地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

牛乳飲んでも骨折予防にならなかった

 

 こちらの過去記事につづきます。

 

 このスウェーデンのコホート研究では、牛乳摂取量が多くても骨折は少なくならない、という結果でした。

 このコホート研究では、牛乳摂取量の聴取は研究参加時に行われています。つまり、成人になってからの予防、ということになります。

 

 それでは、もっと若年から牛乳を飲むと、骨折予防になるのでしょうか。

 

ティーンエイジから

 

 ティーンエイジの牛乳摂取量との関連を検討した前向きコホート研究が発表されています。

コホート研究(Feskanich, 2014年) *1

  • P▶ コホート研究 *2 に参加した女性およびコホート研究 *3 に参加した男性について
  • E▶ 13~18歳時の牛乳摂取量が多いと
  • C▶ 13~18歳時の牛乳摂取量が少ないよりも
  • O▶ 大腿骨頚部骨折が少ないか
  • T▶ 予後、前向きコホート研究

《結果》※※

女性1226人、男性490人に大腿骨頚部骨折がみられた。既知の危険因子や現在の牛乳摂取量を調整すると、ティーンエイジでの牛乳摂取量がグラス1杯増えるごとに、大腿骨頚部骨折の相対危険は

 男性 1.09(95%信頼区間 1.01–1.17)
 女性 1.00(95%信頼区間 0.95–1.05)

 

 ティーンエイジでの牛乳摂取量がグラス1杯多くなると、男性では9%大腿骨頚部骨折が多い、という結果になっています。女性は骨折が多くなっていません。

 

 またも、若年から牛乳をたくさん飲んでも骨折予防にならない、という結果でした。 

 

牛乳飲んでも骨折予防にならなかった

  • 成人での牛乳摂取量が多くても骨折は少なくならない、というコホート研究がある。
  • ティーンエイジでの牛乳摂取量が多くても骨折が少なくならず、男性ではむしろ多くなる、というコホート研究がある。

 

*1:Feskanich D, Bischoff-Ferrari HA, Frazier AL, Willett WC. Milk consumption during teenage years and risk of hip fractures in older adults. JAMA Pediatr. 2014 Jan;168(1):54-60. doi: 10.1001/jamapediatrics.2013.3821. PubMed PMID: 24247817; PubMed Central PMCID: PMC3983667.

*2:The Nurses’ Health Study (NHS):1976年開始、30~55歳の女性看護師121,700人が参加

*3:the Health Professionals Follow-up Study (HPFS):1986年開始、40~75歳の男性医療従事者51,529人が参加

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