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副甲状腺ホルモンで骨折が少ない

3. 診断や治療についての疑問 2. 予防についての疑問
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副甲状腺ホルモンは骨折後の骨折予防になりますか? - 地域医療日誌 につづきます。

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つづきます。

テリパラチドの効果 

 副甲状腺ホルモン製剤のテリパラチドについては、2012年にメタ分析が発表されています。

メタ分析(Nakamura, 2012年) *1

研究の概要

 成人の骨粗鬆症患者にテリパラチドを使用すると、プラセボに比べて椎体骨折が少なくなるかを検討した二重盲検ランダム化比較試験のメタ分析。テリパラチドは1年以上使用したものに限定。

 

主な結果

 3つのランダム化比較試験(2,268人)の結果を統合。有意な異質性はみられなかった。椎体骨折、非椎体骨折ともに、テリパラチド群では少ない、という結果であった。

  • 椎体骨折 オッズ比 0.29(95%信頼区間 0.20, 0.43)
  • 非椎体骨折 オッズ比 0.53(95%信頼区間 0.32, 0.86)

 

 骨折の既往がある閉経後女性など、骨折リスクの高い人が対象となった研究ですが、テリパラチドは骨折予防効果がありそう、という結果でしょうか。

 

日本人の先行研究から

 このメタ分析が行われた背景には、このような記載があります。

Recently, a 12-month, phase 3, randomized, multicenter, double-blind, placebo-controlled trial with BMD as a primary endpoint was conducted to assess the effects of teriparatide in Japanese subjects at high risk of fracture *2 . Although BMD was significantly increased in the study, the study was not statistically powered to assess the anti-fracture efficacy with teriparatide treatment. Then, we asked the question whether teriparatide has consistent anti-fracture efficacy in Japanese patients compared to that observed in the global fracture trial.

 

 日本人の先行研究では、テリパラチドで骨密度は増加しましたが、骨折については有意差がみられなかったようです。

 この先行研究のタイトルにもある通り、骨密度が1次アウトカムの研究ですから骨折についてはなんとも言えませんが、症例が十分ではなかっためメタ分析で検討した、という経緯のようです。

 

さらなる検証が必要かも

 メタ分析で紹介されている3つの論文の結果(オッズ比)はこのようになっています。Cが日本人の先行研究からのデータとなります。

椎体骨折

A(Neer, 2001) 0.29(95%信頼区間 0.19, 0.44)

B(Saag, 2007) 0.09(95%信頼区間 0.01, 0.72)

C(Miyauchi, 2010) 0.60(95%信頼区間 0.16, 2.32)

非椎体骨折

A(Neer, 2001) 0.45(95%信頼区間 0.27, 0.76)

B(Saag, 2007) 1.68(95%信頼区間 0.40, 7.13)

C(Miyauchi, 2010) 0.49(95%信頼区間 0.03, 7.94)

 

 信頼区間の幅が広く研究規模も小さいということでしょう。

 また、テリパラチドの研究数もまだ少ないのでしょうか。このメタ分析の包含基準には、システマティック・レビューを行った記載がありませんので、まだ漏れている研究があるかもしれません。

 もう少し調べてみたいと思います。

 

つづく 副甲状腺ホルモンは週1でもいいですか? - 地域医療日誌

*1:Nakamura T, Tsujimoto M, Hamaya E, Sowa H, Chen P. Consistency of fracture risk reduction in Japanese and Caucasian osteoporosis patients treated with teriparatide: a meta-analysis. J Bone Miner Metab. 2012 May;30(3):321-5. doi: 10.1007/s00774-011-0313-5. Epub 2011 Sep 21. PubMed PMID: 21938382.

*2:Miyauchi A, Matsumoto T, Sugimoto T, Tsujimoto M, Warner MR, Nakamura T. Effects of teriparatide on bone mineral density and bone turnover markers in Japanese subjects with osteoporosis at high risk of fracture in a 24-month clinical study: 12-month, randomized, placebo-controlled, double-blind and 12-month open-label phases. Bone. 2010 Sep;47(3):493-502. doi: 10.1016/j.bone.2010.05.022. Epub 2010 May 24. PubMed PMID: 20580870.

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