2. 予防についての疑問
日本人の研究からわかるコレステロールのリスクの実態 - 地域医療日誌 につづきます。 もうひとつのコホート研究も同じ結果 JMSコホート研究(Nago, 2010) *1 総コレステール 240mg/dL以上でも総死亡に有意差なし 低コレステロールでは脳出血、心不全、がん…
コレステロールはリスクになりますか? NIPPON DATA 80 コホート研究(Okamura, 2007年) *1 ほとんど有意差がなかったのがコホート研究の実態 コレステロールが低い人のほうが死者数が多い コレステロールはリスクになりますか? コレステロール値を下げる…
質問 昨シーズンは「過去にインフルエンザワクチンを2回以上接種している6か月から8歳までの小児は1回接種で十分」とのことでした。 今シーズンはどうですか? 2016-2017年のおさらい 2017-2018年も同じ 2016-2017年のおさらい 米国疾病管理予防センター…
以前の記事、それでも日本人だけは大丈夫? - 地域医療日誌にコメントをいただきました。ぼくの記事を読んでいただき、さらにコメントまでいただけるなんて、とても嬉しいです。ありがとうございます。 低炭水化物スコアで比べている ぽっちゃりとはどんな様…
認知症は高齢者の15%? - 地域医療日誌 につづきます。 フラミンガムから コホート研究(Satizabal, 2016年) *1 年齢調整では認知症は少なくなっていた フラミンガムから 米国の有名なコホート研究 Framingham Heart Study(1948年から調査が開始され、現在…
交通量と認知症の関係 コホート研究(Chen, 2017年) *1 幹線道路から50m未満で認知症が7%多い 少し前に「幹線道路沿いに居住で認知症リスクが高まる」という記事が掲載されていました。 認知症の発症と自動車の関係を示唆するものでしょうか? 論文を確認し…
質問 子供がぜんそくと言われたのですが、ダニの駆除などをしたほうがいいんですか? お部屋はよく掃除しているんですが・・・。 ダニを排除してもあまり効果がなかった 防ダニベッドカバーで改善するか? ランダム化比較試験(Murray, 2017年) *1 重度の発…
認知症は3秒に1人が発症 認知症高齢者は462万人 認知症は15%もいるのか? 過去の疫学調査では4-11% 厚労省の横断調査結果から 厳格に評価すれば認知症は多くなる 認知症は3秒に1人が発症 9月21日は「世界アルツハイマーデー」でした。認知症に関する…
結果にばらつき システマティックレビュー(Walker, 2016年) *1 せん妄予防については、以前記事にしたことがあります。 www.bycomet.tokyo 抗精神病薬の治療が微妙な結果で、それなら予防できたらいいのでは、ということでこの論文を読んでみました。 入院…
歯科では積極的にすすめられなかった電動歯ブラシ メタ分析(Yaacob, 2013年) *1 電動歯ブラシで歯肉炎スコアが11%低い 害はなかった 歯磨きは1日2回 ぼくは長年、電動歯ブラシを使っています。 パナソニック 電動歯ブラシ ポケットドルツ 白 EW-DS18-W …
質問 家族が水痘にかかったのですが、今からワクチンをやっても間に合いますか? 水痘は自然に治るがかからないほうがいい 家族内発症が多い メタ分析(Macartney, 2014年) *3 水痘は自然に治るがかからないほうがいい 水痘は水痘・帯状疱疹ウイルス(varic…
総死亡で検索したいが・・・ 論文がない がん検診のあり方に関する検討会 5件のコホート研究 総死亡で検索したいが・・・ 胃がん検診が話題になっています *1 胃X線検査は長年行われていますが、効果はどの程度確認されているのでしょうか。 いい機会ですの…
質問 プロトンポンプ阻害薬を長年飲んでいたほうが、食道がんになりにくくなるのでは? メタ分析(2014年, Singh) *1 PPIで食道腺がん+高度異形成が71%少ない メタ分析(2017年, Hu) *2 PPIに効果なし 結論が変わった理由 このような質問を受けました。さ…
やはり抗精神病薬は安全ではなかった? - 地域医療日誌 につづきます。 入院中のせん妄予防 ランダム化比較試験(Hatta, 2014年) *1 ロゼレムでせん妄が91%少ない 入院中のせん妄予防 入院時のせん妄の有病率は11-33%、入院中のせん妄の発症は高齢者の3-56…
公開日 2017-6-9, 最終更新日 2017-6-13 *1, 2018-3-13 質問 乳製品は体に悪くない、という記事を見ましたが、本当のところはどうなんですか? 久しぶりのエビリク チーズは心血管疾患のリスクか? 論文をさがせ メタ分析(Guo, 2017年) *2 発酵乳製品、と…
