地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

エビデンス×医療

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 医療にもっとエビデンスを。

 医療現場にエビデンス(科学的根拠)を取り入れたい、もっと使いやすくしたい。これまでぼくがずっと挑戦しつづけてきたテーマのひとつです。

 このブログを発端として、これまで取り組んできたプロジェクトを、ここでふりかえってみたいと思います。

 

エビデンスリクエスト*1

 2015年10月、初めてブログとツイッターを通して告知し、医療に関する質問を募集しました。

www.bycomet.tokyo

 

 医療の専門家ではない、一般の人からいただいた質問をnoteで回答する、というスタイルでした。

 しかし、ほとんど反響はなく、プロダクトなしで終了となりました。

 当時のnote記事ではこのようにふりかえっています。

 昨年ブログ「地域医療日誌」の実験企画で実施した、新企画「エビデンスリクエスト」。残念ながら反響が少なく、プロダクトも出ませんでした。

 そもそもブログページビューも月1万程度、ツイッターフォロワーも6,000程度と少なく、影響力が小さすぎたこともあるでしょう。

 エビデンスという「情報ビオトープ」に強い関心のある集団の規模も、小規模(300-400人程度)であるとみています。

 関心の高い人々の「情報ビオトープ」の内側(タコツボ)から、外に出て行くにはどうしたらよいのか、を考えなければならなかったのでしょう。

 

 医療やエビデンスに関心のある人の集団「情報ビオトープ」(いわゆる閉じた専門家集団)から、うまく抜け出して情報発信することができませんでした。

 影響力、ここか課題だと痛感しました。

 

#エビリク*2

 2016年7月、質問をツイッターハッシュタグ「#エビリク」で自由につぶやいてもらうだけではなく、こちらから収集する形式*3に変更して再挑戦。

 対象はやはり、医療の専門家ではない一般の人です。

 そこで、エビリク第2弾ではただ募集するのではなく、こちらから拾いに出向く(話題に乗ってエビデンス GOとでも言いましょうか)という企画でやってみようと思います。

 今回のエビリクの目的は「医学的な疑問を収集すること」、ここだけに注力したいと思います。やはりツイッターは情報収集に向いていますので、活用したいと思います。

 主に医療者ではない人々がつぶやく医学に関する日常的な疑問をみつけたら、「#エビリク」でリツイートし、疑問を捕まえます。

 疑問が蓄積してきたところで、まとめて公開いたします。

 もちろん、ブログ記事などにできるものがあれば作成し、あとは敏腕ブロガーのネタになることを期待したいと思います。前回のように、解決策までは保証いたしません。

#エビリク でつぶやくだけ

 ということで、今回は「#エビリク」で医学の疑問を集めるだけ。早速、はじめてみたいと思います。

 

 ここでたくさんの疑問を収集できました。2016年8月のnoteから。

 医学の疑問を集めます、という企画「エビリク」。おかげさまで、今回はたくさんの収穫がありました。

 いったんここでまとめておきたいと思います。

 興味があったものをリツイートしていますので、それを引用していきます。


薬剤編

  • 降圧薬で十分に血圧が下がった患者さんに、降圧剤の量を変えないのと減量するのではどちらがリスクを減らすのか

 降圧目標とリスクの関係ですね。なるほど。

  • メリスロンとアデホスの組み合わせはどの程度めまいに効くのか

 メリスロンとアデホスの比較。あったような、なかったような・・・。また調べてみたいです。

  • 一包化することで死亡率に変化はあるのか

 一包化の効果についてですね、なるほど~。

  • あベンゾジアゼピンの代わりに酸棗仁湯を使えないだろうか

 「あの」ベンゾジアゼピン? ちょっと意味深な感じですね。

  • 風邪藥ってどれが効くの? うーんと効くやつないの? 限界まで攻めた風邪藥欲しい

 切実な願いが伝わってきますが、残念ながらほとんど期待できません。詳しくは「地域医療ジャーナル」のぼくの連載「かぜの研究」でもどうぞ。

  • ストラテラやコンサータなど、小児の治療効果、副作用や使い方で学校生活も含め注目するところを知りたい

 治療効果や副作用は、研究ではどう評価されているのか、確認してみたいです。

  • 小児においてステロイド離脱症候群を予防する為のテーパリングが必要となるステロイド量や投与期間の目安 また、テーパリング方法 

 適切なテーパリングについてのエビデンスですね。なるほど。

 
サプリメント編

  • 患者さんが飲んでいるサプリメントの情報を主治医に提供することは何らかの改善につながるか?

 サプリメントの情報はおしえてもらいたいですが、知ることで一体どうなるのか?という疑問です。なるほど。

  • フコイダンエキス: この頃の僕は 癌にいいといわれていることは何でもやってみたいとあれこれ手を出したこの時は「フコイダン」 昆布のドロドロの部分のエキスなんだが膀胱癌に良いときいた一本30000円ホントに効くのかな

 膀胱癌にフコイダンは効くのか、という疑問ですね。

  • マヌカハニーって効くのか?喉が超弱いからチャレンジしようか

 マヌカ? ハチミツは印象がよいですが、マヌカハニーはどうでしょうか?調べてみたいですね。

  • ニキビにはビタミン効きますか??

