地域医療日誌

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副甲状腺ホルモンは半分でもいいですか?

 
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 副甲状腺ホルモンは週1でもいいですか? - 地域医療日誌 のつづきです。

 

週1半分でも効果がありそう?

 副甲状腺ホルモン製剤について、もうひとつ。こちらも日本人の研究から。

ランダム化比較試験(Fujita, 2014年)*1

研究の概要

 椎骨骨折の既往がある骨粗鬆症の日本人329人が、テリパラチド28.2μg週1回注射を受けると、プラセボ(テリパラチド1.4μg)週1回注射に比べて、78週間の観察期間内での新規の椎骨骨折は少ないか、について検討したランダム化比較試験。

 

主な結果

 新規の椎骨骨折はテリパラチド群で3.3%、プラセボ群では12.6%に発症。カプランマイヤー法による78週間後の骨折リスクは、テリパラチド群では7.5%(95%信頼区間 0.3, 14.7)、プラセボ群では22.2%(95%信頼区間 12.4, 32.0)、相対危険減少は66.4%とテリパラチド群で椎骨骨折が少なかった。

 

 テリパラチドは週1回、さらに半量でも椎体骨折は少なくなっているようです。さらに有害事象もプラセボと大きは差はないようです。

 

骨肉腫の副作用は?

 副作用で気になるのが、骨肉腫です。ラットの研究で骨肉腫の発生がわかった際には、いったん研究が早期中断されたようです。

Prior to the TOWER trial, a once-weekly teriparatide (28.2 lg) trial for reducing fracture risk was stopped early due to the occurrence of osteosarcoma in rats in a concurrent preclinical trial.

 

 テリボンの添付文書には、このような記載となっています。

 雌雄ラットに本薬を皮下投与したがん原性試験において、投与量及び投与期間に依存して骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度が増加した。

 なお、ラットに無発がん量(4.5μg/kg/日)を投与した際の1週間当たりの曝露量(AUC)は、ヒトに臨床推奨用量(56.5μg/週)を投与した際の曝露量(AUC)の3.9~11.6倍に相当する。

小児等への投与

 小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。[使用経験がない。これらの患者では、一般に骨肉腫発現のリスクが高いと考えられている。]

 

 ラットでは大量投与でみられた現象であること、投与期間の制約を設けること、高齢者に使用する薬剤であることなどから、許容されるという判断なのでしょう。

 次に問題となるのは、薬価でしょう。かなり高額な薬になります。

 

 たしかに効果はありそうですから、今後も安全性情報には十分注意しながら、使用する際には適用をよく吟味したいところです。

 

*1:Fujita T, Fukunaga M, Itabashi A, Tsutani K, Nakamura T. Once-Weekly Injection of Low-Dose Teriparatide (28.2 μg) Reduced the Risk of Vertebral Fracture in Patients with Primary Osteoporosis. Calcif Tissue Int. 2014 Feb;94(2):170-5. doi: 10.1007/s00223-013-9777-8. Epub 2013 Aug 21. PubMed PMID: 23963633; PubMed Central PMCID: PMC3899450.

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