痛風発作をおこした際には、コルヒチンや鎮痛剤、アロプリノールなどの高尿酸血症治療薬が使われることが多いのではないでしょうか。
さらに急性発作がおさまってからの再発予防としても、コルヒチンが使用されることがあります。
その効果はどれほどでしょうか。調べてみました。
コルヒチンによる予防
2004年に小規模のランダム化比較試験が発表されています。確認してみましょう。
ランダム化比較試験(Borstad, 2004年)*1
P▶ アロプリノール(尿酸値目標<6.5mg/dL)で治療を開始した慢性痛風患者(年3回以上の発作や痛風結節があるなど*2)に
E▶ コルヒチン 0.6mgを1日2回投与すると(21人)
C▶ プラセボ投与に比べて(22人)
O▶ 痛風発作は少ないか
T▶ 予防、ランダム化比較試験《結果》★★★ *3
二重盲検、ITT解析なし。脱落 E群 3人、C群 4人。
追跡期間 5.2か月。
痛風発作 77回:E群 12回(33%)、C群 65回(77%)
相対危険 0.43
結果を樹形図にしてみました。コルヒチン群ではかなり再発が少なくなっている印象です。
この研究では小規模のわりにやや脱落が多くなっていることと、痛風結節があるような慢性患者で発作が頻繁におこる人が対象となっていることに、注意が必要です。
腎機能に注意しながら、痛風発作予防の選択肢として考えておきたいところです。
痛風発作予防にコルヒチン長期投与は?
- 慢性痛風患者を対象とした小規模ランダム化比較試験では、6か月のコルヒチン投与で痛風発作再発が少ない。
- 発作が頻繁におこる人には選択肢のひとつとして考えておきたい。
*1:Borstad GC, Bryant LR, Abel MP, Scroggie DA, Harris MD, Alloway JA. Colchicine for prophylaxis of acute flares when initiating allopurinol for chronic gouty arthritis. J Rheumatol. 2004 Dec;31(12):2429-32. PubMed PMID: 15570646.
*2:Subjects with crystal-proven gouty arthritis were chosen based on accepted criteria for allopurinol administration: presence of tophi, uric acid overproduction, frequent attacks of gout (≥ 3 attacks/year), elevated serum urate in the setting of chronic renal insufficiency (CRI), and nephrolithiasis.
*3:研究デザインの質を★☆☆低~★★★高の3段階で評価