このような質問を受けました。
「通勤時間が長いと、体によくないですか?」
通勤時間が比較的長いとされる日本人。興味のあるところかもしれません。
通勤時間と健康のエビデンスを少し調べてみようと思っていましたが、厚生労働省で調査を行なっていることを知りました。
忘れないうちに、まずはこちらだけでも紹介しておこうと思います。
労働者健康状況調査
事業所における労働者の健康状況を把握するために、5年ごとに実施されている調査です。この質問票の中に、通勤時間(片道)の質問があります。
最新のものはこちらです。
2002年の調査では「普段の仕事での身体の疲れの程度」と「通勤時間」との関係を示した結果が示されています。こちらの公表データをグラフ化してみました。
通勤時間が長くなるにしたがって、普段の仕事での身体の疲れの程度が「とても疲れる」との回答が増えていることがわかります。片道2時間以上の通勤では35.4%がとても疲れると答えています。
年齢・性別、業種や勤務時間など、他の要因(交絡因子)に配慮しなければ、通勤時間が疲労と関係あるのかどうか、わかりません。
そもそも横断調査ですから、相互の因果関係については何もいえませんが、通勤時間と疲労度には関連も示唆される、といったところでしょうか。
ついでに、すべての通勤時間において、とても疲れる、やや疲れると回答しているのは7割を超えています。みなさん、疲れていますね。
通勤時間が長いと心血管疾患が多いのか、などについて知りたいと思いますが・・・。そのような研究はあるのでしょうか?
通勤時間が長いと疲れやすくなりますか?
- 通勤時間が長いほど、仕事がとても疲れると回答する人が多い。
- 通勤時間が疲労と直接関係しているかどうかについては、今後の検討が待たれる。