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ビタミンDについて知っておくべきたったひとつの効果

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ビタミンDは骨にいい?

 

 ビタミンDについて、いくつか医学論文を紹介してきました。ちょっと忘れかけていますが、過去記事をご参照ください。

  • 65歳以上のビタミンD単独投与では、股関節骨折予防効果は期待できない。*1
  • 閉経後の女性に対しては、ビタミンDの骨折予防効果は認められていない。*2

 

 ビタミンDは骨にいいというイメージがついていますが、残念な結果となっていました。

 骨には大した効果がないとすれば、ビタミンDには他に何か取り柄はあるのでしょうか?もう少し調べてみることにしました。

 

実はビタミンDには優れた効果が?

 

 ビタミンDと死亡率の関係を検討したメタ分析がいくつもあります。代表的なものをみておきましょう。

メタ分析(Bjelakovic, 2014年) *3

  • P▶ 成人に
  • E▶ ビタミンDを投与すると
  • C▶ プラセボに比べて
  • O▶ 死亡は少ないか
  • T▶ 治療、メタ分析

《結果》※※※

56のランダム化比較試験を統合、成人95,286人を対象。

ビタミンD3 (cholecalciferol):総死亡のリスク比 0.94(95%信頼区間 0.91~0.98)、5年以上の治療必要数 150

ビタミンD2 (ergocalciferol), alfacalcidol, calcitriol:有意差なし

有害事象は高カルシウム血症(リスク比 3.18, 95%信頼区間 1.17~8.68)、腎結石(リスク比1.17, 95%信頼区間1.02~1.34)が多い。

 

 ビタミンD3(コレカルシフェロール)群では総死亡が6%少なかった、という結果です。治療必要数 150とは、ビタミンD3を150人に5年間投与すると、1人の死亡が少なくなる、という効果になります。

 有害事象については注意が必要ですが、ビタミンでこれだけの効果がでているものはありません。

 

 他にもメタ分析があります。

メタ分析(Chowdhury, 2014年) *4

  • P▶ 成人に
  • E▶ ビタミンDを投与すると
  • C▶ プラセボに比べて
  • O▶ 総死亡は少ないか
  • T▶ 治療、メタ分析

《結果》※※※ 

73のコホート研究と22のランダム化比較試験を統合。

総死亡の相対危険は、ランダム化比較試験のみに限定すると、

ビタミンD3(14研究)0.89(95%信頼区間0.80~0.99)

ビタミンD2(8研究)1.04(95%信頼区間0.97~1.11)

 

 こちらのメタ分析でも、やはり総死亡が少ないという結果となっています。

 ほかのメタ分析*5 *6 *7でも同様に、ビタミンDの長期投与で総死亡が少ないという一貫した結果となっています。どうも、ある程度確度の高い結論のようです。

 

 なぜ総死亡が少なくなるのかについては諸説ありますが、はっきりしていないようです。心血管疾患死亡はあまり少なくなっていないようです。

 

 いずれにしても、骨粗鬆症の骨折予防というよりは、今後はこちらの効果を狙って使用することがあるかもしれません。

 もちろん、サプリメントとして摂取する場合にも、高カルシウム血症などの有害事象には注意が必要です。

 

ビタミンDについて知っておくべきたったひとつの効果

ビタミンD3を投与すると総死亡が少ないというメタ分析が複数ある。

使用する場合には、高カルシウム血症に十分注意が必要。

 

*1:http://bycomet.hatenablog.com/entry/vitamind

*2:http://bycomet.hatenablog.com/entry/vitamind2

*3:Bjelakovic G, Gluud LL, Nikolova D, Whitfield K, Wetterslev J, Simonetti RG, Bjelakovic M, Gluud C. Vitamin D supplementation for prevention of mortality in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2014 Jan 10;1:CD007470. doi:10.1002/14651858.CD007470.pub3. PubMed PMID: 24414552.

*4:Chowdhury R, Kunutsor S, Vitezova A, Oliver-Williams C, Chowdhury S, Kiefte-de-Jong JC, Khan H, Baena CP, Prabhakaran D, Hoshen MB, Feldman BS, Pan A, Johnson L, Crowe F, Hu FB, Franco OH. Vitamin D and risk of cause specific death: systematic review and meta-analysis of observational cohort and randomized intervention studies. BMJ. 2014 Apr 1;348:g1903. doi: 10.1136/bmj.g1903. PubMed PMID: 24690623; PubMed Central PMCID: PMC3972416.

*5:Zheng Y, Zhu J, Zhou M, Cui L, Yao W, Liu Y. Meta-analysis of long-term vitamin D supplementation on overall mortality. PLoS One. 2013 Dec 3;8(12):e82109. doi: 10.1371/journal.pone.0082109. eCollection 2013. PubMed PMID: 24349197; PubMed Central PMCID: PMC3857784.

*6:Rejnmark L, Avenell A, Masud T, Anderson F, Meyer HE, Sanders KM, Salovaara K, Cooper C, Smith HE, Jacobs ET, Torgerson D, Jackson RD, Manson JE, Brixen K, Mosekilde L, Robbins JA, Francis RM, Abrahamsen B. Vitamin D with calcium reduces mortality: patient level pooled analysis of 70,528 patients from eight major vitamin D trials. J Clin Endocrinol Metab. 2012 Aug;97(8):2670-81. doi: 10.1210/jc.2011-3328. Epub 2012 May 17. PubMed PMID: 22605432; PubMed Central PMCID: PMC3410276.

*7:Autier P, Gandini S. Vitamin D supplementation and total mortality: a meta-analysis of randomized controlled trials. Arch Intern Med. 2007 Sep 10;167(16):1730-7. Review. PubMed PMID: 17846391.

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