地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

4. 医療の負の側面に関すること

診療所も変わった

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって、社会全体が大きく変革しようとしています。ひとつの時代が通り過ぎたようです。 医療の姿も大きく変貌しました。ここでは、診療所における診療の変化について、書いておきたいと思います。

健康診断にはやはり効果がなかった

病気は早期発見、早期治療したほうがいいー健康診断の根拠としても、日本で長らく親しまれてきたこのスローガンは正しくなかったことが、最近の科学的検証によってあらためて明らかになっています。

なぜ今、認知症に音楽なのか?

薬物治療から楽しく寄り添うケアへ。

インフルエンザの治癒証明書は求めないで

職場が従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくありません。

緊急対策でも年間1万2千人、これでは風疹対策はうまくいかない

予防接種促進事業(先天性風しん症候群対策分)で、風しん含有ワクチン被接種者数はたったの年間約1万2千人。2014-2016年までの3年間で合計約3万6千人だったのです。まさしく焼け石に水です。

風疹ワクチンは成人全員を対象に

エビデンスが示すことは、抗体価をはかることでも、小児や妊娠可能女性に限定した対策でもありません。全員を対象としたワクチン接種です。

ワクチンで自閉症はおこりやすくなりますか?

今のところワクチンでASD発症が多くなることはなかった、ということになります。

中高年の日本人、BMI 21-30 の死亡リスクは低い

中高年の日本人では男性BMI 23-30、女性BMI 21-27における総死亡の統計学的有意差がみられず、低リスクとなっていた。

論理より事実

糖尿病の方、がん・がん検診に関心のある方、終末期医療に関心のある方におすすめします。具体的なエビデンスが紹介されています。

マグネシウム、量が多すぎませんか?

高マグネシウム血症について

血圧低いほうが総死亡1.5倍に

収縮期血圧が120mmHg未満と、よく血圧が下がっている施設高齢者では総死亡が1.56倍多い、という結果です。

医療の外側につながるコトバを

医療者ではない人へ向けた文章を書くのなら、外部とつながるコトバで伝えていく必要があります。

電子カルテには指示されたくない?

地域医療ジャーナル 2018年4月号の連載記事「かぜに抗菌薬」は本当になくせるのか? のつづきを書いてみました。

インフルエンザの治癒証明は不要

2009年に厚生労働省、文部科学省はインフルエンザの治癒証明に意義はなく、求めないように事務連絡を行っています。

鎮痛剤で心筋梗塞が19%多くなる

鎮痛剤で心筋梗塞が19%多くなるという、観察研究のメタ分析があります。

交換から贈与へ

医療や介護サービスも「交換モード」の傾向が強くなったために、癒し手が不在になりつつあるのかもしれません。

医療の怖さは目に見えない

ベイズの定理でインフルエンザの診断を考える - 地域医療日誌 のつづきです。 流行状況は主観? メタ分析では感度62% メタ分析(Chartrand, 2012年) *1 感度54%というメタ分析も メタ分析(Merckx, 2017年) *2 ここまでのおさらいです。 診断は確率である…

ベイズの定理でインフルエンザの診断を考える

記事再編 2020-8-11 ひたすら繰り返すインフルエンザの説明 お粗末な診断スタイル 診断は確率 ベイズの定理でインフルエンザを考える 検査の感度・特異度 流行状況は主観? メタ分析では感度62% メタ分析(Chartrand, 2012年) *3 感度54%というメタ分析も …

がんとともに生きるAYA世代

AYA世代のがん対策 音楽療法士めざして猛練習 朝日新聞に「がんとともに AYA世代」という連載がはじまっています。 AYAとは Adolescent and Young Adult の略で、15歳から40歳未満の思春期・若年成人の世代のことを指します。 AYA世代のがん対策 以前、AYA世…

膵がんの検査はしたほうがよいですか?

質問 膵がんの検査はしたほうがよいですか? 最新の検査をすればわかるという誤解 膵がん検診はすべきではない ガイドライン(U.S. Preventive Services Task Force, 2005年) *1 どんな人が検査すべきか レビュー(UpToDate, 2017年) *2 家族性膵がんとは …

まだやるんですか?

効果がないなら増やしてみたら? ランダム化比較試験(Farlow, 2010年) *1 2.2点の改善 エーザイが資金源 アリセプト(一般名ドネペジル)をはじめとした「コリンエステラーゼ阻害薬」は、認知症にあまり大きな効果が期待できなかったことが判明したことは…

スポンサーの意向は研究結果に反映される(助成金バイアス)

新薬から患者予測急増までのシナリオ メタ分析(Killin, 2014年) *1 資金提供群で効果が大きい傾向 助成金バイアス 認知症の話題、もう少しつづきます。 新薬から患者予測急増までのシナリオ アリセプト(ドネペジル)の発売で認知症が多くなったのではない…

新専門医制度は誰のためにあるのか?

過去の記事 地域医療に影響を与える懸念とは? - 地域医療日誌 の追跡記事です。 新専門医制度がスタート 学会のための専門医制度に対する批判 論評(Nago, 2017) *2 論評(Iwata, 2017) *3 本文と写真は直接関係ありません 新専門医制度がスタート 2018年…

認知症は本当に増えているのか?

認知症は高齢者の15%? - 地域医療日誌 につづきます。 フラミンガムから コホート研究(Satizabal, 2016年) *1 年齢調整では認知症は少なくなっていた フラミンガムから 米国の有名なコホート研究 Framingham Heart Study(1948年から調査が開始され、現在…

あさがくるまえに

鮮やかな風景とストーリーが対照的 秦 基博/朝が来る前に-Avant l’aube- (Réparer les vivants Ver.) 映画『あさがくるまえに』オフィシャルイメージソング 2017年9月から日本で公開されているフランス映画「あさがくるまえに」のご紹介です。 2003年にフ…

認知症は高齢者の15%?

認知症は3秒に1人が発症 認知症高齢者は462万人 認知症は15%もいるのか? 過去の疫学調査では4-11% 厚労省の横断調査結果から 厳格に評価すれば認知症は多くなる 認知症は3秒に1人が発症 9月21日は「世界アルツハイマーデー」でした。認知症に関する…

メトトレキサートに葉酸補充は必要?

胃腸症状が少ない メタ分析(Shea, 2013年) *1 葉酸の投与方法は 関節リウマチなどに処方されるリウマトレックス(メトトレキサート)にあわせて、葉酸が処方されることがあります。 副作用軽減のため、とのことですが、どの程度の効果があるのでしょうか。…

高齢者の薬をどのように中止するか、ガイドラインに

高齢者の高血圧ガイドライン 介護施設入所者や終末期 減薬の基準 ポリファーマシー 高齢者の高血圧ガイドライン 日本老年医学会から、高齢者の高血圧診療ガイドラインが公開されています。 こちらからpdfを閲覧できます。 「高齢者高血圧診療ガイドライン201…

PPIで総死亡がふえる?

コホート研究(Xie, 2017年) *1 PPIで総死亡が25%多い PPI投与期間が長いと総死亡多い 原因はまだわかっていない 逆流性食道炎や消化性潰瘍でよく使われている、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に関するネガティブデータが徐々に出てきています。 最近、BMJ Op…

医療法一部改正―広告規制の見直し

医療法の一部改正 ホームページの規制が追加された 医療法の一部改正 2017年6月14日、「医療法等の一部を改正する法律」が厚生労働省医政局長から公布されました。そのなかに「医療に関する広告規制の見直しに関する事項」が含まれていますので、取り上げて…

 Copyright © 2003, 2007-2021 地域医療ジャーナル