地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

肥満は本当に危険なのか?

 

これまでの論文 

 肥満は医学的に危険といえるのか?この疑問に答える論文が、これまで多数発表されています。

 

 以前、ブログ記事でもいくつか紹介していました。

 

BMI 25.1-27.5が死亡率最低 | 地域医療日誌 by COMET 

 この論文は、日本人を含む100万人以上のアジア人のコホート研究ですので、かなり説得力があります。

 

糖尿病、BMI30-35が死亡率最低 - 地域医療日誌 by COMET 

 どうやら、肥満は死亡率にあまり影響していないのではないか、という結果でした。 

 

 さらには、減量がむしろ危険かもしれないという論文まで登場しました。

健康な人が減量すると死亡率11%増加 | 地域医療日誌 by COMET 

 

BMI<35までは死亡率高くなかった 

 肥満は本当は危険ではないのか?この疑問に答える論文(メタ分析)がまたひとつ、2013年に発表されました。 

Flegal KM, Kit BK, Orpana H, Graubard BI. Association of all-cause mortality with overweight and obesity using standard body mass index categories: a systematic review and meta-analysis. JAMA. 2013 Jan 2;309(1):71-82. doi: 10.1001/jama.2012.113905. Review. PubMed PMID: 23280227.
  • P▶ 一般の成人について 
  • E▶ BMI 25以上、30以上、35以上の人は
  • C▶ BMI 18.5以上25未満の人に比べて
  • O▶ 死亡率が高いか
  • T▶ 予後、観察研究のメタ分析
《結果》※※ 
  • 97の観察研究、対象人数288万人以上、27万人以上の死亡データを統合。
  • 主な結果を表に示した。

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 肥満でも、BMI 35未満のところまでは死亡率はほぼ同程度(むしろやや低め?)だったということがわかります。

 死亡率というひとつの(そして確かな)指標でみた場合、肥満はさほど危険ではないと言えるのではないでしょうか。

 

 やせの危険性についても知りたいところでしたが、残念ながらこの論文ではやせは検討されていませんでした。

 

肥満は本当に危険なのか?

  • 重度でなければ、肥満はさほど危険ではないかもしれない。
  • やせの危険性は注意が必要。

 

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