ポリファーマシーの対処はうまくいかない
雑誌の紹介です。
南山堂|月刊誌「治療」の2016年12月号はポリファーマシー特集。
【ポリファーマシー できること,難しいこと,多職種からの視点】
— 治療編集部@南山堂 (@chiryo1920) November 30, 2016
ポリファーマシーって言葉,だいぶ浸透してきましたね.
関連書籍もずいぶん出て,皆さまもバッチリ対処されてますでしょうか?... https://t.co/vHk34bU9I7
愛知医科大学医学部 地域医療教育学寄付講座の宮田靖志さんの編集。「実際のポリファーマシーの対処はうまくいかないことが多い」という導入からはじまります。
そして、医師の視点、薬剤師の視点、看護師の視点、介護関連職の視点に分けて、実際の対応や課題について紹介されています。
なかなか興味深い特集です。ぜひご一読を。
大量の残薬が!
中でも注目は、介護関連職の視点から上村久美子さんの「居宅介護事業者の立場より-服薬支援のバトンをつなげるために介護ができること-」。
介護支援専門員(ケアマネージャー)として関わった、10年間薬を飲まずに自宅にためこんでいた事例が紹介されています。衝撃的な大量残薬の写真とその薬価トータル32万円!というものです。
この残薬写真を見た担当医の反応も残念なものですが、問題の深刻さを物語っているかのようです。ぜひ本文をご覧ください。
板挟みのケアマネージャー
ケアマネージャーが薬剤に関する現状を医師に伝えて、一緒に考えてくださいとお願いすることは非常に恐怖感があり、できることなら避けてとおりたいというのが本音である。
どの利用者も「先生には絶対いわないでほしい!」というのだ。それを本人に内緒で医師に密告し、本人とわれわれ支援者の関係性が崩れてしまう経験を幾度もした。
ケアマネージャーの立場として、医者と患者の板挟みとなってしまう状況も然ることながら、何よりも最大の問題は医者の姿勢そのものにあることを指摘されています。
この特集からも、ポリファーマシー問題は単に薬の数が多いという問題ではなく、医療の構造上の問題である、ということが改めて浮き彫りになっています。
さて、ぼくはこれからどうしていくのか。この特集を読みながら、また少し考えてみたいと思います。
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