地域医療日誌

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

丸山ワクチン、参議院から

スポンサーリンク

 丸山ワクチンの怪 - 地域医療日誌 につづきます。

 

参議院の会議録から

 第095回国会 社会労働委員会 第3号、昭和五十六年十月二十七日(火曜日)の会議録から。前述した7月30日の衆議院から約3か月が経過した時点のものです。少し長いですが、該当部分を引用します。

○安恒良一君 次に、丸山ワクチン問題について考えを聞かしていただきたいと思います。  

 まず、丸山ワクチンの扱いがこれは非常に問題になりまして、衆議院の社労委員会でも集中審議をされました。その後、それらを受けて皆さん方がとられましたことは、丸山ワクチンを準医薬品、いわゆる治験薬として認める、そして一部有償にする。有償というのは、これを使用する人から対価を取る。それからいままでは東京まで参らなければとれなかったのを郵送方式で全国に供給する。こういう中身で厚生省と製造元のゼリア新薬工業との間で大筋合意が成立した。そして二十日厚生省みずからも異例の措置だということで発表されたのですが、私は私なりにそういうことをされたことは一応評価いたしてます。しかしいろいろまだ問題があると思いますからお聞きしたいんです。  

 まず、いまの現状は、大筋ゼリア新薬工業との間に合意をしたということですが、この大筋合意というのは、まだどことどこの間に合意しないのが残っているんでしょうか。問題点はどこにあるんでしょうか。それからいつごろ最終的なこの問題に対するゼリア新薬工業なりそれから丸山先生のところを含めて決着がつくんでしょうか。それをお聞かせください。

○政府委員(持永和見君) 丸山ワクチンの供給継続の問題につきましては、いま先生御指摘ございましたように、丸山ワクチンを治験薬として実施する。それから治験の実施医療機関を丸山先生の研究施設がございます日本医大とする。また丸山ワクチンの使用を希望する医療機関は、主治医でございますけれども、こういった方々は日本医大に共同治験の申し入れをする。その共同治験者に対しまして丸山ワクチンを日本医大から郵送方式によって郵送することによって患者さん方の入手がしやすいようにする。それから治験薬は有償とする。こういうような基本的な方針につきましてゼリア新薬工業側と基本的な合意に達しております。  

 で、いま申し上げましたように、丸山ワクチンの治験機関、これが日本医科大学ということになっておりますので、日本医科大学に現在ゼリア新薬側が、こういう方向で基本的な方針を了解いたしておりますので、その了解した線に沿って話し合いを進めるということでございますが、現在日本医大の直接の担当先生でございます丸山先生が入院中でございまして、そういう意味でこの話が現在まだ結論が出てないということでございます。私どもあるいはゼリア新薬工業側としては、できるだけ早くこれを進めたいということでそういう希望を強く持っておりますけれども、丸山先生側のそういった病気の回復待ちというのが現在の状況でございます。

○安恒良一君 有償ということですが、幾らお取りになるんですか。

○政府委員(持永和見君) 有償の問題につきまして、私どもといたしましては、ゼリア新薬側にできるだけ患者の負担を大幅にふやさないでほしいということで申し入れをしておるところでございます。具体的な金額につきましては、ゼリア新薬とそれから日本医大とが話し合い、それを私どもの方に治験計画届の中に有償の金額を入れてまいりますので、そのときに具体的に検討さしていただきたいと思っております。

○安恒良一君 現在、丸山先生のところに行ったときにお金を払っていますね。それと考えてどうなんですか、そこらは。それはあくまでもまだあなたは、丸山先生のところとゼリア新薬工業の話し合いの上で、それからだ、こう言われていますけれども、厚生省として丸山ワクチン、これだけの異例のことをおやりになった以上、少なくともゼリア新薬工業との間については、そういう点についても話し合いされているんじゃないですか。あなたの意見を聞いていると、何か全くゼリア新薬工業と丸山先生のところから出てきたとき初めて、値段はできるだけ患者負担を少なくと、こういう抽象的なことを言われていますが、そういう点はどうですか、中身は。

○政府委員(持永和見君) 薬事法上の治験薬と申しますのは、先生も御承知のとおり、無償と有償とございまして、有償の例は今日まできわめて少ないわけでございますが、丸山ワクチンの場合には、治験の対象としての症例数が非常に多い、あるいは製造、供給にはメーカー側のかなりの経済的負担を伴うというようなことで、有償にしてもやむを得ないということで私ども判断いたしまして、現在ゼリア新薬側で有償の問題について詰めておる、ところでございます。  

 先ほど申し上げましたように、現在日本医大で患者に直接手渡しをいたしておりますが、今度やります治験薬というのは、全国の共同治験者を募りまして郵送方式、こういうことにもなりますので、そういった点の経費も勘案しなければならないというふうに考えておりますが、私どもといたしましては、できるだけ患者の負担の軽減を図るという趣旨で話し合いを進めていきたいというふうに考えております。  

