音楽の話題で表情が一変
音楽を通じて、本当に心を通わせることができるのだろうか?
最初は半信半疑で、在宅医療の場における音楽療法の試験的導入(音楽療法士による訪問診療同行研修)をはじめました。
ところが、初日からその威力を発揮しています。
音楽の話題になった途端、高齢者の表情が明るくなり、思い出話がはじまり、今まで家族も聞いたことのないエピソードが披露されたり。
そんな様子に涙ぐむご家族と、それにつられそうになるぼくたち医療者。
いつの日にか、と目指していたはずの医療のような気がしています。
冷酷なエビデンスの先にあるあたたかな医療
認知症、がんなどの終末期をはじめ、多くの高齢者の疾患では薬物治療の効果に限界があります。
しかし、医療ではもうやれることがありません、とさじを投げるのは早すぎます。
苦しむ人を癒やすため、まだまだやれることがあるばずです。
治療が無効であるという「冷酷なエビデンス」の向こうには、むしろつらい治療はやらなくてもいいという、人を癒やす「あたたかな医療」があります。
そう思えるだけでも、きっと、高齢者も家族も介護者も、そして医療者も、やさしい気持ちになれることでしょう。
医療者の仕事ではない?
あたたかな医療を、医療では届かなかいケアを提供したい。
そんなことは医師や医療者の仕事ではない?
いえ、やはり医師や医療者の役割は大きいはずです。ぼくらが理解し受け入れないかぎり、導入することは難しいでしょう。
医療者としての役割なんて、なくてもいいのです。効率よい仕事のための分業化なんて、ヘルスケアを商品化 *1 しているだけでしょう。そんなことは、しばし忘れましょう。
一人の癒し手として、人として、あなたは高齢者に何をしてあげられるのか、どう関わっていくのかが、今、問われているのです。
医療✖音楽
医療現場で音楽を活用する「医療✖音楽」のコラボ、さらに進めていきます。
これからの行動へ向けたキックオフとなるイベントは、近日開催予定です。
プレスリリースはこちら。
この活動拠点となるオンラインコミュニティ「地域医療編集室」では、賛同する協力者を求めています。
関心のある方は、ぜひこちらをご覧ください。