インフルエンザシーズン突入
感染症は風しん、百日咳の流行で持ちきりの東京ですが、これからインフルエンザ 2018-2019シーズンへ突入します。
予防接種はお済でしょうか? 流行状況には十分注意したいと思います。
東京都の流行情報はこちらをどうぞ。
周知されていない2009年の事務連絡
さて、インフルエンザの治癒証明書については、昨シーズンから繰り返し取り上げてきました*1。
インフルエンザの治癒証明は不要 - 地域医療日誌
- インフルエンザは自然に治る病気であるにも関わらず、学校から求められる治癒証明書のため再診を余儀なくされている。
- 2009年に厚生労働省、文部科学省はインフルエンザの治癒証明に意義はなく、求めないように事務連絡を行っている。
- 治癒証明書を求めないことを周知し、それに代わる診断書のひな形を提示している自治体もある。
2009年にインフルエンザの治癒証明書を求めないよう、文部科学省、厚生労働省から事務連絡も出されていますが、十分に周知されておらず、まったく守られていませんでした。
流行期には治癒証明書のための受診も多く、医療機関はさらに混雑します。
あらためてQ&Aで周知
今シーズンから、インフルエンザの治癒証明書の発行をお断りしようかと思っていたところ、厚生労働省から周知されるとの報道がありました。
厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ) |厚生労働省」の「インフルエンザ Q&A」に追記されると報道されています。(記事公開時点ではまだ反映されていません。)
Q インフルエンザにり患した従業員が復帰する際に、職場には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
A 診断や治癒の判断は、診察に当たった医師が身体症状や検査結果等を総合して医学的知見に基づいて行うものです。インフルエンザの陰性を証明することが一般的に困難であることや、患者の治療にあたる医療機関に過剰な負担をかける可能性があることから、職場が従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくありません。
(2018年9月27日 第26回厚生科学審議会感染症部会報告資料)
職場は治癒証明書を求めてはいけません。今年はしっかりと説明しながら、周知徹底していきたいと思います。
かわりに経過報告用紙も活用
沖縄県では、治癒証明書にかわる書式(経過報告様式)を公開しています。こちらも参考にしたいと思います。
連載「かぜの研究」ではインフルエンザ診療をとりあげました
さて、今シーズン話題になりそうなインフルエンザのトピックは「地域医療ジャーナル」の連載「かぜの研究」2018年11月号 インフルエンザ診療で医療機関の姿勢がよくわかる / 地域医療ジャーナル に書いてみました。
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