 一方、今回の治験のやり方というのは、現在日本医大に全国から、北海道、九州から全国の患者が時間と経済的負担をかけてとりにこられるというような形態が郵送方式によってなくなるというふうに考えておりますので、そういう点では患者さん方の経済的な時間的な負担の軽減は大いに図られるというふうに思っております。

○安恒良一君 遠隔の地から日本医大まで月に一回足を運んでいるということで、この点で物心両面から遠隔地の患者さんの負担が軽減になったということは私もわかった上で聞いているんです。私が聞いていることに端的に答えてくださり

 いま丸山先生のところでもらうときの薬の値段と、郵送料は別ですよ、郵送料は別ですが、今度有償治験薬になったわけですから、その有償についてはどのくらいのことで決まるんですかと、こう聞いているんで、それだけのことを聞かしてくれればいいんだ。いろんなことを言うことはないんだ。

○政府委員(持永和見君) 現在丸山先生のところで患者さんにお渡しされている薬の値段は、四十日分で五千円でございます。四十日分で五千円という値段でございますが、今度の治験薬がどの程度になるかということは、これは私どもとして現在の段階でまだ具体的に申し上げられる段階ではございません。

○安恒良一君 大臣、これは値段の決まり方いかんで大変な問題になる。というのは、国民皆保険なんですよね。皆保険でこういうものが有償であること自体が大体おかしい。それはなぜかというと、すでに丸山ワクチンというのはいわゆる治験薬の範囲を越えているんです。現在三万五千人の人がこれを使っておりますから、もう研究用の薬の範囲を越えておりまして、むしろもう治療薬なんですね。ただ、たまたま薬事審議会でああいうことになっただけの話ですから、その限りにおいて治療薬であるならば、皆保険下において――特にがんにかかった場合には本人は大変苦しいし、また負担も大変なんですよ。その場合にまた薬代も患者が持たなきゃならぬということになると、何のための国民皆保険かと実は言いたくなるところです。  

 そこで、その価格はまだいま言えないというんですから、公の席上では言えないということですから、後からお聞きをしますけれども、私はその点については、現在三万五千人の人が丸山先生のところで四十日分五千円ということでもらっているわけですから、そういうことを十分参考にして患者の負担にならないような方法を考えてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。  

 それからいま一つは、そうかといってゼリア新薬工業の方だけに負担をかけるのもまた間違いなんですね。それから治験に協力される丸山先生を初め多くの先生が、全国で今度はまたいわゆる臨床医としての治験設定者にかなりなられるだろうと思いますが、そういう方に御負担をかけても私はいけないと思うんです。

 そこで、政治として、これだけの特例中の特例をあなたも認められたんですから、認められた以上は、本当ならば一番いいのは、後から申し上げたいんですが、条件つき認可ということに論理を展開していきますが、その前に、財政負担論からだけ言うと、何か方法はないのか。たとえば一製薬メーカーの新薬開発に助成金を出すわけにはいかない、こういう理論もありますね。それから治療薬というふうに認めてない治験薬の段階で保険が持つわけにいかぬという論理もあるわけです。だから、そんな論理を言っておったのではこれは何にも片づかぬわけです。そこで、そういうときに政治、行政というのがあるわけですから、何らかの方法を大臣は検討されてしかるべきである。  

 たとえば私の一つの試案的なことを言いますと、丸山先生のところなり、それから治験者と設定された臨床医がこれを扱われるところに対する何らかの方法の援助とか、いろいろ知恵を働かしてみられた方が私はいいんじゃないかと思います。私もいますぐこれだという決め手を持っておりません。私は私の個人的な考え方から言うと、一番無難なことは、たとえば日医大なり、これを実際臨床で扱われる医療機関に対しての何か方法はないものか。そういうことになれば現行の健康保険法にも薬事法にも抵触しないだろう。だから健康保険法の逸脱にもならない、薬事法の逸脱にもならない方法で、これが患者だけで三万五千、家族を入れると百万という人の問題ですから、何か方法を考えていただきたいと思いますが、ここらは大臣どうなんでしょうか、何か御研究されていますか。

○国務大臣(村山達雄君) 丸山ワクチンというあの薬が非常に特殊の経過をたどってきたことは私も十分承知しておるわけでございます。したがいまして、今度の試験の成績では有効性が確認されなかったけれども、治験薬としていま話を進めているのもまたそこにあるわけでございます。  

 問題は、今度有償の治験のときにどうするか。いま安恒委員が、あるいは国が場合によっては財政負担をしたらどうかというような、そこまで気持ちがおありになるかどうかわかりませんが、もしそういうふうにとると、私は丸山ワクチンであろうと、ほかの薬であろうと、これは製薬会社がみずから責任を持ってやるべきであって、国が特定の薬に対して援助するということはいかがなものであろうかと、基本的にそう考えております。  

