本の紹介です。
65歳からは検診・薬をやめるに限る! ―高血圧・糖尿病・がんはこわくない
著者献本、深謝いたします。
長生き欲に蝕まれた日本
長寿の人が敬われる日本の文化、それは喜ばしいことかもしれません。
しかし、だれもが元気で長生きするために健康に気をつけて努力をする「長生き欲」に蝕まれた日本の現状に、著者は警告を発しています。
「はじめに―定期検診は不幸のはじまり」から引用します。
診療においては、20年以上、EBM(エビデンスに基づいた医療)を実践してきました。エビデンスとは根拠・証拠の意味です。無駄な検査や治療で負担を感じることなく、医学的根拠に基づき、必要最低限の検査や治療で、質の高い医療の提供をめざしています。
そうした経験から見えてきたのは、「世の中の医療のかなりの部分は明確なエビデンスがないままにおこなわれている」という驚くべき状況でした。また医者が利用している「エビデンス自体も、じつはかなりあいまいなもの」ともいえます。
そんな私が日頃感じていることを端的な言葉でいうなら、こうです。
65歳を過ぎた人に定期健診は必要ありません。むしろ受けると不幸になる。
「健診は受けるべき」という固定観念をはずしてフラットに眺めてみると、じつは健診を受けても受けなくても、65歳からのその後に大差はないからです。健診を受けるお金と時間があるなら、趣味を充実させるとか、おいしいものを食べるとか、自分の満足感につながることにかけて今を大切にするほうが、はるかに有意義です。
そろそろ洗脳から目覚めよ
科学的根拠に基づくと、高齢者に医療化を進めていくと利益が小さく害が上回ることがわかってきています。
健診を含めた検査や治療というものは、ただやればいいというものではありません。
個々にその意義をよく理解して、慎重に判断すべきものです。
そろそろ、目を覚ましたほうがよいでしょう。早期発見がいい、という洗脳状態を。
一般書となっていますので、ぜひどうぞ。

65歳からは検診・薬をやめるに限る! ―高血圧・糖尿病・がんはこわくない
- 作者: 名郷直樹
- 出版社/メーカー: さくら舎
- 発売日: 2017/04/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る