地域医療日誌

新しい医療のカタチ、考えます

5. 外からの脅威に関すること

難病の医療費はどこまで認められるのか?

難病法施行 拡大された経緯 指定難病とは 医療費の支給範囲は? 東京都福祉保健局が開催する、難病指定医の指定に係る研修を受講してきました。(写真は会場の明治大学です。) 難病法施行 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年5月30日法律第50号…

さらにググられる医療

ググられる医者 まとめ 低い評価を気にして萎縮する医者 抗菌薬出してくれない?(Sabin, 2013年) *3 レーティング利用者は少数派だった レーティングは誰のためにもならない 5つ星ドクター?(Ma, 2015年) *4 言う通りにしてくれる医者がいい医者か? 5…

それでも日本人だけは大丈夫?

低炭水化物食で死亡が多くなる 日本人のデータから コホート研究(Nakamura, 2014年) *1 女性でやや総死亡が少ない傾向? これからどうするか 低炭水化物食で死亡が多くなる 以前取り上げたテーマの追跡記事です。少し前になりますので、まずはおさらいをし…

人工甘味料でがんになる?

質問 人工甘味料でがんになるというのは本当ですか? システマティックレビュー(2015年, Mishra) *1 がん発症が多くなるかもしれない 毎日飲むと発症多い これからどうするか サッカリンやアスパルテームなどの人工甘味料が、ショ糖の代わりに広く用いられ…

それでも体重はへらしたい?

体重はへりますよね? ランダム化比較試験(Stern, 2004年) *2 さらに1.9kgもへっていた この研究の着目点 かなりの肥満が対象 脱落が多い 摂取カロリーは削減できたか? つまりこういうこと そもそもダイエットが危険ということだった 前回記事 やはり低炭…

やはり糖質制限食で総死亡が多くなっていた!

4研究のメタ分析では メタ分析(Noto, 2013年) *1 総死亡が31%多い これからどうするか? 低炭水化物食、ギリシャでも総死亡8%多い につづきます。 4研究のメタ分析では 2013年に低炭水化物食に関するメタ分析が発表されていました。日本人のグループで…

糖質制限食、ギリシャでも総死亡8%多い

地中海でも コホート研究(Trichopoulou, 2007年) *2 低炭水化物食は体にいい? につづきます。 地中海でも 次はギリシャの研究をご紹介します。 この研究は地中海食に関するコホート研究、EPIC *1 の参加者を対象に調査されています。 ちなみにこのEPIC研…

糖質制限は体にいい?

質問 糖質は少なくしたほうが体にいいんでしょうか? ダイエットしたのに? コホート研究(Lagiou, 2007年) *1 総死亡が6%多くなる ダイエットや食事療法としての糖質制限(低炭水化物食)が流行しています。手軽に実践でき、すぐに減量効果が実感されや…

低線量では白血病は多くない―日本の疫学調査から

低線量でも白血病が多いという論文には異論も - 地域医療日誌 につづきます。 日本の疫学調査 コホート研究(放射線影響協会, 2015) *1 がんは10mSv当たり1.2倍 低線量では白血病は多くない―日本の疫学調査から 日本の疫学調査 放射線影響協会ウェブサイト…

低線量でも白血病が多いという論文には異論も

血液がん論文への異論 放射線影響協会の反論 15カ国のコホート研究(Cardis, 2005年) *1 血液がんのコホート研究(Leuraud, 2015年) *2 血液がん論文への異論 過去記事 放射線は低線量でも白血病になりやすいですか? - 地域医療日誌 で紹介した論文に、公…

放射線は低線量でもがんになりやすいですか?

放射線は低線量でも白血病になりやすいですか? - 地域医療日誌 のつづき記事です。 原発作業員の大規模研究、続報 固形がんのコホート研究(Richardson, 2015年) *1 固形がん死亡も1Gyで約1.5倍 交絡が考慮されていない 放射線は低線量でもがんになりやす…

放射線は低線量でも白血病になりやすいですか?

質問 長年放射線を浴びると、がんになりやすくなりますか? 原発作業員の大規模研究 血液がんのコホート研究(Leuraud, 2015年) *2 1Gyで白血病過剰死亡が3倍 放射線は低線量でも白血病になりやすいですか? 原発作業員の大規模研究 電離放射線の低線量被…

かぜ薬、5年間で死者12人

2012年の情報ですが、季節がらかツイッターで反響が大きかったので記事にしておきます。 “総合感冒薬の12例、解熱鎮痛消炎薬の4例、漢方製剤の2例で死亡が報告。”これは問題に鳴らないのか? / “【健百】市販薬による副作用、5年で1,220件―風邪薬がトップ | …

適度な飲酒は体にいい?