 それから問題は、まだ新薬として承認されていないところでございます。したがって、会社の方で非常に利益を上げるなんということは、これはとんでもない話だと思うのでございますが、さらばといって会社の方に余り負担をかけますと、会社側が供給をだんだん少なくするという問題も考えられるわけでございます。  

 したがいまして、一体こちらの方としては、患者にできるだけ手に入りやすいようにという注意をして、そしてどんな案を持ってまいりましょうか、恐らく妥当な結論を出してくるんじゃないだろうかと私は期待いたしているのでございます。したがいまして、患者の手に入りやすいように、そしてまたその範囲でできるだけ安くと、ここがねらいなわけでございます。

○安恒良一君 私が大臣に言っていることは、一つは、患者の手に入りやすくということは価格問題もあるわけですね。それから私も、治験薬というものをいまの健康保険法に基づいて持てと、こう言っているわけじゃない。それは法の問題があるでしょう。それから薬事法から考えてもいろいろ問題があるでしょう。しかしながら、あなたたちは現実に口では治験薬と言いながら治療用の方向で実際は認められているわけですから、それらの方法について何か方法がないのか。何も私は全額国が持てなどということを言っているわけじゃないですよ。こういうものの研究開発に大変苦労され、それの治験でこれからもまたいろんな実験データを集めて報告しなければならぬわけですから、そういうような問題についてもひとつ何か方法を考えてほしい、こういうことを言っているんです。  そこで、どうもなかなかいい知恵もあなたたち浮かばないようですから、そういうことになりますと、一遍これをもとに戻して議論をせざるを得ません。  

 まず、今回のとられた措置は、薬事法の拡大解釈ですね、これは。しかし、薬事法を厳密に読みますと、やっぱりこれは法違反をしている行為だというふうに私は思う。というのは、未承認の薬、それが治験薬という名前で全国に出回るわけですね。そういうことになりますと、今回の場合には、すでに丸山先生を初め多くの臨床医の方々がたくさんの実験をされて、治療にも効果ありということでありますからいいんですが、法というものは、一たんこういうふうに拡大解釈をしてまいりますと、さらに未承認の薬がやみルートで全国に出回りはしないか。こういうことでは薬事行政に大きな問題を起こすというふうにこの点が思えます。  

 それからこの有償ということも、局長も言ったように、治験薬で有償というのも、またこれも例外中の例外なんですよ。有償の制度が全くないとは言いません。しかし例外中の例外のことをあなたたちはされようとしているわけですね。でありますから、どう考えてみましても、少し無理をされているというふうに私は思います。  

 しかし、それは国民のためになる無理なら無理でいいじゃないかということに論議が発展しそうでありますが、私はそのことは否定しておりません。しかし私から言わせると、条件つきで認可するというやり方がありはしないか。そういう点について御検討くださったのかどうか。余り法の拡大解釈を無理をしてやるよりも、過去にも条件つきで認可をされている方法があるんですから、丸山ワクチンは、ここまでまいりますと、一番いい方法は、条件つきで認可をしておく、そしてその条件をできるだけ早く満たしてもらうように行政指導をやっていくということが一番いいことだと、私はずっと今回の措置をいまも申し上げたような点から見まして考えるんですが、こういう点について大臣のお考えを聞かしてもらいたいと思います。

○政府委員(持永和見君) 先生の御案内のとおり、現在の薬事法上では、厚生大臣は医薬品について有効性というものが確認されない場合には承認を与えてはならないというような規定があるわけでございます。現在その薬事法上で、先生御指摘のような条件つきの許可なり認可というような法律上の根拠もございます。根拠もございますが、これは医薬品の、そこをごらんいただければおわかりと思いますけれども、保健衛生上の危害発生防止の観点からこういった場合には条件をつけるということになっておりまして、主として副作用が発生する可能性のあるものについてそういった条件と申しますか、報告義務を条件として認可しているというようなことはあるかと思います。しかし一般的に医薬品につきましては、有効性というものが確認できない場合には承認ができないというようなたてまえになっておりまして、私どもといたしましては、先生も御案内のとおり、八月十四日の薬事審議会の答申で、現在の段階においては有効性は確認することはできないというような答申が出ましたために、ちょっとそういった道はとり得ないというふうに考えざるを得ないわけでございます。

○安恒良一君 同じ免疫療法剤のクレスチンですね、これは呉羽化学工業が出していますが、初めに薬効成分の解明、副作用のチェック、臨床効果の報告など条件つきであなたたちはクレスチンを認可をしているじゃないですか。そして、ここに私は新聞の切り抜きを持ってきていますが、がんの免疫療法剤のピシバニール、クレスチンについて効能をこれから二年がかりで追試する。いわゆる「ガンの免疫療法剤として広く使われている」これについて、「財団法人・がん実学的治療研究財団はこのほど、患者の延命効果を調べる二年がかりの比較臨床試験を開始した。制がん剤の組み合わせによる最も効果的なガンの治療法をさぐる研究の一環」であるということで、すでに試販売をし、許可されているものについても、ただ単に副作用だけではなくして、いま私が申し上げましたような問題、いわゆる効能の再評価についてまでこれから二年間の追跡調査をやられようとしているということが新聞でも報道されていますし、対象は全国二百五十カ所の大学、国立病院などで、調査方法なんかは除いて書いてありますが、一方においてはそういうことをおやりになっているんじゃないでしょうか。ですから、あなたが言われたように副作用だけではないんじゃないでしょうか。  

