音楽のチカラ シリーズ、さらにつづきます。
今回は睡眠障害に対する効果についてです。
音楽を聞くことは眠り薬として広く使われているようですが、その効果ははっきりしていなかったようです。
音楽があると眠れない、という人もいるかもしれません。
そこで、メタ分析で検討されています。
メタ分析(Jespersen, 2015年) *1
研究の概要
不眠と診断された成人が音楽を聞くと、音楽なしまたは通常の治療に比べて睡眠の質、潜時、睡眠時間などが改善するのか、を検討したランダム化比較試験または準ランダム化比較試験のメタ分析。
主な結果
6のランダム化比較試験(314人)が採用。音楽の介入は25-60分間の記録された音源を毎日、3日から5週間の効果を検討している。
睡眠の質をPittsburgh Sleep Quality Index (PSQI)*2 で検討した5研究(264人)によると、治療なしまたは通常ケアに比べて音楽介入群ではPSQIの平均差が-2.8(95%信頼区間 -3.42, -2.17)と改善がみられた。
有害事象がみられた研究はなかった。
音楽は効果がありそう
睡眠の質については、21点満点のスコアで2.8点の差がついています。かなりいい結果ではないでしょうか。
睡眠時間などについては、複数の研究がなくメタ分析がなされていませんでした。
それほど害のある治療ではないでしょうから、ぜひとも不眠の人は試したい方法でしょう。
つづく