地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

もっと書きたいこと、その先の日誌へ

 

読者登録すると年12回思索が深まります

 ウェブマガジン「地域医療ジャーナル」の発行責任者をしています。毎月、記者のみなさんの並々ならぬ情熱を感じながら、編集作業をしています。

 おかげさまで、好評配信中です。

 

 このたび、2016年07月号を発行しました。ぜひ読者登録の上、ご覧ください。

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 読者登録すると、きっと年12回、思索が深められることでしょう。目の前の瑣末な日常から、ちょっと距離を置いてみませんか。

 

タイトルについて

 毎月「地域医療ジャーナル」のタイトルはあらかじめぼんやりと構想してはいるのですが、記者のみなさんの記事原稿に触発されて、集まった段階で考え直しています。

 

 今回は、spitzibara記者のこちらの注目記事に刺激されています。

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 ぜひご一読いただきたいです。全文閲覧には読者登録が必要となっております。

 

EBMの思考停止

 エビデンスに拘泥しているのは、思考停止ではないか。

 医療行為自体が思考停止に陥っていると日頃から感じていますので、科学的に医療を実践しようなどという行動は、思考停止の最たるものなのかもしれません。

 そうならないように実践していますが、と思っていたところで、まあある意味図星でしょう。

 自己否定のようですが、エビデンスに基づく医療で予後が改善しうる、というエビデンスはなく、まさしく幻想なのかもしれません。

 

 料理本に例えて批判されることがありますが、エビデンスに従っていればいい医療ができる、という単純なものではありません。

 人と人とのせめぎあい。異文化交流や衝突。わかりあえないものを、どう妥協していくか。

 臨床現場はいろいろなものの堆積物です。

 

 それでは、どうすればいいのか?

 そこを考えていくことが「地域医療ジャーナル」の役割のひとつであり、このブログの主要テーマでもあると思っています。

  しかし、まだまだそういった境地には達することができていません。

 

リアルをどう伝えるのか

 リアルなもの、特に医療現場のリアルをどう伝えるか、についてはこれまで少し考えてきました。

 個別の臨床上の問題について、エビデンスとして一般化して伝えることは、実は気楽なことだったりします。すでに公表された科学的事実をなぞらえるだけで、個別の情報(プライバシーや個人情報と言ったほうがわかるかもしれませんが)を晒してしまうリスクを極力避けられるからです。

 

 個別の情報を守ること、ここは臨床医としては守りたいところです。

 しかし、個別の問題を隠蔽しすぎると、個別の問題そのものに関する議論や情報収集がしにくくなるという、大きなデメリットが発生します。

 

 個別の情報を一般化しながらも、核心部分を伝えるにはどうしたらよいか? 垣根をこえていくには、どんな打開策があるのか?

 ここが今のところ、大きなカベとなっています。

 

 もっと混沌とした、リアルなものを取り扱うにはどうしたらよいか。

 どなたか、いいアイディアがあったら、ぜひおしえてください。

 

読者投稿募集中

 最後におしらせを。

 地域医療ジャーナルでは、秋の特別企画「医療は人を癒せるのか?」(2016年10月発行予定)の読者投稿(エッセイまたは論説文)を募集中です。どしどしご応募ください。

 募集要件はこちらをごらんください。

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