 私は率直に言って、この制がん剤というのは一つで決定的なオールマイティーはないんです。あれば早いところノーベル賞をもらっていますよ。ですから、いろいろなものを複合して治療するところに制がん剤というものがあるわけですから、そうしますと、このクレスチンのときにとられたようなことが丸山ワクチンの場合においてもとられてしかるべきではないだろうか。というのは、かなりの臨床実験、人体実験、動物実験等はたくさんされた中で、丸山ワクチンが副作用がない、そして免疫療法剤としても有効だというデータもたくさんあるわけなんですよね。ですから、そういう限りにおいては、余り法を拡大解釈して、後からまたしまったと思うような、いま申し上げたようなやみルートができるような道を開くことは、私はやっぱり余りよくないと思う。そういう意味から言って、私はぜひ治験薬ではなくて、条件つきで認可するという方向に踏み切られてしかるべきだと思います。  

 そこで、それの前提としてちょっとお聞きしておきたいんですが、薬事審議会から附帯意見が出ていますね。私ここにいただいていますから、読み上げていただくことは結構ですが、三つのことが書いてありますね。この三つのことは、「この物質の医薬品としての有効性を確認するためには、順次」(1)(2)(3)を「整備すること等について、引き続き試験研究を行う必要がある。」と、こういうふうに書いてありますが、これはどういうふうにやっていけばいいんでしょうか。たとえば(1)(2)(3)を順番でやるんでしょうか、それとも並行的に(1)(2)(3)をやるんでしょうか。それからこれからのこの見通しはどうなんでしょうか。たとえばすでに従来のデータがたくさんあります。このデータは全部不採用にして新しくデータをとり直されるつもりですか。それとも従来のデータはデータとして採用しながら、さらに新しいデータをこれに基づいて追加要求されるんでしょうか。そういうところについての考え方を聞かしてください。

○政府委員(持永和見君) いま御指摘の審議会の附帯意見の問題でございますが、三つの附帯意見がついております。それで、私どもといたしましては、今回承認申請のありましたSSM注射液というものにつきましては、すでに先生御指摘のように臨床試験もかなりの数行われておりますし、安全性については特に問題がないというようなことがございます。それから基礎研究、こういったものについて資料が不十分な点はございますけれども、研究実績としてはございます。  

 こういうようなことから、(1)(2)(3)というふうに順を追っていきますと臨床試験――臨床試験は一番最後になるわけでございますけれども、私どもといたしましては、いま申し上げました理由で(1)(2)と同時並行的に臨床試験も継続することにも意義があるというふうに考えておるわけでございます。  

 それからいま先生御指摘の、従来すでにあるデータはどうするか、こういうようなお話でございますが、従来あるデータは、現在承認自体が不承認の決定もしてない段階でございますので、預かりのような形になっております。そういう意味合いからしましても、従来出されておりますデータの中で有効なものは、これから出されるデータに当然包括されまして新しい審議の対象になるというふうに理解をいたしております。

○安恒良一君 そうすると、(1)(2)(3)は並行的にやると、こういうふうにお聞きをいたしました。それから従来のデータも、これは不採用にしなくて採用し、さらに追加データに基づいてやる。  

 そういうことになりますと、それでどのくらいこれはかかるんでしょうか。普通のように長々とこれを五年も六年もやられたんじゃたまったものじゃない。いままでも相当かかってきているわけですから、できるだけ早くこういう点について、いまあなたがおっしゃったように、安全性の確認もされているし、副作用のないということも確認されているし、多くの臨床実験もあるわけですし、それから有効性があったというのもあるわけですから、そうしますと、そういつまでも何年も何年もまた(1)(2)(3)をやるのだからということになると、いろんなまたきな臭い話が出てくるといけませんので、ですから、そういう点については、いまあなたも言われたように、これらの問題をできるだけ早くデータを集めて、そして再度薬事審議会で議論をするということが私はきわめて必要だと思いますが、その点はどうですか。

○政府委員(持永和見君) 私どもの気持ちとしては、先生のおっしゃったような気持ちは持っております。ただ問題は、ゼリア新薬工業側が試験研究を継続する、それから治験もゼリア新薬工業側の責任で行う、こういうことでございまして、こういった試験研究なり、治験の届け出あるいは試験研究の実施方法、そういった中身については、私どももきめ細かく相談をし、指導するとともに、これが推進が図られるよう積極的な指導をしてまいりたいと思っております。

