地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

抗インフルエンザ薬はどんな人に推奨されますか?

備忘録です。CDCのガイドライン *1から。 抗インフルエンザ薬の推奨されるインフルエンザ合併症ハイリスク群は以下のとおりです。 2歳未満の小児 65歳以上の成人 慢性肺疾患(喘息を含む)、心血管疾患(高血圧のみを除く)、腎疾患、肝疾患、血液疾患(鎌状…

医療と癒しについてさらに思索を進めたい

医療と癒し ヘルスケアの商品化と分業化が何をもたらしたか 冷酷なエビデンス あちら側の世界 医療が人を癒そうなんて思わないで ここまでのまとめ 医療と癒し 一冊の本を紹介した2016年のブログ記事を発端にして、「医療は人を癒せるのか」はぼくにとってひ…

後頭神経痛にビタミンB12注射?

出典のない情報は信用しないこと 検索してみると DynaMed *3 UpToDate *4 PubMed (Clinical Queries *6 ) 見つからず、断念 出典のない情報は信用しないこと 後頭神経痛に対してビタミンB12の注射が有効、というネット情報が広がっています。 検索上位のサイ…

仕事のストレスと自殺の関係

働く人全ての意識が変わってほしい - 地域医療日誌 につづきます。 労働時間の管理でいいのか メタ分析(Loerbroks, 2016年) *1 労働時間ではわからない自殺リスク 労働時間の管理でいいのか 過重労働が問題になっています。もちろん、前提として長過ぎる労…

リルテックはALSの生存期間をのばす

以前の記事 ALSにメジコン? - 地域医療日誌 につづきます。 リルテックはどうですか? メタ分析(Miller, 2012年) *1 生存率1年で9%の差 リルテックはどうですか? 筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する治療について、もう少し確認しておきましょう。ALS…

はじめから夢をみるのではない

新年あけまして、おめでとうございます。 旧年中はこれまで以上に多くの方々に当ブログへお越しいただき、感謝しております。 本年もまたご愛顧いただきますよう、心よりお願い申し上げます。 それでは今年もさっそく、始めたいと思います。 継続は力なり? …

あの事件からメディアの姿勢を考える

あの事件が大きくとりあげられた メディアの姿勢が問われている 情報は間違いも多く、古くなる 情報源がはっきりしているか 情報も量より質へ あの事件が大きくとりあげられた 今月、ちょっとした事件が巻き起こりました。ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュ…

薬剤師の役割が大きく変わりつつある?

恒例の企画、第4弾 薬剤師たちがアツい 恒例の企画、第4弾 雑誌の紹介です。 毎年恒例となりました年初の企画、南山堂の月刊誌「薬局」2017年1月号の特集「Evidence Update 2017」です。 薬局 2017年 01 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 南山堂 発売日: 201…

働く人全ての意識が変わってほしい

母親の手記から 働く人々へのメッセージ 母親の手記から 大手広告会社電通の新入社員だった高橋まつりさんが自殺してから、今日で1年になるそうです。 高橋さんの母親が手記を寄せたことが、各社から報道されています。内容を個々に留めるため、そして社会…

ALSにメジコン?

質問 筋萎縮性側索硬化症(ALS)にメジコン(一般名デキスロトメトルファン)は効果があると聞いたのですが、本当ですか? ALSの情動調節障害に 情動調節障害とは ランダム化比較試験(Brooks, 2004年) *1 ランダム化比較試験(Pioro, 2010年) *3 DMqは効…

研究はひっそりと消えていく

どんな研究が中断されたのか? 後向きコホート研究(Kasenda, 2014年) *1 リクルート失敗が最大の原因 消えていった研究の数々 どんな研究が中断されたのか? 発表された2014年当時に読んで、おもしろそうなのでブログ記事にしようと思いながらも、そのまま…

ハチミツという甘い処方箋

質問 ハチミツって処方できるんですか? 咳にハチミツは有効 薬としてのハチミツ 咳にハチミツは有効 小児の咳にハチミツが効果があることが、いくつかの研究から明らかになっています。(主に2歳以上。1歳未満には乳児ボツリヌス症 *1 の危険があるため与…

誰にとって無益なのか?

相模原障害者殺傷事件からみえてくる世界 コントロール幻想がついに「死ぬ、死なせる」まで 緩和ケアから積極的安楽死までがひとつづきに 誰にとっての無益か 負の拡大解釈の連鎖 相模原障害者殺傷事件からみえてくる世界 2016年7月26日未明、相模原市の障…

「メタ分析の4つのバイアス」まとめ

4つのバイアス 出版バイアス 評価者バイアス 元論文バイアス ごちゃ混ぜバイアス メタ分析の論文をよむときに、確認しておきたいバイアスをまとめておきます。 尚、くわしくはこちらの「ワークブック」をご参照ください。 ステップアップEBM実践ワークブッ…

薬の数が多いという問題ではない

ポリファーマシーの対処はうまくいかない 大量の残薬が! 板挟みのケアマネージャー ポリファーマシーの対処はうまくいかない 雑誌の紹介です。 南山堂|月刊誌「治療」の2016年12月号はポリファーマシー特集。【ポリファーマシー できること,難しいこと,…

 Copyright © 2003, 2007-2021 地域医療ジャーナル