地域医療日誌

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やはり糖質制限食で総死亡が多くなっていた!

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 低炭水化物食、ギリシャでも総死亡8%多い につづきます。

 

4研究のメタ分析では 

 2013年に低炭水化物食に関するメタ分析が発表されていました。日本人のグループです。

メタ分析(Noto, 2013年) *1

研究の概要

 健康な成人が低炭水化物食にすると、そうではない食事に比べて総死亡や心血管死亡が多くなるのかを検討した、1年以上の長期の追跡期間がある研究のシステマティックレビュー+メタ分析。

 

主な結果

 メタ分析では9のコホート研究の結果を統合。平均追跡期間5〜26年と長期のもの。

 低炭水化物スコアで総死亡を検討した4研究(272,216人)では、15,981人(5.9%)が死亡。低炭水化物スコア *2 が最も高い人での統合したリスク比は 1.31(95%信頼区間 1.07, 1.59)と低炭水化物食で総死亡が多い。

 心血管死亡を検討した3研究(249,272人)では、3,214人(1.3%)に心血管死亡が発生。低炭水化物スコアが最も高い人での統合したリスク比は 1.10(95%信頼区間 0.98, 1.24)と心血管死亡が多い傾向がみられた。

 

総死亡が31%多い

 今のところ、低炭水化物食についての研究は観察研究のみのようです。

 総死亡についての4研究のうち、これまでの記事で紹介した2つのコホート研究も、このメタ分析に含まれていました。

 このメタ分析では、最も少ない炭水化物食の人を、最も多い炭水化物食の人に比べたリスクを比較しています。それにしても、総死亡が31%も多くなる、というのは気になる結果です。

 長期にわたる観察期間で、未知の交絡因子が影響している可能性もあります。しかし、今のところ4研究ともに一致して総死亡が多い、という結論ですから、無視するわけにはいかないでしょう。

 

 国立国際医療研究センター研究所のウェブサイトに、この研究の概要が掲載されています。こちらもご参照ください。

www.rincgm.jp

 

これからどうするか?

 これらの研究からは、低炭水化物食を安易に勧めるわけにはいかないでしょう。

 短期的には減量できる、などの代用のアウトカムで効果があるかもしれません。しかし、長期的には健康に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。このあたりをよく説明しておく必要があるかもしれません。

 

さらにもう少しつづきがあります。
それでも体重はへらしたい? - 地域医療日誌

*1:Noto H, Goto A, Tsujimoto T, Noda M. Low-carbohydrate diets and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of observational studies. PLoS One. 2013;8(1):e55030. doi: 10.1371/journal.pone.0055030. Epub 2013 Jan 25. Review. PubMed PMID: 23372809; PubMed Central PMCID: PMC3555979.

*2:In the computation of the low-carbohydrate diet score, percentages of energy from protein and carbohydrate were divided into deciles. For carbohydrate, the lowest decile received 10 points and the highest received 0 points, inversely. We pooled the relative risk in the highest score (lowest-carbohydrate intake) group with the lowest score (highest-carbohydrate intake) group as a referent.

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