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滲出性中耳炎には鼻ふうせん?

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なかなか有効な治療がない現状 

 小児の滲出性中耳炎はなかなか治りが悪く、有効な治療法も見いだせないのが現状です。そんな中、2015年にカナダの医学雑誌に掲載されたひとつの論文が注目されています。確認しておきましょう。

ランダム化比較試験(Williamson, 2015年) *1

研究の概要

 滲出性中耳炎の4-11歳の小児が、通常のケアに加えて1日3回の鼻ふうせんを1~3か月継続すると、通常のケアのみに比べて、ティンパノメトリーにおける正常化 *2 が多くなるのか、を検討した、治療についてのランダム化比較試験。

 

主な結果

 43の診療所にて320人の小児で検討。オープン試験であるが、アウトカムの評価者はどちらに割付られたか事前に知らずに検査を行うPROBE法で実施。

 1か月後の正常化は、鼻ふうせん群では47.3% (62/131)、通常ケア群では35.6%(47/1321)、相対危険 1.36(95%信頼区間 0.99, 1.88)と鼻ふうせん群で正常化が多い傾向がみられた。

 3か月後の正常化は、鼻ふうせん群では49.6%(62/125)、通常ケア群では38.3%(46/120)、相対危険 1.37(95%信頼区間 1.03, 1.83)と鼻ふうせん群で正常化が多かった。

 

鼻ふうせんは有効な治療法かもしれない

 やや脱落が多いランダム化比較試験となっています。脱落が組み入れられると、結果が逆転する可能性がありますので、効果は確定的なもの、とまでは言えないでしょう。

 しかし、効果がある可能性があります。そして、それほど害がある処置でもなさそうです。

 有効な手立てがないなら、だめもとで試してみる、というところでしょうか。

 

ところで、鼻ふうせんとは?

 ところで、鼻ふうせん(nasal baloon autoinflation)とはどんな方法でしょうか。

 こちらがわかりやすかったので、リンクしておきます。 


Nasal balloon autoinflation safe and effective for chronic ear infections in children

 

 なるほど。英語ですが、わかりやすい説明ですね。

 

*1:Williamson I, Vennik J, Harnden A, Voysey M, Perera R, Kelly S, Yao G, Raftery J, Mant D, Little P. Effect of nasal balloon autoinflation in children with otitis media with effusion in primary care: an open randomized controlled trial. CMAJ. 2015 Sep 22;187(13):961-9. doi: 10.1503/cmaj.141608. Epub 2015 Jul 27. PubMed PMID: 26216608; PubMed Central PMCID: PMC4577342.

*2:正常の中耳圧はティンパノグラムでタイプAまたはC1と定義

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