音楽と医療の対話
ぼくがずっと考えてきたテーマ「医療✕音楽」を正面から取り扱った本。偶然、書店の特設コーナーで見つけました。
ちょっと興奮しています。書店のセレクションに感謝!
音楽家と医師の対談本なのですが、まあ、なんというか、循環器内科医師の稲葉さん、ぼくの考えていたことと発言がかなり近いですね。
さらに、幼少期の体験や無人島に持っていきたい本まで同じという奇遇。
同じことを考えている医者もいるんだ、とうれしさと驚きの連続でした。
きっと、ぼくのブログをよく読んでいただいている読者のみなさんには、本を手にしていただくと、「あ、そうだね」と伝わると思います。
ぼくの能力のせいでコトバにしにくかった部分を、ちゃんとコトバに落とし込んで論理的に説明してくれています。
音楽は耳で聴く?
音楽は耳で聴くものだと思いこんでしまっていますが、それは録音技術が生み出されてからの変化だ、と。
なるほど。
音楽を耳ではなく体全体で受け取るような場を、取り戻していかなければならないのかもしれません。
多様性と調和
耳と体の関係と同じように、部分に分けて考えてしまう習慣(教育効果?)はなかなか抜けなくなっています。ばらばらにすることが目的となってしまい、分解したものを統合するという操作を忘れてしまったかのようです。
著者らは多様性と調和、という表現で医療にもあてはまると述べています。
多様性を重視して専門分化に熱中するあまり、ペアになっているはずの調和がすっぽりと抜け落ちています。
先日の記事 地域医療というコトバの曖昧さに意味があったのだ - 地域医療日誌 も同じことですね。
専門分化だけに熱中すると、おそらくろくな事はないはずです。
音楽と医療の境界はあいまい
音楽は音の集合だ、という先入観を捨てると、開けてくるものがあります。
「音が出ていなくてもいい」というコトバには、はっとさせられました。
振動、コトバ、自然、現象。
音楽の延長線上にあるものは、音という狭い範疇のものではなく、もっと広い視点からとらえてもよかったのです。
音楽と医療に大きな違いはないのかもしれません。
何か大きなヒントをもらったような気がしています。ぜひとも、これから新しい医療のカタチを模索していきたいものです。