地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

ハチミツという甘い処方箋

質問

 ハチミツって処方できるんですか?

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咳にハチミツは有効

 小児の咳にハチミツが効果があることが、いくつかの研究から明らかになっています。(主に2歳以上。1歳未満には乳児ボツリヌス症 *1 の危険があるため与えないこと。)

 ツイッターから引用してみます。

 

 詳細はそれぞれのリンク先をご参照ください。(といってもいずれも有料会員限定サービスとなっておりますが。)

 あらためて検索してみると、おそらく「地域医療ジャーナル」でご紹介した、こちらのコクラン・メタ分析 *2 が、まだ最新のようです。

 

 このメタ分析の内容の詳細については、あらためて地域医療ジャーナル 2017年1月号(2016年12月末発行)の連載「かぜの研究」でも取りあげる予定です。

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薬としてのハチミツ

 それでは、薬としてハチミツを使うにはどうしたらよいのでしょうか。「市販のハチミツをスーパーで買って帰ってください」ということになるのでしょうか。

 薬を検索してみると、ハチミツがいくつも掲載されていました。

ハチミツ 製造販売元/健栄製薬株式会社
ハチミツ 製造発売元/タツミ薬品工業株式会社
ハチミツ 発売元/吉田製薬株式会社 製造販売元/小堺製薬株式会社
ハチミツ 製造販売元/日本養蜂株式会社 発売元/丸石製薬株式会社
ハチミツ 製造販売元/山善製薬株式会社
漢方製剤・丸剤 ウチダの八味丸M 製造販売元/株式会社ウチダ和漢薬 

 

 薬効分類名を見ると「矯味剤」となっています。

 効能・効果としてはこのように記載されているものが多いようです。

矯味の目的で、または丸剤の結合剤、栄養剤として調剤に用いる。 また、皮膚・粘膜の保護剤として用いる。

口唇の亀裂・あれ等に脱脂綿、ガーゼ等に浸し又は清潔な手指で患部に塗布する。その他滋養、甘味料として適量をそのまま又は適宜薄めて使用する。

 

 薬の味を調整する甘味料としての役割ですね。

 また、皮膚や口唇の亀裂にも保護剤として使えるようになっています。(こちらの効果については今後、追跡調査をぜひ行いたいと思います。)

 

 残念ながら、ハチミツは単独で薬効を期待するものではない、という位置づけとなっていますが、医療用医薬品には含まれていることがわかりました。

 

 実際の研究ではどのように使われているのか、さらに調べてみたいと思います。

 

 つづきはこちら。(全文閲覧には読者登録が必要)

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*1:ボツリヌス症とは

*2:Oduwole O, Meremikwu MM, Oyo-Ita A, Udoh EE. Honey for acute cough in children. Cochrane Database Syst Rev. 2014 Dec 23;(12):CD007094. doi: 10.1002/14651858.CD007094.pub4. Review. PubMed PMID: 25536086.

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