地域医療日誌

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地域医療日誌

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多発性筋痛症はCRPで除外できる?

3. 診断や治療についての疑問
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質問

 CRPが正常値なら、多発性筋痛症は否定できますか?

 

CRPの診断意義

 体中の強い痛みがみられ、他院で処方された鎮痛剤の効果がみられない高齢女性。多発性筋痛症(PMR)が鑑別診断のひとつとして候補に挙げられました。

 最近行われた血液検査結果では、CRP値は基準範囲内となっていました。この時点で、PMRはどの程度否定できるのでしょうか?

 もちろん、赤血球沈降速度(ESR)を確認するのが基本ですが、ここは在宅。ESR検査用のスピッツを持ちあわせていないなど、検査ができないことがあります。

 

 PubMedで調べてみました。ぼくのツイッターから引用しておきます。(この方法は便利です。)

 

CRPの感度98%以上 

 いずれも100~200例程度を対象とした診断についての前向き研究 *1 *2 *3 でした。PMRの患者について、CRP陽性は99%、CRP陽性またはESR亢進の組み合わせでは98-99%といった報告となっています。つまり、感度は98%以上ということになります。

 思ったよりも感度が高そうです。これではCRP陰性ならほぼ否定的と言えそうです。

 

ゴールドスタンダートは?

 

 このPMR患者と診断した根拠は何だったのでしょうか? 論文を確認しておきましょう。さきほどの最初の前向き研究(Salvarani, 2005)を引用します。

The diagnosis of PMR was accepted if all the following were present:
1) persistent pain (for at least 1 month) involving 2 of the following areas: neck, shoulders, and pelvic girdle;
2) morning stiffness lasting 1 hour;
3) rapid response to prednisone (20 mg/day);
4) age 50 years; and
5) absence of other diseases capable of causing the musculoskeletal symptoms.
Patients with ESR 40 mm/hour who nevertheless satisfied the other criteria were included in the study.

 

 年齢・症状の他にプレドニゾロンへの反応(治療的診断)も含めています。PMRのプレドニゾロンに対する反応は、一般的に良好とされています。

 

 PMRの50-70%がプレドニゾロン開始3日以内に症状改善する、とのことです。

 しかし、診断基準については確固たるものがないようです。DynaMedから。

 

鑑別診断は? 

 忘れている鑑別診断はないでしょうか。

 

 関節リウマチのほかに、RS3PE症候群 *4、感染性心内膜炎、Crownd dens症候群、甲状腺機能低下症、線維筋痛症などが挙げられるでしょうか。

 いずれも主要症状や経過、過去の検査成績から否定的でした。さらなる精査に進むべきでしょうか。 

 

 PMRといえば、最近では超音波診断が話題です。いずれそのあたりをご紹介したいと思います。

 

 

 今回は過去のぼくのツイッターのつぶやきから再現してみました。このほうが書くのは楽ですが、ちょっと読みにくいでしょうか?

 せっかくあるサービスをいろいろ試してみたいと思います。

*1:Salvarani C, Cantini F, Niccoli L, Macchioni P, Consonni D, Bajocchi G, Vinceti M, Catanoso MG, Pulsatelli L, Meliconi R, Boiardi L. Acute-phase reactants and the risk of relapse/recurrence in polymyalgia rheumatica: a prospective followup study. Arthritis Rheum. 2005 Feb 15;53(1):33-8. PubMed PMID: 15696567.

*2:Cantini F, Salvarani C, Olivieri I, Macchioni L, Ranzi A, Niccoli L, Padula A, Boiardi L. Erythrocyte sedimentation rate and C-reactive protein in the evaluation of disease activity and severity in polymyalgia rheumatica: a prospective follow-up study. Semin Arthritis Rheum. 2000 Aug;30(1):17-24. PubMed PMID: 10966209.

*3:Myklebust G, Gran JT. A prospective study of 287 patients with polymyalgia rheumatica and temporal arteritis: clinical and laboratory manifestations at onset of disease and at the time of diagnosis. Br J Rheumatol. 1996 Nov;35(11):1161-8. PubMed PMID: 8948307.

*4:RS3PE症候群 - 地域医療日誌 by COMET

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