地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

なぜ今、認知症に音楽なのか?

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薬物治療の限界

 アルツハイマー病に対する従来の薬は、効果(いわゆる認知機能の改善効果のことです)が案外小さいことがわかっています。

 さらに、次々に開発されてきた新薬は、期待された効果がみられず、開発中止になるものも。

 認知症を根治する「夢の薬」は、まだ夢のなか。

 今のところ、薬物療法には限界があり、過度の期待は禁物です。

www.bycomet.tokyo

 

答えは薬ではなかったかもしれない

 それでは、薬に頼らない方法、非薬物療法はどうでしょう。案外いい結果になっているものもあります。

 テクノロジーの開発とともに、新しい方法がこれからも期待できるかもしれません。むしろ、こちらにはちょっと期待しています。

 

現場からケアを転換しよう

 負担と副作用が隣り合わせの薬物治療から、楽しく寄り添うケアへ転換しよう。

 そのひとつの可能性に、音楽の活用があるかもしれない。

 そんな思いから、イベントを企画しました。

peatix.com

 プレスリリースはこちら。

音楽で高齢者のケアを変えられるか? 音楽による認知症ケアを描いたドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』の上映イベントを、都立多摩図書館で11月18日開催 - 地域医療ジャーナルのプレスリリース

 

 第二弾企画も2019年1月20日に開催決定しています!

パーソナルソング 医療・介護をつなぐ音楽 | Peatix

 

医療が直面する転機

 薬物治療から楽しく寄り添うケアへ。これは認知症に限らず、高齢者の病気全般にもあてはまることだと思っています。

 科学的根拠に忠実になればなるほど、医療の効果は限られていることが明らかになってきます。ぼくらが医療に期待しすぎていたのかもしれません。

 医療という単純な解決策では、複雑な問題にも対応しにくくなっているのです。

 そう、医療が転機を迎えているのでしょう。

 

新しいやり方で編み出そう

 医療に依存しすぎないケアへ。新しいコミュニティから医療を変える挑戦がはじまっています。

 地域医療編集室では、医療にやさしさとあたたかさを取り戻すために、活動をはじめたばかりです。

camp-fire.jp

 腰を据えて、じっくりと取り組んでいきたいと思います。

 

 ぼくの拠点となるクリニックでも、新しい医療の姿を立ち上げていきたいと思います。診療基盤があることと「しがらみ」がないことは、大きなアドバンテージとなるでしょう。

 一歩ずつ前へ進めていきたいと思います。

 これからもどうぞよろしくお願いします。

 

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