本の紹介です。
ぼくも少しだけ関わっておりますので、宣伝という形になります。
興味ある方は、ぜひともクリックを(笑)。
初版 日本プライマリ・ケア連合学会基本研修ハンドブック が出版されたのは2012年。この本の前身は プライマリ・ケア医の一日―日本プライマリ・ケア学会基本研修ハンドブック、3つの関連学会が併合する前の日本プライマリ・ケア学会が編集した、2004年の出版になります。
初版を製作した当時、学会が併合されて家庭医療後期研修制度はどのようになっていくのか、まだはっきりしない時期でした。不安の中での出版だったと記憶しています。
そして、5年経過した今、いまだに総合診療専門医制度のゆくえが見えず、混乱の中での出版となりました。
研修制度がどのようになるといえども、根幹となる基本研修は同じである、と考えたいところです。
しかしながら、「家庭医に関する懇談会」*1 から30年が経過しても、いまだ家庭医機能についてはどうも専門家の意見の一致をみないようです。
まあ、そんなことはどうでもいいことです。
制度や専門がどうであれ、質の高い医療を模索しながら、日々診療しなければならないからです。
日本プライマリ・ケア連合学会理事長 丸山泉さんが、巻頭の「刊行によせて」でこのように書かれています。
迷い、悩み、呻吟する日々があろうが、確かな手ごたえは、本書で学んだものを実践する臨床の現場にある。むしろ、臨床の現場にしかないものである。私たちが信じる未来はそこにあるのだ。
本に書かれていることは、すでにわかりきったことです。臨床の現場でおこっていることは、本に書かれていないことです。
この本を通して、「大事なことは本には書いていない、それをどう学ぶのか、学びとってもらうのかが重要なのだ」ということがうまく伝わることを願ってやみません。
新年度が始まっています。ちゃんと未来の医師 *2 を育てていきたい、そして自分も一人前の医師として育っていきたいと思います。
本を手にして、初心を思い出しています。みなさんも、ぜひお買い忘れなく。
*1:当時の状況は、医療大転換:日本のプライマリ・ケア革命 (ちくま新書) の第5章に触れられています。
*2:「総合診療専門医」ではなく!