地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

「総合人間学」がさししめす医療の方向性

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医療倫理とその教育

 ウェブマガジン 地域医療ジャーナル 2018年10月号では、恒例となりました企画特集を掲載いたしました。

 今回は「医療倫理とその教育」です。

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 連載記者のみなさま、ありがとうございました。

 さらに今回は、西沢いづみさんに記事「『医療倫理と教育』ー病む本人が主治医ー」をご寄稿いただきました。

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 西沢いづみさんは生命科学研究者で、看護学領域では生命倫理学のテキストも執筆されておられます。 

生物と生命倫理の基本ノート  第3版 「いのち」への問いかけ

生物と生命倫理の基本ノート 第3版 「いのち」への問いかけ

 

 

 京都西陣で住民主体の地域医療の先駆けとなる活動をされた「わらじ医者」で有名な早川一光さん(今年ご逝去されました)のご息女といったほうが、地域医療分野ではわかりやすいかもしれません。

 

 早川さんの地域医療の実践も研究テーマとされ、著書もあります。

わらじ医者が来た道――民主的医療現代史

わらじ医者が来た道――民主的医療現代史

 

 

 まさしく、地域医療と医療倫理、というテーマにぴったりの方にご寄稿いただき、たいへん光栄です。感謝申し上げます。

 

在宅医療は天国か

 地域医療の先駆者である早川さん、2017年4月にドキュメンタリー番組が放送されています。このたび拝見しました(放送当時に最後の部分を拝見した記憶があります)。

www.nhk.or.jp

 在宅医療のモデルとして活動されてきましたが、自らが在宅医療を受けることになり、「こんなはずじゃなかった」と思い悩んでおられる姿は印象的です。

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 番組のなかのコトバを拾ってみました。

  • 大切な何かが置き去りにされているのではないか。
  • 医学だけでは人は救えない。
  • 総合人間学。哲学や宗教、芸術などとつながった、より豊かな医療をはじめよう
  • 畳の上に天国と地獄、どちらも存在していた。

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 医療では届かないところがある、その問題意識はぼくが感じているもの、そして取り組もうとしている活動と、よく似ています。

 人生の最期をどのように迎えるのか、それにどう伴走していくのか。永遠のテーマに向き合わなくてはならないでしょう。

 

 わらじ医者の来た道について、そしてその先の医療について、先人たちから学ぶべきことがあるはずです。

 耳を澄ましながら、これからもう少し考えていきたいと思います。

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