効果があるかのように振る舞うことは
おなじみ地域医療ジャーナルで企画特集「冷酷なエビデンス」を発行したのは、2017年10月号。
そのなかのぼくの記事 熱狂のあとに / 地域医療ジャーナル では、このような主旨のことを書いています。
- 治療に効果がないことやむしろ有害であることを認めることは、冷酷なことではない。
- あたかも効果があるかのように振る舞う医療者のほうが冷酷だ。
そう、本当は治らないのに、治せるかのように振る舞うほうが罪深いでしょう。
エビデンスと買い物
エビデンスは、治療に効果がないことも明らかにします。そもそも効果がなくても使うのか、それとも使わないのか。その情報をどう使うかは、どう使うか判断することこそが、医療者に委ねられているのです。
これは、買い物によく似ています。ぼくらはいつも、どちらにするか自然に選びとっているものです。
どちらを選ぶのが正しいか、もしくは選ばないのが正しいのか、未来は誰にもわかりません。だからこそ、正解もあるはずがないのです。
あいまいなエビデンスのやさしさ
エビデンスが示すことは、常にあいまいなことだけ。どちらを選択するほうがよいか、その答えを示すことはありません。
まあおそらく、どちらを選んだとしても、そんなに大きな違いはないことがほとんどです。
どちらを選んでもいい、自分で選んだ道ならば。
きっとそんなところでしょう。それが、エビデンスのやさしさです。
やさしさとあたたかさを
エビデンスはむしろやさしく、医療者は冷たかった。
そんな医療を変えていきたい。
エビデンスはやさしく、医療はあたたかく。
新しいプロジェクト、「地域医療編集室」がはじまりました。
やさしさとあたたかさを
地域医療編集室
ご注目ください。
くわしくは、地域医療ジャーナル 2018年5月号(4月末日発行)をどうぞ。