地域医療日誌

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地域医療日誌

変化しつづける地域でともに悩み、考える医療

歯周病があると心臓病になりやすいですか?

2. 予防についての疑問
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歯周炎と冠動脈疾患 

 さらに歯周病の話題がつづきます。

 せっかく歯周病の話題ですから、歯周炎と心血管疾患の関係について、確認しておきたいと思います。

コホート研究(Dietrich, 2008年) *1

研究の概要

 健康なボランティア男性1,203人のうち慢性歯周炎があると、ないひとに比べて冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症および冠動脈疾患による死亡)が多くなるか、を検討した予後についてのコホート研究。

 対象者は3年に1回、包括的口腔内評価(レントゲンやプロービング)を行った。

 

主な結果

 追跡期間の中央値は24年。364人 (30%) が冠動脈疾患を発症、そのうち109人が冠動脈疾患死亡であった。

 60歳未満と60歳以上での結果は以下のとおり。

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(原文の表を一部抜粋して再構成した)

 

 表のMBLSはmean bone loss score、CPDはcumulative probing depthです。

 60歳未満では、歯槽骨の消失や歯周ポケットの深さのいずれについても、歯周炎がひどくなると冠動脈疾患が多くなる傾向がみられています。

 プロービングによる歯周ポケットの深さの累計40mm以上では、冠動脈疾患は1.94倍となっています。

 60歳以上では60歳未満に比べて歯周炎の影響はやや小さくなるようです。

 

 著者らは、これまでの先行研究ではプロービングがなされていないなど、歯周炎の評価が不明確であったと指摘しています  *2

 そこで本研究では慢性歯周炎の定義を定め、しっかりと口腔内評価をしているという点が特徴となっているわけです。

 

 やはり歯の健康と体の病気は深く関わっているようです。さらなる機序の解明や予防策などについては、今後の研究に期待したいと思います。

 

*1:Dietrich T, Jimenez M, Krall Kaye EA, Vokonas PS, Garcia RI. Age-dependent associations between chronic periodontitis/edentulism and risk of coronary heart disease. Circulation. 2008 Apr 1;117(13):1668-74. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.107.711507. Epub 2008 Mar 24. PubMed PMID: 18362228; PubMed Central PMCID: PMC2582144.

*2:These inconsistencies have led to concerns and uncertainties regarding the validity of the periodontitis – CHD association and its strength. Such concerns include residual confounding by smoking 5 and potential misclassification of periodontitis in studies not employing periodontal probing for assessment of periodontitis

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