地域医療日誌

地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

地域医療IT化の目的は何か?

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さらなる健康長寿へ向けて?

 

「世界最先端IT国家創造宣言の変更について」が2014年6月に閣議決定されています。詳細が公開されていますが、地域医療に関する部分について記載がありますので、抜粋しておきます。 

世界最先端IT 国家創造宣言の変更について

(平成26 年6月24 日 閣議決定) *1

 

 すでに具体的な動きについて報じられている部分もみられますが、今後の医療IT化の方針を示すものとして、重要な文書となるのではないかと思います。

 

 まず、「Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取組」の一項として、下記の記載があります。

2.健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会

(1)適切な地域医療・介護等の提供、健康増進等を通じた健康長寿社会の実現

 地域における医師の不足・偏在、医療従事者の負担増、超高齢化社会の到来によ る医療・介護需要の増大といった我が国が直面する課題を踏まえ、国民一人一人が 有効性を理解することにより自発的な利活用が促されるような、データを利活用した健康増進・管理や疾病予防の仕組みの構築を図るとともに、必要な時に効果的・ 効率的な医療・介護や生活支援サービス等を安心して受けられる持続的な体制を整 備する。これらの取組を含む各種施策を通じて、国民が長く健康で自立して暮らす ことができる社会(健康長寿社会)を実現するとともに、これに対応した新サービ ス・新産業の創出を図る。このため、以下の2点についての取組を推進する。

 

 データを利活用した健康増進・管理や疾病予防の仕組みの構築を図ることが明確にうたわれています。このような施策を通じて、国民が長く健康で自立して暮らす ことができる社会(健康長寿社会)を実現することが目標となっていることが伺えます。

 

 具体的な取り組みだけではなく、その評価指標ついても、書かれています。

取組の進捗状況や成果を評価できるよう、可能な限り、定量的な評価指標(KPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator))を示すこととした。(KPI については、本戦略を推進する過程において、より適切な評価指標となるよう、不断の見直しを行うこととする。)

 

 評価指標という割には、数値目標も具体的ではありません。どのように評価するのかは全くもって不明ですが、評価指標が示されたというだけでも前進でしょう。

① 効果的・効率的で高品質な医療・介護サービスの展開

 医療・介護・健康情報を、医療機関の他、遠隔医療、在宅医療・介護及び生活支 援サービスを担う主体を含む多様な主体が共有・連携する仕組みを構築し、効果的・効率的な医療・介護等を提供する体制を整備する。

 このため、地域を超えた国民への医療サービス提供等を可能とする医療情報利活用基盤の構築を目指し、医療情報連携ネットワークについて、データやシステム仕様の標準化、運用ルールの検討やシステム関連コストの大幅な低廉化等による費用対効果の向上を図りつつ、2018 年度までに全国への普及・展開を図る。

 また、利用者の実態に即した適切な医療・介護や生活支援サービスを提供するた め、地域包括ケアに関わる多様な主体が情報共有・連携を行うとともに、適切な介 護サービスの提供が利用者の要介護状態の改善につながることを考慮し、これらサービスの客観的な評価とサービス内容の向上に資する取組を推進し、効果の検証及び普及・発展させるための具体的な方策を検討し、確立する。

 さらに、高齢者の自立支援・社会参加を促進し、生活の質の向上に資する、医 療・介護や生活支援サービスに関するセンサー技術やロボット技術等の開発実証・ 実用化等を行う。

 あわせて、電子版お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人が自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し利活用する仕組みを推進する。

【KPI】

・導入システムの費用対効果・持続性を踏まえた医療情報連携ネットワークの全国への 普及・展開

・医療・介護等に関わる多様な主体が情報連携を行う仕組みの普及状況

 

 医療情報連携については、2018年度までには標準化や運用ルールが検討される、ということでしょう。

② 現役世代からの健康増進等、医療・健康情報等の各種データの活用推進

 国民一人一人に生活習慣病の発症予防、重症化予防の有効性の理解を促しつつ、 医療・健康情報等の各種データの活用による、個々のライフスタイルに合わせた適切かつ継続性のある健康増進や発症・重症化予防の取組を推進する。

 このため、保険者、地方自治体及び企業が健診データやレセプトデータ等から加入者や地域住民、社員の健康状況等を把握・分析し、データに基づく具体的な保健指導や本人の参加も含む健康づくり、医療情報データベースを活用した医薬品等の安全対策に関する取組を推進できるようにするなど、2016 年度までに、地域や企業 における国民の健康増進・健康管理に有効な方策を確立し、それを踏まえて、全国展開を図る。

 また、レセプト審査における更なるITの利活用により、レセプト審査の効率化や実効性の向上を図るとともに、レセプト情報等の保険者や地方自治体等での利活用拡大により、適切な医療の提供のための取組等を推進する。

 これらの取組に寄与する医療・健康情報等の各種データを収集、蓄積し、分析及 び活用する仕組みの構築を行う。

 あわせて、高齢者の就農による健康増進効果の実証や、食を通じた健康増進に関 する既存の取組などで、運動と食が健康増進に多大な影響を与えることが示されていることを踏まえ、地域における多様な働き方や日本独自の食生活と健康増進など の健康増進モデルの検討も併せて実施し、普及促進を積極的に検討する。

【KPI】 (前項の取組も含む全体の成果として)

健康寿命の延伸(または、平均寿命の増加を上回る健康寿命の延伸)

世界最高水準の健康寿命の維持

 

 健診データやレセプトデータを分析する、ということですが、KPIにも示されている通り、そもそもの目的が「世界最高水準の健康寿命」に置かれています。

 

 違和感があります。目指すものがこれでいいのか、再考が必要ではないでしょうか。

 

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