地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

薬剤師の役割が大きく変わりつつある?

 

恒例の企画、第4弾

 雑誌の紹介です。

 毎年恒例となりました年初の企画、南山堂の月刊誌「薬局」2017年1月号の特集「Evidence Update 2017」です。

薬局 2017年 01 月号 [雑誌]

薬局 2017年 01 月号 [雑誌]

 

 

 過去1年間に発表された主要な医学論文を、日頃からEBMを実践する医師・薬剤師が解説するという、豪華な企画となっております。

 ぜひご一読を。

 

薬剤師たちがアツい

 さて、編集責任者の名郷直樹さんが、冒頭で興味深い序文をよせています。一部引用しながらご紹介します。(太字はぼく)

 1991年にEBMが登場し、25年以上が経過した現在、パラダイムが変わったというほど、現実の臨床現場に画期的な変化はないというのが実情でしょう。しかし、ここ数年の薬剤師周辺でのEBMの動きをみると、今再び医療界が大きく変わるチャンスを迎えているような気がします。

 

 残念ながら、医者の間ではEBMの実践は浸透していません。実践できるのはごく一部の少数派でしょう。

 

 ところが、ここに来て薬剤師が盛り上がりを見せています。

 治療に関するエビデンスは、薬の知識だけでなく実際の業務にも直結するものでしょうから、当然といえば当然。これまで関心が少なかったことが不思議なくらい、EBMは薬剤師の専門性どまんなかのスキルといえるでしょう。

 

 薬剤師がEBMを実践するための入門書も出版されています。

www.bycomet.tokyo

 

 この際、薬剤師にはEBM実践のスキルを身につけていただき、「真の」薬の専門家として、医者の治療方針に助言できるような知識と地位を築き上げてもらいたいものです。

 それは、そんなに遠くの話ではないでしょう。

 医者もエビデンスに基づく助言が薬剤師から直接得られるようになれば、助かるはずです。

 

 このような道が開かれると、閉鎖的な医療界が大きく変わる可能性があるでしょう。とにかく、これからの薬剤師の活動に期待したいところです。

 

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