口唇ヘルペスの予防に抗ウイルス薬は必要? - 地域医療日誌 からもう少しつづけます。 ぬり薬で再発は防げるか? メタ分析(Chi, 2015年) *1 外用は効果がみられない ぬり薬で再発は防げるか? 繰り返す口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルスによる口唇炎)に…
質問 またヘルペスができたのですが、抗ウイルス薬は飲んだ方がよいですか? 再発は防げるか? メタ分析(Chi, 2015年) *1 短期の予防は結論が一貫していない 長期予防の研究は少ない 再発は防げるか? 口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルスによる口唇炎)を…
質問 歯磨きでインフルエンザが予防できる、という情報をネットで見ましたが、本当でしょうか? 怪しいネット情報 口腔ケアの研究がひとつあった ランダム化比較試験(Abe, 2006年) *1 半年間の口腔ケア半年間で1/10? 怪しいネット情報 調べたい疑問を整理…
これで体重論争に決着がついたのか? メタ分析(Global BMI Mortality Collaboration, 2016) *1 BMIは20-25が総死亡少ない これで体重論争に決着がついたのか? どのくらいの体重が適正なのか、これまでいくつもの研究が発表されてきました。 当ブログでも…
質問 くるみは体にいいんですよね? 私は毎日食べるようにしています。 さっそく検索してみた コホート研究(Sala-Vila, 2016年) *1 総死亡が28%少ない さっそく検索してみた 検索するのはおなじみ "PubMed Clinical Queries"。検索用語は "walnut"。 もち…
高齢女性でも半年に1回の注射でいいですか? - 地域医療日誌 さらにもう少しつづきます。 内服との比較 メタ分析(Beaudoin, 2016年) *1 骨折はむしろ15%多い傾向 内服との比較 デノスマブについて、また新しいメタ分析が発表されていました。ホットな話題…
骨粗鬆症の治療は半年に1回の注射でいいですか? - 地域医療日誌 つづきです。 日本人女性の研究では? ランダム化比較試験(Nakamura, 2014年) *1 2年で66%椎体骨折が少ない 日本人女性の研究では? 骨粗鬆症の日本人に対して、デノスマブ60mg皮下注射の…
質問 骨粗鬆症の治療で半年に1回注射をしてもらっていますが、どの程度効果がありますか?(高齢女性) 前立腺がん患者の研究 ランダム化比較試験(Smith, 2009年) *1 椎体骨折が62%少ない 日本人女性の研究では? ランダム化比較試験(Nakamura, 2014年)…
定期接種はじまる 1歳までに3回終了 4月生まれなら10月中には開始したい 詳細な情報はこちら 定期接種はじまる 2016年10月1日から、いよいよB型肝炎ワクチンの定期接種がはじまりました。 2016年4月1日以降に生まれた乳児が対象です。(残念ながら、そ…
質問 今年のインフルエンザワクチンもこどもは1回接種でいいですか? ACIPの見解 要旨 過去に2回以上接種していれば1回でよい フルミストは使用すべきではない 米国疾病管理予防センター(CDC)に設置されている、予防接種の実施に関する諮問委員会 Advisor…
MRワクチンがワクチン品薄に 麻しんのPEP 接触した免疫のない医療従事者には長期休暇 MRワクチンがワクチン品薄に 麻しん風しんワクチンが品薄状態となっています。 流行がニュースになると、ワクチン希望者が医療機関に押し寄せ、さらに医療機関もワクチン…
10月から定期接種化 HBVは世界で蔓延 真のアウトカム研究は少なかった 観察研究(Chang, 2009年) *3 導入後、小児の肝細胞癌が7割減少 25万人で1人予防 10月から定期接種化 2016年10月から、B型肝炎ウイルス(HBV)ワクチンが定期接種化されます。対象者…
国内の状況 海外の報告 システマティックレビュー(Gonçalves, 2014年) *1 レビュー(Nakalembe, 2015年) *3 レビュー(De Vincenzo, 2014年) *4 FIGO HPVワクチンは効果だけではなく、安全性も気になるところですね。ついでに少し触れておきましょう。 …
人類のHPVとの戦い 4価ワクチン発売から10年 システマティック・レビュー(Garland, 2016年) *1 HPVワクチン宣伝論文? 人類のHPVとの戦い ヒトパピローマウイルス(HPV)は全世界的にはびこる最も代表的な性感染ウイルスとなっています。このウイルスはぼ…
ASIAはHPVワクチンで多く発生していた - 地域医療日誌 につづきます。 ASIAのQ&A ASIAの診断基準 Shoenfeldさんのレクチャー ASIAのQ&A 前の記事で紹介したシステマティックレビューには、症例選択の条件としてこのように書かれていました。 Shoenfeldの診断…