どのように死を迎えるか、ということは、とても重要な問題です。
治癒が期待できる病気では、どのような治療を選択するかが重要であることは言うまでもありませんが、終末期であっても、どのような治療(主に緩和医療が中心となります)を選択するかはやはり重要な問題です。
セデーション *1 は終末期治療での選択肢のひとつです。
その効果はどの程度あるのでしょうか。調べてみました。
システマティックレビュー(Beller, 2015年) *2
2015年にシステマティックレビューがひとつ発表されています。
研究の概要
終末期を迎えた成人に緩和医療としてセデーションをおこpナウと、セデーションなしに比べて生活の質や幸福度は高くなるかを検討した、治療に関するシステマティックレビュー。
主な結果
採用基準を満たした14研究はすべてケースシリーズで、ランダム化比較試験はなかった。その研究のほとんどが病院やホスピスで実施された研究で、1次アウトカムである生活の質や幸福度を検討した研究はなかった。
2次アウトカムのうち、生存期間についてはほとんどの研究で両群に有意差はなかった。
なお、セデーションで使用されている薬剤はミダゾラム、ハロペリドール、クロルプロマジン、ロラゼパム、プロポフォール、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗精神病薬など多様である。
セデーションをしたほうが幸せな終末期を過ごせるかどうかについては、科学的にはまだ検証されていない、というのが現状です。
かといって、ランダム化比較試験を行なって検証することは、現実的には難しいでしょう。今後もこの疑問について明確な結論を得ることはできないように思います。
セデーションするかどうかは個別に判断せざるを得ない、ということになりそうです。