 よく見かける疑問です。特定の商品名だったりもします。

  • カシスは風邪に効きますか、、、、?

 「地域医療ジャーナル」の連載「かぜの研究」ではまだ取り扱っていません。調べてみたいですね。

  • とっても寒がりです。しょうがが効きますかね?

 しょうがの研究はみかけますが、寒がりにはどうでしょうか。どうやって評価するかが悩ましいところですが。


手術編

  • 無駄な手術ってなぜよく行われているの?

 最近、週刊誌で話題になったようです。整形外科領域の手術が並んでいますが、それぞれ個々に検証がする必要があります。

 まあ、薬も手術も、効果があるとされた治療が実は無効・有害であったとわかることはよくあることです。だからこそ、最新のエビデンスについていくことが重要なわけなのですが。

 

薬剤師編

  • インスリン製剤の使用状況をチェックすることは何らかのアウトカムに変化をもたらすか?

 薬剤師さんらしい疑問ですね。

  • 〇〇の患者さんに薬剤師が在宅で活動させてもらうと、患者さんにどんな効果があるのか。他職種にはどういう影響があるのか。

 在宅での役割ってことでしょうか。

  • 薬局薬剤師が化学療法のレジメを把握している場合と、そうでない場合の影響。

  こちらは薬局薬剤師の役割が、患者さんにどんな影響があるのかということでしょう。

 

その他

  • ストレッチが怪我の予防になるというエビデンスは乏しいとか?

 これは調べてみたいです。

  •  ヨガは腰痛に効くのかなぁ?

 これはいろいろ研究があります。


 いや、たくさん集まりました。みなさん、ありがとうございます!!

 この中から、いくつかは調べてみようと思います。時間もかかりますし、期待せずにお待ちください。記事にするとしたらこのnoteか、ブログ「地域医療日誌」になります。

 くり返し、いろいろな人からつぶやかれる疑問もあります。なんとか少しでもお役に立てればと思います。

 また、選りすぐりの医療系ブロガーたちがここを見て、きっとぼくより優れた記事を書かれることと思います。

 それにも大いに期待しています。ぜひともよろしくお願いします。

 疑問の収集は続けます。それでは、また。

 

 この時は、ざっと全部で19の疑問が集まりました。ありがとうございました。

 一般の人だけではなく、医療者からの質問も含まれていました。このうち3分の1ほどは、ブログなどの記事になりました。

 しかし、いただいた疑問に対してすぐに回答するには、疑問を受け止める組織的な体制が必要だということを再認識しました。

 ここで課題は明確になりました。

 

#エビダス*4

 しばらくして、またチャンスがやってきました。

 2019年4月、オンラインコミュニティ「地域医療編集室」を拠点とした、新たなプロジェクト「#エビダス」を立ち上げました。

cmj.publishers.fm

www.bycomet.tokyo

 個人の力では解決できなくても、「#エビダス 編集チーム」で力を合わせると解決できるかもしれません。薬剤師のリーダーを筆頭に、医師、図書館司書、その他の専門家メンバーで編集チームをまず立ち上げました。

 

 ここで初めて、組織的な活動に挑戦しました。ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

 対象者も、これまでのプロジェクトから一歩前進させ、どなたでも参加できるように対象を拡大しました。

 最終的にレポートとして回答したのは4編。「地域医療ジャーナル」へ記事掲載という形式で公開され、原稿料として些少の謝礼もお渡しすることができました。

cmj.publishers.fm

 現在、募集は終了しています。

 

ここまでの経験のまとめ

  • 一般の人を対象とした「エビデンスリクエスト」は発信力や影響力が小さく、成果上がりませんでした。
  • 一般の人を対象とした「#エビリク」では疑問は集められましたが、回答する体制が不十分でした。
  • すべての人を対象とした「#エビダス」では初めての組織的な活動となりました。

 

医療者にエビデンスを

 情報は日々膨張しています。医療情報に対するニーズも徐々に高まってきています。

 しかし、医療者は忙しい中、医療情報をフォローし、医療行為の根拠を確認する時間がなかなかとれないものです。

 適切な医療情報(エビデンス)を日常診療で活用できるように、もっと環境整備ができないでしょうか。

 医療にもっとエビデンスを。ここがぼくの活動の原点でもあります。

 

 膨大な医療情報を人々に届けることはもちろんのこと、医療現場の専門家に届ける仕組みの開発が必要でしょう。

 医療者と情報をつなげるシステム、専門家が専門家を支え合うシステム。

 次なるプロジェクトを構築していきたいと思います。

 

 このつづきはこちら、地域医療編集室で動き始めます。

 関心のある方は、ぜひご参画ください。

community.camp-fire.jp

*1:募集は終了しました。

*2:募集は終了しました。

*3:ポケモンGOにあやかり、エビデンスGoと表現しています

*4:募集は終了しました。

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