○安恒良一君 私は、ゼリア工業側がと言われますけれども、あなたたちができるだけ早くこれの結論を持ちたいということの行政指導をする場合と、そうでない場合では、全然違ってくるんですよ。普通、新薬の承認を得るのにはかなりの年数がかかっていますね。その場合でも、局長以下担当課長が、これは国民のためになるから早く世に出したいというふうに思っていろいろアドバイスをする場合と、単に事務的に扱う場合では、全然違ってきます。ですから、その限りにおいて、今回は異例の措置をしたんですから、法解釈から言うとかなり無理があることもやっているわけ。ですから、そういう点についてはもちろんゼリア工業がやったり、臨床は臨床のお医者さんがやられることですが、いま私が言った気持ちを踏まえてやっていただけますね。

○政府委員(持永和見君) 先生のお気持ちを踏まえましてできるだけのアドバイスはいたしてまいりたいと考えております。

○安恒良一君 大臣、以上のようなことでございます。本当にこれが治験薬じゃなくして治療薬として認められることを渇望している人が百万もおる。しかも不思議なことには、薬事審議会でこれが待ったがかかった以降も、逆に使いたいという人がどんどんふえているんですよ。本当なら待ったがかかりますと、使いたいという人が減るはずなんです。ところが、逆に使いたいという人がどんどんふえているわけですから、このことをきちっと踏まえて、あなたたちは行政としてできるだけ親切な指導をされて、一日も早くこれが治療薬としてがんの治療に当たるように――これだけがオールマイティーじゃありませんけど、私はがんの治療薬というのはいろいろなのがあっていいと思うんです。ただし副作用があっては困る。副作用さえなければ――また場合によると、薬によると、いままでは副作用がある程度あっても、薬効が著しい場合には許可している薬もあるんです、率直なことを言ってですね、薬というのは、若干副作用は、残念ながら、特に化学薬品はつきがちなんですね、これはいいことじゃありませんが。しかしそれでも薬効の方が高い場合には、いままでは許可していることがあるわけですから、そんなことも考えてぜひこれを一日も早く認可していただく。それから完全認可ができない場合でも、ある段階までくれば条件つき認可というやり方もあるわけですから、それらを含めてひとつ前向きにこの問題について検討していただきたいということで、ちょっと大臣の所見を承ります。

○国務大臣(村山達雄君) まさに安垣委員御指摘のように、この丸山ワクチンというのは本当に前例のないように非常に普及してしまった。そういう事実の上に今度の薬事審議会が持たれたわけでございます。で、附帯意見もございますし、われわれといたしましても、患者のことを考えますと、できるだけ親切に相談に乗っていきたいという気持ちでございます。そしてその成功を本当に心から祈っているものでございます。

○安恒良一君 成功を心から祈られるのも結構ですけど、祈るだけじゃだめなんですからね。何回も私が言っているように、早くこれが治験薬から治療薬になるような、いい意味の行政的な指導ですね、そういうことをやっぱり積極的にやってほしいと、こういうことであります。  

 それからこれにかかわる問題として一つだけちょっとお聞きをしておきたいのですが、いわゆる二重盲検というのがございますね。丸山ワクチンはこの二重盲検をされたのですが、私はこれを読んでみますと、東北大学病院で百五名、A群には丸山ワクチン、百七名、B群には生理食塩水、塩水のことですが、それを打たれて、もちろん制がん剤を併用されていることは事実でありますが、臨床実験をやられたようであります。その結果はどういうふうになりましたでしょうか。それから臨床実験の対象者になった患者はどういう患者なんでしょうか、それを聞かしてください。

○政府委員(持永和見君) 先生御指摘の臨床試験は東北大学の第三内科が行った臨床試験だと思いますが、この臨床試験は二重盲検試験という形で行いまして、対象症例数は化学療法剤と丸山ワクチンを打ちましたのが百八十四例、それから化学療法剤と生理食塩液を打ちましたのが百七十九例で、解析対象例といたしましては、先ほど申し上げました丸山ワクチンと化学療法剤、これを打ちましたのが百五例、それから化学療法剤と生理食塩液を打ちました症例数が百七例でございます。これにつきましては、対象疾患といたしましては、各種消化器がん、胃がん、肝がん、胆嚢がん、あるいは肺がんの切除不能、あるいは術後再発患者、そういった人たちでございます。  

 で、結果でございますが、この結果につきまして申し上げますと、これは提出された資料から申し上げますが、提出された資料から申しますと、S群、いわゆる丸山ワクチンを打ちましたものと、それからP群、生理食塩液を打ちましたものとの間でがんに対する腫瘍縮小効果、あるいは自覚症状、そういったものについては両群における開差はございませんでしたが、生存率、延命効果、そういったものにおきまして、丸山ワクチンの投与群は非投与群に比較しまして累積の生存率で五〇%の時点、五〇%の人たちが生き残っているという時点で二十日間程度の延長がございました。それから治療開始後二百二十九日あるいは四百四十九日、こういった時点で丸山ワクチンを打ちました人たちの生存率は、統計的には有意であるというような報告がされております。

