッ化物配合歯磨剤を使用すると
  • C▶ プラセボまたは低濃度のフッ化物配合歯磨剤の使用に比べて
  • O▶ 永久歯および乳歯のう蝕、抜歯、処置歯の歯面数は少ないか
  • T▶ 治療、メタ分析(ネットワークメタ分析)

《結果》※※※

75のランダム化比較試験を統合。

プラセボに比べて、

  • フッ化物 440/500/550 ppmの歯磨剤:統計学的有意差なし 
  • フッ化物 1000/1055/1100/1250 ppmの歯磨剤:効果量 23%(95%信頼区間19% to 27%)
  • フッ化物 2400/2500/2800 ppmの歯磨剤:効果量 36%(95%信頼区間 27% to 44%)

となり、フッ化物配合濃度が高いほど、う蝕予防効果が高い。

 

1000ppm未満では効果なし

 1000ppm以上のフッ化物配合歯磨剤の使用では、虫歯予防効果が認められます。しかし、1000ppm未満の低濃度のものでは、プラセボと同等の効果しか認められていません。

 

 フッ化物1000ppmというと、市販されている歯磨剤ではどのようなものがあるでしょうか。こちらのページにまとめられています。

虫歯予防にはフッ素配合歯磨き粉!歯磨き粉の選び方 - NAVER まとめ *3

 

 ここには「400ppm以下は効果がない」と書かれていますが、さきほど紹介した論文の見解とは異なります。1000ppm近く配合されている歯磨剤はあるようです。

 

6歳未満ではフッ素沈着症に注意

 さきほどの論文には、6歳未満の小児も含まれていますが、以下のように注意喚起されています。

The decision of what fluoride levels to use for children under 6 years should be balanced with the risk of fluorosis

 

 6歳未満の小児では、fluorosis(フッ素沈着症、フッ素症)のリスクに配慮し、使用するフッ素濃度を決めること、とあります。

 

フッ素入り歯磨き粉で虫歯は予防できますか?

  • 1000ppm以上のフッ化物配合歯磨剤を使用すると、小児のう蝕が少ない。
  • フッ化物配合濃度が高いほうが、う蝕予防効果は高い。
  • 6歳未満ではフッ素沈着症のリスクがあり、注意が必要。

 

*1:Marinho VC, Higgins JP, Logan S, Sheiham A. Topical fluoride (toothpastes, mouthrinses, gels or varnishes) for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2003;(4):CD002782. Review. PubMed PMID: 14583954.

*2:Walsh T, Worthington HV, Glenny AM, Appelbe P, Marinho VC, Shi X. Fluoride toothpastes of different concentrations for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2010 Jan 20;(1):CD007868. doi: 10.1002/14651858.CD007868.pub2. Review. PubMed PMID: 20091655.

*3:http://matome.naver.jp/odai/2136245292231995301

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