疑問を忘れないようにするために
毎日経験したことを記録し、思い出し、ふりかえる作業は、臨床医にとってとても大事な仕事だと感じています。
しかし、目の前に現れては通り過ぎて行く疑問の数々。
やるべき仕事を思い出して片付けていくのが精一杯で、後でふりかえってみても何を疑問に思ったのかよく思い出せないばかりか、疑問に思ったことさえも忘れてしまっている、ということは少なくありません。(それでも、いつかは思い出しているのですが・・・。)
その場で臨床上の疑問をメモしていくには、どのような方法がよいのか。いろいろ試しながら、徐々にいいやり方を見出していました。
それも、働く場所によってやり方は違ってきています。ある病院では良かったやり方が、他の病院ではうまくいかない、ということもあります。
外来でじっと動かない場合と、病院内を縦横無尽に移動する場合とでは、持ち歩けるものも違います。
手元に調べられる資料があるか、インターネットがすぐ使える環境にあるか、によっても決定的に違ってきます。
調べられる時間があれば、その場で調べてしまうこともできます。その場で解決できれば、疑問としてメモする必要が少なくなるでしょう。
今はこちらを持ち歩いてみています。立ったままでもメモしやすく、丈夫です。

- 出版社/メーカー: コクヨ
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みなさんはどのように記録していますか?
手帳というふりかえりツール
2005年頃から、ふりかえりツールにシステム手帳「フランクリン・プランナー」を活用してきました。
昨年亡くなられた、スティーブン・コヴィーさんが提唱する「7つの習慣」を実践するために開発された手帳です。

- 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームススキナー,川西茂
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 1996/12/25
- メディア: 単行本
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価値観・ミッションから目標設定するという手順は「アウトカム基盤型」の考えにもうまくフィットし、違和感なく使えていました。
2008年頃には、ストレスフリーの仕事術「GTD(Getting Things Done)」を取り入れてカスタマイズし、ふりかえりツールとして使ってきました。ブログ記事にしていました。
フランクリンプランナーとGTDの融合 | 地域医療日誌 by COMET
当時は、同じことを考えていた人のブログをいくつか見つけてリンクしましたが、あれから5年。このやり方をつづけている人はいないようでした。
時代の流れは早いものです。
デジタルかアナログか
その後はスマートフォンの普及とともに、システム手帳を使う人は少なくなっていったように思います。
個人的にはふりかえりツールとしてのデジタルはなじめず、断念。アナログ方式に流れていきました。
ということで、最近まではyPadを活用してきました。

- 作者: 寄藤文平
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/10/19
- メディア: 単行本
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いまだに、手書きはふりかえりと相性がよいのではないかと思っています。
再び、フランクリンへ
そして再び、フランクリン・プランナーに戻ってきました。しまってあったシステム手帳を引っ張りだしてきました。持ち歩くのにはやや重いですが。
これまで使った他のツールでは、なかなかふりかえりが習慣化しなくなる欠点があると感じます。
目標がやや視界不良となりつつあったところ、ここで原点回帰、初心を取り戻したいと思います。
どのように記録し、ふりかえりますか?
- 経験したことを記録し、思い出し、ふりかえる作業は大事な仕事。
- 疑問は忘れる前にその場でメモする。
- 手書きはふりかえりと相性がよい。
- フランクリン・プランナーをまた活用してみたい。