○安恒良一君 私は結果を聞いているのですがね。  

 結局、丸山ワクチンを打たれた方、私はこれをA群と呼んでいるんですが、結果として、A群の方は三名を残して全部死亡した。それからB群は百七名全部が死亡したと聞いておりますが、それは間違いありませんか。そして三%という数字が出てきているんですが、それも間違いありませんか。

○説明員(新田進治君) お答えいたします。  

 ただいま御案内の三%につきましては、私ども有効率について三%という数字を出したものではございません。ただいま局長からも御説明いたしましたように、百五例の試験対象者の中で生存者が三名あったということでございます。

○安恒良一君 村山大臣、ちょっとお聞きしたいんですが、あなたは山崎局長から東北大学の結果はこれこれだということをお聞きになりましたか。

○国務大臣(村山達雄君) 聞いております。

○安恒良一君 そのときに生き残った人は三名だと、こういう報告だったんですか、それともいま言われているような詳しい中身をあなたはお聞きになったんでしょうか。それを聞かせてください。

○国務大臣(村山達雄君) いまの話、それから三名、いろいろなことを聞きましたが、余り専門的なものだから忘れましたが、その三名についていま私が覚えておりますのは、申請ではそうであったけれども、結論において二人の方は末期がんでなかったといったしか判断だと思います。それからもう一人の方が膵臓がんということで、そうじゃないんじゃないかという話がありましたが、それは、東北大学の臨床に当たった先生から、いやまさしく膵臓がんであったということで、調査会の方で後で改めてあれは膵臓がんであったということになったと思います。

○安恒良一君 二重盲検というのは、私は読んで字のごとく、患者とその家族は何をどうされているか全くわからない、主治医も看護婦も抗がん剤以外何を打っているのか全くわからない、こういう検査方法を二重盲検と言うんでしょうか。私はそういうふうに聞いていますが、それは間違いありませんか。

○説明員(新田進治君) お答えいたします。  

 二重盲検試験法と申しますものは、現在臨床試験におきまして薬効を検定いたしますときに用いられる方法の一つでございまして、現在先進諸国では非常に権威のある試験方法の一つということで広く利用されておる方法でございます。  

 これは真の薬効以外の作用が薬には非常に多くつきまとうわけでございます。たとえばプラセボ効果と申しまして、お医者さんから、この薬は非常によく効くよ、そういう一言で患者に対して心理的な影響が非常に大きいわけでございます。そういうふうな心理的影響をできるだけ排除いたしまして、適正な薬の薬効を評価しよう、こういうことで客観的な評価方法ということでとられた新しい――新しいと申しますか、もう過去二十年ぐらい前からこの方法がとられております。  

 そういうことで、いま御案内の、たとえばどういう実験方法でやられたかということについての患者に対する説明はどの程度やられたかということについては、私も十分理解しておりませんが、そういうふうなことで、患者にできるだけそういう不安な条件を課さないということがあって患者に対して言われなかったこともあるのではないかと思います。

○安恒良一君 ぼくが聞いたことに的確に答えてください。  

 二重盲検方法なんか私は勉強した上で聞いている。私が聞いていることは、これを東北大で現実に行う場合に――これは患者はもちろんのことですよ。患者にがんですから何だかんだというばかはいないんですよ。患者とか家族に中身が知らされてなかったんじゃないだろうか。また実際に治療に当たる主治医も看護婦も抗がん剤を使っていることはわかる、以外のものについては何を使っているか知らさないでやっている方法が二重盲検というのではないでしょうかと聞いている。あなたは専門でなければ、医務局長が来ているから答えなさい。そういう方法ですか。あなた専門でなかったら専門家が答えなさい。

○説明員(新田進治君) 患者に対する同意でございますが、治験の依頼をしようとする者が患者に対しましてどういう実験をやるかということは、原則的にこれは医師の倫理に基づいてやっておられるわけでございます。御案内の治験に当たってどういう薬を使っているかということは、この二重盲検試験法によっては担当医師もそれから患者ももちろんそれは知らされておりません。それは片方にコントローラーという実験全体をコントロールする医師がおりまして、そこで薬の割りつけをするわけでございます。

○安恒良一君 患者はもちろんです。私が言っているのは家族のことも聞いているんですよ。家族にはどうされていますかと聞いている。いたずらに時間を取らさないでください何回も同じことを言わせないで。患者、家族、主治医も看護婦も知らなかったんじゃないですか。知っているなら知っているとか、それでいいんですよ。どうですか。

○説明員(新田進治君) 薬事法によりまして、いま御案内の治験の依頼をしようとする場合には、治験の依頼先に対しまして治験の内容等を証明することが、たとえば患者さんに対して医療上好ましくないというような場合には、当然患者の家族、同意を得られる家族の方たちに同意を得るわけでございますが、そういう場合を除きましては、原則的に患者の同意を得るのを原則としております。

