地域医療ジャーナル 2019年2月号「相似から全体へ」、発行いたしました。
なかなかの力作がそろっております。
ぜひ読者登録の上、ご一読いただければと思います。
タイトルは「相似から全体へ」。編集作業をしながら、相似、アナロジー、何かを映し出す鏡、といった言葉が思い浮かびました。
これとこれは似ていますよね、というアナロジーを文章に盛り込むことがあります。それで理解が深まるだろうと感じて意図的に書くこともありますが、書きながらふと思いつくこともあります。
アナロジーから、文章がうまく展開していくように感じることがしばしば。アナロジーによって思索が深まるのでしょうか。
文学的表現の比喩(メタファー)もいいものですが、科学的な文章でのアナロジーは新たなひらめきや発見が生まれ、読者からも受け入れやすいように感じます。
さらに、アナロジーによって、ぼくの理解はどんなものかを、多面的に表現できるようになります。多面的というのは「ぼくの理解とあなたの理解は同じですか? それとも違いますか?」といったことが明確にしやすい、とでもいいましょうか。
文章を書きながら、ここが似てるよね、とひらめくことがあります。ひらめくと、まるである問題を達観できたかのような気分になります。(本当はわかったような気分になっているだけかもしれませんが。)
こんなとき、ある問題をひとつの構造として切り出し、ほかの問題と比較する作業をしていることになります。この切り出す作業(これを、ある事象の断片化と呼んでもいい)をすることによって、その事象にさらに迫れるようになるのでしょうか。それとも、その事象から離れていくことになるのでしょうか。
ちょっとわかりません。
アナロジーとは便利なもの。アナロジーから見えてくる事象もあるでしょう。ただ、アナロジーを使ったとき、アナロジーで見えなくなるものについても意識しておきたいとは思います。
今月号もどうぞよろしくお願いします。