地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

医療の外側につながるコトバを

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専門用語がわからない

 大ヒットした「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」などの編集者で、ぼくらの仮説が世界をつくる の著書でも知られる、株式会社コルク代表取締役社長 佐渡島庸平さん(@sadycork)。

 宇野常寛さん、前田裕二さん、箕輪厚介さんとともに「次世代のコミュニティ」をテーマにしたトークセッション「Community Summit Tokyo 2018」に登壇されました。

 動画で視聴しましたが、コミュニティ論について収穫の大きいトークセッションでした。

 

 会場からの質問での一場面。質問者の説明に使っている専門用語がわからなかったところ、佐渡島さんは「外部と接続するコトバ」を使ったほうがよい、とアドバイスしています。

 この場面、ちょっとハッとしたので、書き留めておきます。

 

業界内のみで通じるコトバ

 閉じた業界内では共通の文脈がありますから、説明しなくても専門用語が通じてしまいます。専門用語は便利ですし、使う環境にも慣れ親しんでしまっています。

 業界からいったん外に出ると専門用語は通じないわけですが、無意識のうちに使ってしまうことがあります。

 これには心当たりがありますね。医療業界ではよく起こりうることです。

 

専門用語では伝わらない

 話し言葉だけではなく、ブログのような文章も同じことでしょう。読んでいる相手がわからなくなると、伝えたいことが伝わることはありません。

 だからこそ、誰に向けて書いたのかを意識する必要があるわけで。

 業界内の専門家に向けた文章と、業界外に向けた文章では、まったく違うものになるはずです。

 

 そして、これは単に用語の問題ではない、という指摘だったのでしょう。相手に対する配慮がなければ、コミュニティは成り立たないのです。

 

外部とつながるコトバで

 医療ブログはむずかしいと言われます。しかし、医療者ではない人へ向けた文章を書くのなら、外部とつながるコトバで伝えていく必要があります。

 これは単に医療の専門用語の問題ではありません。

 

 医療が冷たく感じられるのは、「冷酷なエビデンス」や科学的思考のせいではなく、外部とつながることのないコトバのせいかもしれません。

 開かれた医療を目指すのなら、情報発信から見直す必要があります。

 

つながると媚びないの間

楽しさや素晴らしさといった感情を伝えようとするなら、わかりやすさに媚びるな、ということでしょう。 わかりにくくてもいい、思いや感情が伝われば。

わかりやすさとわかりにくさの追求 - 地域医療日誌

 以前、こんなことも書いたことがありますが、相手への配慮と媚びない姿勢との間にちょうどいい落としどころがあるはずです。塩梅が大事ということかもしれません。

 これからも情報発信のあり方について、探求していきたいと思います。

 

 ということで、佐渡島さんの新刊が近日発売されるようです。

WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)
 

 

 こちらも注目です。

 

 

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