地域医療日誌

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オスグッド病のエコー所見はどのようになりますか?

 
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質問

 Osgood-Schlatter病は超音波検査で診断できますか?

 

 今回は診断カテゴリーについて。

 下腿前面の痛みがみられるようになった小児。Osgood-Schlatter病が疑われましたが、超音波検査所見は診断に有用なのでしょうか?

 

臨床診断が基本

 UpToDate *1 には、このような記載があります。

The diagnosis of Osgood-Schlatter disease is made by clinical examination. Radiographs are not necessary unless the patient has atypical complaints (pain at night, pain that is unrelated to activity, acute onset of pain, associated systemic complaints) or pain that is not directly over the tibial tubercle.

 

 身体診察などから診断を行い、レントゲンは必須でない、と記載されています。超音波検査については触れられていませんでした。

 

まだ文献は少ない

 PubMedを調べてみました。おなじみのPMCQ(PubMed Clinical Queries)で検索してみると、"Osgood Schlatter Ultrasonography"、Diagnosis/Broadにて12件がヒットしました。

 

 そのうち、めぼしい文献がいくつかありましたので、確認しておきましょう。

 

症例報告(Vreju, 2010) *2

報告の概要

 膝関節の超音波縦走査では脛骨粗面の小隆起が観察され、骨化中心と膝蓋腱との間の軟骨肥厚骨化中心の剥離像(delamination)がみられる。 *3

 

 この段階ではまだ症例提示のレベルです。論文には比較的わかりやすい超音波画像がついています。所見の分類や感度特異度の記載はもちろんありません。

 

総説(Suzue, 2015) *4

報告の概要

 Czyrnyは超音波所見を3つに分類した。

Type 1 骨化中心の剥離像

Type 2 脛骨粗面の骨端部の骨折や剥離像

Type 3 脛骨粗面の不整な変形像

 また、脛骨粗面中心の血管新生による血流量増加がカラードップラーで確認されることがある。

 

 こちらで引用されていたCzyrnyの文献 *5 を確認してみました。

 タイトルがエッセイとなっていましたが、症例集積のような形式の報告となっています。3つの分類について、詳細な説明と豊富な超音波画像で解説されています。

 

 オスグッド病も超音波診断ができるような情報が少しずつ揃ってきているようです。検査特性の検討はこれから、といったところでしょう。

 

 整形外科領域の超音波診断は今後さらに発展しそうな分野です。

治療 2015年 05 月号 [雑誌]

治療 2015年 05 月号 [雑誌]

 

 

 こちらの雑誌の特集ではオスグッドがとりあげられていたかどうかわかりませんが、人気だったのか書籍化される予定のようです。内容に期待したいところです。

 

*1:Andrew J Kienstra AJ, Macias CG. Osgood-Schlatter disease (tibial tuberosity avulsion). In: UpToDate, Post, TW (Ed), UpToDate, Waltham, MA, 2015.

*2:Vreju F, Ciurea P, Rosu A. Osgood-Schlatter disease--ultrasonographic diagnostic. Med Ultrason. 2010 Dec;12(4):336-9. PubMed PMID: 21210020.

*3:超音波像についての引用文献

Blankstein A, Cohen I, Heim M, et al. Ultrasonography as a diagnostic modality in Osgood-Schlatter disease. A clinical study and review of the literature. Arch Orthop Trauma Surg 2001; 121: 536–539.

De Flaviis L, Nessi R, Scaglione P, Balconi G, Albisetti W, Derchi LE. Ultrasonic diagnosis of Osgood- Schlatter and Sinding-Larsen- Johansson diseases of the knee. Skeletal Radiol 1989: 18: 193–197.

Lanning P, Heikkinen E. Ultrasonic features of the Osgood‑Schlatter lesion. J Pediatr Orthop 1991; 11: 538– 540.

*4:Suzue N, Matsuura T, Iwame T, Higashino K, Sakai T, Hamada D, Goto T, Takata Y, Nishisho T, Goda Y, Tsutsui T, Tonogai I, Miyagi R, Abe M, Morimoto M, Mineta K, Kimura T, Nitta A, Higuchi T, Hama S, C Jha S, Takahashi R, Fukuta S, Sairyo K. State-of-the-art ultrasonographic findings in lower extremity sports injuries. J Med Invest. 2015;62(3-4):109-13. doi: 10.2152/jmi.62.109. PubMed PMID: 26399331.

*5:Czyrny Z. Osgood-Schlatter disease in ultrasound diagnostics--a pictorial essay. Med Ultrason. 2010 Dec;12(4):323-35. PubMed PMID: 21210019.

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