地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

エビデンスの話をしよう

 

フランスでは保険適用外に

 最近、認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害剤)がフランスで保険適用外となったことが報道されました。

 

 仏連帯・保健省は妥当な判断を下したと思います。

 さらに、ただ薬をやめるのではなく、ちゃんとケアに舵を切っているあたりはすばらしいですね。

 日本はおそらくすぐには変わらないでしょうけど、世界の動向は注視しておきたいと思います。

 

認知症治療薬のエビデンス

 アルツハイマー型認知症の治療薬については注目してきましたので、記事でも取り上げてきました。

 代表的な記事はこちら。

 

 効果が小さいことはわかっていたことです。

 時々、最新論文の検索はしているのですが、あらためてメタ分析を中心にざっくり検索してみました。(そのうちどこかにまとめたいと思っています。)

 

 結論には大きな変更はなさそうですね。論文はまたこれからゆっくり紹介していきたいと思います。

 

エビデンスの話を

 それでもいまだに、「効果がある人もいるじゃないか」という反論があります。

 そりゃああるでしょう。プラセボだって効果が出る人がいるんです。

 

 ぼくはあくまでも、薬の効果に関するエビデンスを話題にしているのであって、臨床上の効果を話題にしているのではありません。

 エビデンスを踏まえて現場でどうするのかは、個別に考えればよいのですから。

 

 まず最初にエビデンスの話をしなければ、臨床で使うかどうかの議論がはじめられませんよね。

 

*1:アルツハイマー病治療に関するエビデンスを時系列でまとめたもの。最近更新していなかったですね...そろそろやらないと...。

*2:地域医療ジャーナルの企画特集「冷酷なエビデンス」に書きました。閲覧は有料。

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