○安恒良一君 全くわからぬ、あなたの言っていることは。わかりやすく言ってください、日本語でああでもない、こうでもないじゃ……。  大臣、ここはちょっと重要なところですからお聞きしたいんです。まず、抗がん剤と食塩水を打っているんですよ。だから私は、患者の同意というよりも最低限家族の同意は必要だと思いますね。一方は抗がん剤と丸山ワクチンを打つ。一方の患者群にはいわゆる食塩水と抗がん剤を打っているわけですね。それで有効性を試している。しかし患者はもちろんのこと家族も、がんで入院しているときには、抗がん剤を初め有効な薬を使ってくれるだろうと思っていますよ。それが食塩水を片方はずっと打っていたというんですからね。そんなことが家族の同意がなくてどうしてできるんですか。どうも私どもの調べでは、家族の同意を得ないままやっているように聞いているわけです。それだから盛んにそれを聞いている、すると、ああでもない、こうでもないと言う。もちろん後藤教授がコントローラーになられたことも全部知っているんですよ。その上で、主治医も知らなかった、看護婦も知らなかったということも知って、患者はもちろんのこと家族の同意も得られないで、いわゆるB群百七名の人には抗がん剤と食塩水が打たれておったということについて、私はいかに医学の実験とはいえ、せめてそういう場合には家族の皆さんには、こういうことをやりますよ、ということを言って同意を取るのがあたりまえだ。それが私は医の倫理だと思う。ところが、私のお聞きする範囲では、どうも家族の同意を得られていないように聞きます。  

 大臣、こういうことはどうなんでしょう。いま申し上げたように、私は二重盲検法というものを否定しておりません。またそういうものも医学の進歩のために必要だとも思っています。しかし今回のこの措置をやられるときに、どちらにも抗がん剤を打たれていますが、一方は丸山ワクチンが使われている、一方は単なる食塩水を使ってやられた。結果、食塩水を使われた方の方は全部亡くなっています。片っ方の方は大臣がおっしゃったように三名助かっています。ですから、私はそういう場合に――たとえば大臣でも私でも同じだと思いますね。家内を入院させておった、たまたまがんになって、そんなことを私に相談せぬまま勝手にやったら、私は告訴しますよ。食塩水と制がん剤を打ち続ける、私の家内は元気ですけれども、そういう事例がもしも起こったら私は抗議しますね。告訴しますよ、裁判に持っていきますよ、私は。今回のこの東北大学で行われました場合、どうも私どもは家族の同意も得られていないというふうに思いますが、その点どうなっていますか。

○説明員(新田進治君) 御案内の点につきまして、患者家族の同意が得られているかどうかにつきましては、私ども詳細に承知はしておりませんけれども、これは御指摘のように、当然のことながら、治療を実施する医師の医の倫理にもとる行為は絶対あってはならないというふうに私どもも考えておりますので、この点についての指導も十分今後やっていきたいと、かように考えております。

○安恒良一君 大臣、いまお聞きのとおりです。そんなむちゃなことがあってどうですか。知らないと言うんだ、わからないと言うんだ。少なくともこれだけのたくさんの人の人体実験をやるときに、医の倫理として当然家族の同意を得なきゃならぬ、その上で始められてしかるべきだ。こんな試験の方法は間違いですよ。私はいわゆる二重盲検をやるということについてはいい、しかし最小限度家族のやっぱり同意を得なきゃいかぬと思うんです。それが医の倫理だと思うんです。ところが、いま連中はわからぬと言うんです。調べないとわからぬと言うんです。大臣、まず実態を調査してください。一つは、家族の同意を得たかどうかということの実態調査。それからいま一つお願いしておきたいのは、この患者の中に進行性胃がんその他いろいろがんもたくさんあったと思いますから、実験に使われました丸山ワクチンの百五名、それから百七名の人々がどんながんであったのか。これも後から資料を下さい。いまのではわかりません。ここでやっておっては時間が長くなります。  

 特に私は大臣に調査してもらいたいのは、家族の同意が得てなかった場合には、私は医の倫理に違反することを後藤教授を初め東北大学はやったと思います。こういう点について大臣から厳しく指摘するものは指摘していただかないとね。私は医学、薬学の進歩のために必要に応じて人体実験もやむを得ない。ただし、それはあくまでも本人ないし家族、ただし本人に知らせることがかえって悪い場合には家族の了解だけはきちっととってやるということが、私は古今東西を通じても医の倫理だと思う。残念ながら今回はそれがやられてないように私どもの調査では思いますが、その点について大臣の考え方、これからどういう措置をされるのか聞かせてください。

○国務大臣(村山達雄君) 初めの方の丸山ワクチンを使った症例と、それから食塩水を使った症例につきましては、できるだけ整えまして後刻提出いたします。  

 それから食塩水を使って家族に知らさなかったんじゃないか、それは医の倫理に反するんじゃないか、そこの点でございますが、家族の同意を得たかどうか、その点はひとつ調べてみましょう。  