アルコールと死亡の関係 「適量飲酒は体にいい」という話はよく耳にしますが、それは本当でしょうか? 適量とはどのくらいの量でしょうか? なお、このブログでは「体にいい=総死亡が少ない」という定義が前提 *1 となります。たとえば、肝機能やコレステロ…

過渡期を生きる医療者として、その後

ツイッターから 前回記事 過渡期を生きる医療者として - 地域医療日誌 を掲載した後で、関連したTwitterのつぶやきを拾ってみました。 “@bycomet: “過渡期を生きる医療者として - 地域医療日誌” http://t.co/z5QIfAsoL1” ほんとにそう思います! — ぱくぱく …

過渡期を生きる医療者として

本の紹介です。 注目の一冊、著者より献本御礼。8月7日発売の新刊です。 「健康第一」は間違っている (筑摩選書) 作者: 名郷直樹 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/08/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

知を共有することに意味はあるのか?

本の紹介です。 「ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す」というタイトルは、医学情報の収集にも共通するものがあるかもしれません。ジャーナリストの津田さんの本です。 ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す これからのソーシャルメディア航海術 (PHPビジネス新…

超高齢社会と総合診療

GはGeneral Practice 本の紹介です。出版社より献本御礼。 総合診療に特化した雑誌(隔月刊)が創刊となりました。 いま知りたい! 総合診療の視点で診る 高血圧診療〜二次性高血圧の精査から 家庭でのコントロールまで,根拠をもって患者をまるごと診る (Gノ…

休刊、残念。

本の紹介です。 2年ぶりに出版された「構造構成主義研究6」。編者らの鼎談、構造構成主義研究の原著論文、西條剛央さんの再録論文や「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の記録など、盛りだくさんの内容です。 思想がひらく未来へのロードマップ (構造構…

フクシマ以降

本の紹介です。 近くの大型書店に立ち寄ったところ、「人文・社会」フロアの一角に、見覚えのある本がセレクションされている推薦コーナーが。 偶然?このブログで紹介した本だけでも数冊・・・ちょっと驚きました。 例えば、(それぞれ当時のブログ記事へリ…

花粉症に効く食べ物はないですか?(3)

花粉症に効く食べ物はないですか?(2)つづき記事です。 トマトが花粉症に効く? さて、最後にトマトです。こちらはTwitterで教えていただきました。 おお~ありがとうございます!! RT @syuichiao: 通年性ARですが、トマト抽出物なるものの効果が小規模RCTで…

花粉症に効く食べ物はないですか?(2)

花粉症に効く食べ物はないですか?(1)つづき記事です。 乳酸菌は効く? 最近は乳酸菌がよく話題になっていますが、花粉症にはどうでしょうか。まずは日本の論文をひとつ見てみましょう。 ランダム化比較試験(Kawase M, 2009年)*1 P▶ スギ花粉症がある神奈…

花粉症に効く食べ物はないですか?(1)

花粉症シーズン真っ只中ですが、みなさん今年の症状はいかがでしょうか? 「花粉症に効く食べ物とか、ないですか?毎年大変で・・・。」 外来でいただいた質問について、少し調べてみました。食品でということでしたので(といっても臨床研究では抽出物や錠…

思索するブログへ

新年ということで 早いもので、あっという間に12月は過ぎていき、2014年になりました。 つつしんで新年のごあいさつを申し上げます。 お忙しい中、勝手気ままに記録しているこのブログにお越しいただき、ありがとうございます。 今年もなんとか続けていきた…

糖尿病治療のエビデンス

今回は雑誌の紹介です。 主に薬剤師向けの雑誌「薬局」が、最新のエビデンスを精力的に取り上げています。過去1年間のエビデンスを総括する特集も記憶に新しいところです。 Evidence Update 2012 | 地域医療日誌 by COMET エビデンスは鮮度が命 | 地域医療…

yPadも4冊目

近くの書店で今年も見かけました、yPad 4。

「困ってるひと」をわかってあげられますか?

本の紹介です。 闘病記に分類される本はたくさん出版されていますが、今回は著者の講演を拝聴する機会があり、手にとってみました。 ([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)作者: 大野更紗出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2012/06/20メディア: 文庫購入: 3人 …

日本のプライマリ・ケアは立ち遅れていますか?

本の紹介です。ちくま新書の新刊です。 医療大転換:日本のプライマリ・ケア革命 (ちくま新書)作者: 葛西龍樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/08/07メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る これまで日本のプライマリ・ケアや、家庭医療を取…

情報は1秒でも早いほうがよいか?

エゴスクープ的な日本 「米ハフィントン・ポストの衝撃」を読みました。 メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃 (アスキー新書)作者: 牧野洋出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブ…

ポケットエコーは導入すべきか?

アクセスが格段に改善 あのポケットエコーのデモ機をしばらくお借りしました。 ポケットエコー先行予約開始 - 地域医療日誌 by COMET ブログ記事があったとは・・・。2010年に発売されたのですね。 主に訪問診療で使うモバイル型のエコーは、すでに導入・活…

 Copyright © 2003, 2007-2021 地域医療ジャーナル