 ただ、私にはちょっとあれでございますが、二重盲検法でございますから、お医者さんもわからない、患者もわからない。しかし恐らく、そういう治験をやっておりますから、診療機関はその計画を知っているわけでございますから、当然その病院として食塩水が有害であるかどうか、それからどの量がどうかという点は、十分吟味してやっているということはまず私は常識だろうと思います。しかし先生がおっしゃるわけでございますので、家族の同意を得たかどうか、そういった点はよく調べてみたいと思っております。

○安恒良一君 大臣ね、有害なものを打つばかはいないんですよ。有害なのを打ったら大変なことになりますよ。そんなことはあたりまえなんだ。  ただ、私が言っているのは、たとえば私なら私の親類が入院しているときに、そういうことで制がん剤と食塩水を使うときに、そういう人体実験をするときに、断りなくやられては困るということなんですよ。そのことがいいなどという考えをもしも厚生大臣がお持ちだったら、あなたは大臣として不適任ですよ。私は、その家族には断ってもらいたい、当然断るのが医の倫理ではないかと、こう言っているんですよ。そのことを厚生行政としてあいまいにしてはいけません。当然家族に断るのが世界各国の常識なんですよ、そんなことは。  

 初めから無効性のあるものを使うばかはいないですよ、有害なものを使うばかはいないですよ、そんなものは。食塩水が有害だと思って使ったら殺人罪ですよ、そんなものは。  

 ただ、私が言っていることは、家族の同意を得たのかどうか、得なかったならば、これは間違いじゃないか。今後の医療行政として家族の同意を得るように正さなければいけないんじゃないですか。人ごどのように考えてはいけませんよ。百七名の人がこれの実験の対象になっているんですからね。たまたまあなたの身内で起こったらどうするんですかと言っておる。私は、私の身内で起こったら、私に断わればいいけれども、断らぬで勝手にそういうことをやったら、とことんまで告訴して闘いますよと、こう言っているんだよ。あたりまえですよ、こんなことは。だから実態を調査して、そういう実態があれば、そういうことはきちっとたしなめてもらわにゃいけないんじゃないですか。私は決して無理なことをあなたに言っていると思いませんよ。どうですか。

○国務大臣(村山達雄君) よくわかりました。そのように調査いたしまして、今後は納得をいかせるようにいたします。

○安恒良一君 私はぜひ早急に調査されて、そしてそういう過ちを犯されておったならば、今後だけじゃなくて、過ちを犯した人に対しても、厚生行政として、医療行政としてきちっと警告して、今後はそういうことを起こさないようにしてもらいたい。過ちを犯しておれば――調査した結果、全部家族から同意を得ておられれば結構ですよ。得ておられたら結構ですが、得ておられなかった場合は、これは明らかに医の倫理に反することですから、そういう人々については、医の倫理に基づいて所管大臣としてはきちっとした警告を発するなら発するとか、そういうしかるべきあれをきちっとしてもらわないと、二重盲検だからといって無断で何でもやればいいということじゃないんですよ、事人体実験ですからね。人を使ってやる実験ですから、そういうものは最小限度家族との間に同意書をきちっと取り交わすとか、こういうことがないと、たとえばお医者さんも安心してやれないでしょう、そんなことは。医療事故の問題で訴えられたらどうしますか、黙って勝手に食塩水をどんどんどんどん打っておって。そういう点がありますから、この点は私からしかと申し上げておきます。  

 では、続いて次のことにまいります。

 

 安恒良一君 *1 は代表的な2つの研究のうちのひとつ、東北大学の研究について質問しています。

 そこでは、丸山ワクチン群の生存者3名のうち、2名は末期がんではなかった、1名についても膵臓がんに疑いの目が向けられた、といったことがわかります。研究自体が眉唾だったわけですね。

 さらに二重盲検法について質問しています。効果がまだはっきりわかっていない薬の効果を証明するための研究ですから、対照群がなくてはなりませんが、基本的な理解がないまま追及しようとしている印象を受けます。国会の質疑もこんな程度か、とわかります。

 そこでの論調は、丸山ワクチンのような効果がある薬を投与せずに、生理食塩水を投与される人がいるとは何事だ、というまったく理不尽な質問となっています。

 これで参議院における丸山ワクチンの質疑は終わりだとしたら、ちょっとお粗末な議論という印象は拭えません。

 

 いずれにしても、この会議録からは、当時の丸山ワクチンに対する世論、過剰なまでの期待感、有償治験という異例の対応をせざるを得なかった時代背景が読み取れます。

 

 しかし、有償治験にすることの問題点については、全く追及なし。いまだに、丸山ワクチンの効果を検討した臨床研究は発表されていません。

 残念なところです。

 

*1:元日本社会党参議院議員。1992年 東京佐川急便事件で疑惑をもたれ、1993年には1億円の所得隠しが発覚。

 Copyright © 2003, 2007-2017 地域医療ジャーナル